「謎の女B」を初めて聞いたのは6年ほど前。ラジオの「ひるのいこい」でした。「平岡精二とブルーシャンデリアで謎の女B」というクールな紹介で始まったのが、なんとも不思議な曲だったので鮮明に覚えてます。
そもそも真面目にやってるのかネタなのか、新しいのか古いのか、なんかのサントラだったりするのか、まったくわからないまま。古そうなのはわかったのですが、わざとそういう風に見せかけてる感じもあったので。
なにしろ独特のアレンジと妙に味のある呟くようなボーカル、そして詞の世界がドラマを見てるような感じで、運転しながら呆然と聞いてましたが、なんか気持ち悪くてムズムズしました。
その日は帰ってから「らじるらじる」でもう一度聞いて、あんまり気に入ったので即録音しました。それでこの曲と平岡精二について調べてみましたが、平岡精二とブルーシャンデリアではほとんど情報無し。
ただ、平岡精二はソングライターとして著名で一番のヒット曲はペギー葉山の「学生時代」。これは作詞作曲ともに平岡精二。「つめ」というのもそうですね。ザ・シャデラックスの「君についていこう」も作詞作曲。あとは「あいつ」というのを自分で歌ってたのでシンガーソングライターということでしょう。
ラジオから録音したのはしょっちゅう聞いてたのですが、残念ながらサブスクには無し。最近になってCDを買おうと思い立ったのですが、ついに今回トップ画像のものをゲットしました。元々1970年にLPだったようですが2007年にCDになってました。もちろん中古です。
驚いたのは、「謎の女B」で印象的なヴィブラフォンは平岡精二本人の演奏。というよりは、この方はジャズのヴィブラフォン奏者として有名で、なんとM.J.Qが来日した際共演もしてたそうです。
それがまあこの「謎の女B」ではとぼけた感じのボーカルとスキャットで、そんな凄い人だとは知りませんでした。おまけに間奏にも大フィーチャーされているヴィブラフォンもご自身だったとは。
今回入手したアルバムでは自作曲とカバーが半々。なかなか味のあるボーカルですが、やはり「謎の女B」が出色です。この曲は曽我町子がシングルで発売してて、近年ではEGO-WRAPPIN'もカバーしてます。が、あのアレンジと演奏、飄々とした歌声があってのものなので、やはり平岡精二ヴァージョンが最高です。
なお、「謎の女B」はドラマ仕立てのような詞ですが、内容は「謎の女B 僕をAとする AとBはある夜 会った」というもので、ミステリアスでなおかつトホホな世界が堪能できます。これは是非紅白で歌って欲しかったですね。(ウソ)
ちなみに謎の女といえば、「謎の女キムチ」は餃子大王のメンバーでした。今の若い人は知りはれへんやろなあ…。