昨日行ってきました。アミューズカフェシアターというのは浅草にあって、浅草寺や仲見世通りからほど近いところにあるドンキホーテのビルの7階にあります。これがどういう劇場かというのは説明しづらいのですが、普通のライブハウスとは違って舞台の片方の袖が長かったり客席の形が変則的で真ん中にバーカウンターがあったりします。広さはそこそこありますが、テーブルや席の配置は結構余裕があるので、昨日の座席数は90くらいでした。
石川ひとみさんのライブは4年前から年に数回行われているようですが、昨年デビュー40周年を迎えてアルバム発売や記念コンサートがあったことから、眠っていたファンが大量に目を覚ました様子。昨年12月の公演は発売後5分で完売したのが、今回は2分でした。チケットを入手するには、まさに「争奪戦」の様相です。
私は今回初めての参加でしたが、人気の高いのはわかりました。会場のどの席からも比較的ステージが近くて、なおかつステージも低いのでアーティストを身近に感じられます。毎回ここではアコースティックな編成でコンサートを実施しているそうで、バンドの音が大きくない分ボーカルがしっかりじっくり聞けるし、ステージが近いので本当に石川ひとみさんの姿だけ見つめていられるので、満足度は高いです。ただ、今回の特別メニューの海老カツバーガーが大きくて食べにくく、あれこれ床に散乱させてしまった気が…。
座席表は画像の通りですが、私は33番だったのでちょっと斜めから石川ひとみさんを眺める感じでしたが、カウンター前の場所だったのでちょっと椅子をずらせば他のお客さんは気にせずに楽しめる位置でした。
今回のバンド編成は
ギター:山田直毅
キーボード:斉藤哲也
Sax&フルート:園山光博
パーカッション:元田優香
の4名。直毅さんはギターとはいえ最後までアコギだけで、完全にアコースティックな編成でした。曲の開始前には斉藤さんにテンポの指示をしている光景がちょくちょく見られたので、打ち込みのリズムもなかったのではないでしょうか。
そこに石川ひとみさんが登場してステージの開始となったわけですが、まずは石垣島に伝わる唱歌で始まって、次も「朧月夜」だったのでこれはここのステージならではの構成でしょう。
気に入ったのはドラムもベースもいなかったので、全体が大音量でなく彼女の声がすごくよく聞こえたこと。それでもスローな曲、静かな曲だけじゃなく、アイドル時代の曲も披露したわけですが、この編成でいろいろ趣向を凝らして聞かせてくれたのはさすが凄腕揃いのミュージシャンだとほれぼれしました。たった4人しかいないのを意識させないというか、なんの違和感もなく聞くことができたのはアンサンブルの妙ですね。
元田さんはコンガ、ジャンベ、シンバル、スネア、シェーカーなどはわかったのですが、コンガのうしろにカホンもあったのでしょうか。時折バスドラのような音がしてついそっちを見てしまったり。今回は曲によっては華麗なスティックさばきを見せてくれて、離れ技も披露してくれたので見た目もバッチリ。ある意味今回のハイライトだったかもしれません。曲のリズムを支えつつ、歌の邪魔はせずあれこれ駆使して凄いなーと思いました。石川ひとみさんのステージには欠かせない人になってますね。
園山さんのSaxとフルートも相変わらず鮮やかなお手並みで、Saxでバリバリっと決めてたかと思ったら、いつの間にかフルートで後ろを支えてたりで大活躍でした。本当に素晴らしいミュージシャンだと思います。
斉藤哲也さんは今回淡々とエレピを弾いてましたが、そこに直毅さんのアコギが乗っかってきて抜群のアンサンブルを聴かせてくれました。ベースもドラムもいなくてスカスカの編成ですから、ちょっと間違えるとすぐわかっちゃう感じですが、その緊張感がありつつひっちゃんのボーカルを支えるという使命をひしひしと感じて、なんか斉藤さんのピアノが鳴ってるだけで安心する感じはありました。
そして曲の方ですが、冒頭に「珍しい曲もやるので、『この曲なに?』とかいう人はあとでお話しがあります!」と脅された(?)とおり、滅多に聞けなさそうな曲も多数。個人的には、パープルミステリー、マリンブルーに溶けないで、夕暮れて、Blue Dancingなどに激しく反応。
実は「Blue Dancing」は、今年2月の羽田のコンサートで「コンサートで聞きたい曲」として書いてたので、聞けて本当に嬉しかったです。恐らく人気が高かったのでしょう。こういうことがあると、アンケートもちゃんと書こうと思いますし、「また行こう」と思わせてくれます。
望むらくは、ちゃんとしたホールでバンド形式での演奏もあり、その中で今回のようなアコースティックな編成で歌をじっくり聞かすコーナーもあり、というコンサートを聞いてみたいです。
今回、元親衛隊で頑張ってた方々が昔の曲中のコールを復活させ、会場を多いに盛り上げていましたが、あれもすべての方が喜んだわけではないでしょうし、私も曲によっては「ん?」と思わないこともなかったです。特に今回はドラムもないアコースティックな編成だったので、もうちょっと彼女の声をじっくり聞ききたいと思った部分があったのは正直なところ。
今のところは40周年のお祭り騒ぎの中ではありますし、石川ひとみさんもMCで「またみんなが振り向いてくれて…振り向かせたかな?」ということを言ってたのですが、往年のファンがちゃんと戻ってきたのは認識して貰えたと思います。そのうえで、今後のデビュー50年、60年に向けてずっと歌い続けて貰って、なおかつ新しいファンを獲得することを考えるとアーティストとファンの関係についてもいろいろみんなが考えてみるべき時期なのかもしれません。(私ごときがいうのは生意気と思われるかもしれませんが)
とにかく、終了してももっともっと彼女の歌を聞いていたい、同じ構成で翌日開催されてもまた聞きに行きたいと思わせてくれるようなコンサートでした。もし関心を持った方がいれば、次回参加を検討してみて下さい。絶対損はしません。夜の浅草は歩いたことがなかったのですが、帰宅前に誰もいない仲見世の夜景を見ることができました。いろいろ幸せでした。