いろいろな意味での話題作「光る君へ」が終了しました。感想としては「最後まで辛抱して見続けた自分を褒めたい」です。主演が吉高由里子で無かったら挫折していたことでしょう。率直に言って脚本、演出ともに無茶苦茶だったと思います。
見ていて「そんな物言いはせんと思うな~」とか言って面白がっていたのは最初の数回で、それがあんまり続くものだからすっかり慣れてしまいました。時代背景や時代考証をすっ飛ばしての好き放題に違和感を感じなくなった自分にイラつかなくなった時点でもう負けですね。
そんななので、いちいち時代考証がおかしいとかは言いません。何しろNHKだし大河ドラマだし脚本は大石静だし、そういうスタッフがいてちゃんと仕事してるのは明らか。それでもああいう作りなのは「あの時代にそういうのはおかしいよ。」というのを言わせるためにやっているのでしょう。
そういう意味でとんでも作品であることは間違いないですが、個人的には大石静センセイの評価が大いに下がりました。今年は「オードリー」の再放送もあったのですが、あれもあかんかったし。
以前に松本清張の時代小説を読んだ時は、生活実態の描写に「そりゃまあ昔の人は長生きできないわ。」というリアリズムのようなものを感じたのですが、それとは対極にある感じですね。おまけに「源氏物語」にも「枕草子」にも興味を持たなかったし。
いっそのこと倉本聰脚本で渡哲也主演の「浮浪雲」のように宴会で演歌チャンチャカチャン歌ったり「前略、おふくろ様…」というセリフが出てくるなら面白がれたかも。どうせなら吉高由里子が琵琶の弾き語りで「赤いスイートピー」を歌うシーンでもあればよかったものを。
「そこまでするのは無茶苦茶だ」という声があるかもしれませんが、闇夜にまひろが一人で出掛けて道長とワッチコンするなんてのは、それと同じくらい無茶な話ではないでしょうか。
ということで、なんだかんだいって最後まで見た人には「お疲れ様でした。来年に期待しましょう。」と声を掛けたいです。これを名作だとか感動すると思って見ていた人は尊敬します。最初から「荒唐無稽なSF的大河」と言っていたなら私も文句は言いません。
それにしてもあの最終回はなんじゃ?
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