TBSチャンネルで放送してたのを見ました。当時私は小5。年末年始は毎年家族でハワイに行くのが恒例でしたからこの放送は見てなかったはず…とか言ってみたいですが多分家にいたでしょう。が、どうも記憶にないのは前半風呂にでも行ってたか。(当時まだ銭湯に行ってた時代なので)
新人賞は6人いて最優秀新人賞は麻生よう子さんでした。そういえば「逃避行」ってこの年だったんだと思い出したり。他のアイドルでは荒川務、城みちるなど。この辺は久々に見ました。
そして驚いたのがフォーク系の人たち。まだニューミュージックという言葉はなかったと思いますが、海援隊とグレープが出てました。それもグレープは「精霊流し」が作詞賞。新人のフォークデュオが作詞賞というと阿久悠先生なんかはどう思ってたのでしょうね。レコ大は出来レースだの大手芸能事務所で割り振ってるとか聞きますが、この受賞についてはそれはないでしょう。
そのグレープですが、さださんは結構緊張してた印象ですが、吉田さんのギターは凄かったです。バックにオーケストラがいるので、イントロ以外はアルペジオで伴奏するのではなく特にBメロからサビにかけてはフィルインのソロというか物凄いフレーズを弾いてました。これは言葉で説明するのは大変ですが、当時の小さいテレビとショボいスピーカーでは何をやってるかよくわからなかった人が多いかも。昨日見て「おおっ!」と思い巻き戻してもう一度見てしまいました。素晴らしい演奏です。
あとは残念なのが井上陽水氏。この年一番売れたLPが「氷の世界」で、曲としては「夕立」で星勝さんが編曲賞を受賞。しかし、なにしろ陽水氏が来ないので演奏はなし。もしかしたら、レコード大賞という権威になびかない態度として当時は評価する声もあったかもしれませんが、今あらためて見ると私はガッカリですね。グレープとか海援隊が出てきて堂々と演奏して喝采を浴びた事を考えると凄く残念です。受賞式来ないなら、賞そのものを辞退なさったら?と思ったりします。レコード買ってファンになったけど事情によりコンサート行けない人に、感謝の気持ちを込めて歌を届けようとか思わんのだろうかと。
と、今回の放送を見ながらそんなことをいろいろ思いました。ちなみに大賞は森進一さんの「襟裳岬」なので、これは拓郎さんの曲。レコード大賞というと日本作曲家協会のイベントなので、いわゆるシンガー・ソングライター勢の台頭に当時の作曲家の先生方はかなりの危機感を覚えた事でしょう。
その巻き返しがあったかというと、翌年の大賞は小椋佳さんが作った「シクラメンのかほり」だったわけで、またまた「えらいこっちゃ」となったのでしょうが、それはまた別の機会に。
何度も書きますが、TBSは折角映像持ってるんだからドシドシ吐き出すべし。それもCSじゃなくてせめてBSで。ヤル気あるかなあ。