スコット・フィッツジェラルド
訳 村上春樹
『グレート・ギャツビー』★★★★★
よく「人の評価は棺桶の蓋を閉めてみないことにはわからない」と言われるが、
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僕は内側にいながら、同時に外側にいた。尽きることのない人生の多様性に魅了されつつ、同時にそれに辟易してもいた。
人は誰しも自分のことを、何かひとつくらいは美徳を備えた存在であると考えるものだ。そして僕の場合はこうだ― 世間には正直な人間はほとんど見当たらないが、僕はその数少ないうちの一人だ。
「不注意な運転をする人が安全なのは、もう一人の不注意なドライバーと出会うまでだって。それでどうやら私はもう一人の下手なドライバーに出くわしたみたいね。そう思わない?」
トムとデイジー、彼らは思慮を欠いた人々なのだ。いろんなものごとや、いろんな人々をひっかきまわし、台無しにしておいて、あとは知らん顔をして奥に引っ込んでしまう―
P316 (あえて抜粋省略)
ここでは西部と東部だけど、それを東北と都内に置き換えて 思うところがある。
満ち満ちた読書時間だった。
もっとフィッツジェラルド(もちろん春樹訳)が読みたい!
映画みてみたい。ディカプリオ。