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2017-10-02 | 村上春樹




村上春樹
『騎士団長殺し 第2部 遷ろうメタファー編』★★


夏休み読書途中挫折・・
そして今回実家に持参して最初から読み直し。
誰にも邪魔されることなく読みたいがため。

しかし・・最後の最後に失速・・
勢いがあったのに最後の方になり畳み掛けるかのような文語体
このまま第3部があってもおかしくない感じだけど、どうなのかな?

ハードボイルドワンダーランド
お正月読書はまずそれに決まり☆

あと今読みたいと思っているのは最近色々と目にする漱石
『吾輩は猫である』☆にゃんにゃん



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どうあがいても、人はもって生まれたものに大きく左右される。でもそんなことを言い出したら、話の収拾がつかなくなる。



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「目に見えるものが好きなの。目に見えないものと同じくらい」

「ずいぶんと不思議な意見ね」
「なんだか謎かけみたい」

少しあとに彼女が顔を上げたときその目からはもう特別な光が消えていた。それは一瞬のことだったのだ。



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「メロディーは思い出せない。でも歌詞は覚えている。川の向こう側には広い緑の野原が広がっていて、そちらにはそっくりきれいに日が照っていて、でもこちら側にはずっと長く雨が降っていて・・・・・・というような歌だった。ねえ、先生はそんな歌って耳にしたことがある?」
「聴いたことはないと思うな」
「これまでいろんな人に尋ねてみたんだけど、誰もそんな歌は聴いたことがない。
それはわたしが頭の中でかってにつくった歌なのかしら?」
「それともお母さんがその場でこしらえた歌なのかもしれないよ。君のために」
「そんなふうに考えたことはなかったけど、でももしそうだとしたら、それってなんだか素敵よね」
彼女が微笑みを浮かべるのを目にしたのは、たぶんそのときが初めてだった。まるで厚い雲が割れて、一筋の陽光がそこからこぼれ、土地の選ばれた特別な区画を鮮やかに照らし出すような、そんな微笑みだった。

「その場所にもう一度行ったら、ここだって君は思い出せるかな?その山の上の
展望台みたいなところに行ったら?



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「時間が奪っていくものもあれば、時間が与えてくれるものもある。時間を味方につけることが大事な仕事になる」
彼女は何も言わず、ただ私の目を見ていた。窓ガラスに顔をつけて、家の中をのぞき込むみたいに。時間の意味について考えているのだ。



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ジャガーとプリウスとでは、ドアの閉まる音がまったく違うことに私はあらためて感銘を受けた。音ひとつとっても世界には実に多くの差異がある。



--------挫折







--------再読



33 目に見えないものと同じくらい、目に見えるものが好きだ


「練習だよ。練習しているうちにだんだんうまくなっていく」
「でもどれだけ練習してもうまくならない人もたくさんいると思う」

どうあがいても、人はもって生まれたものに大きく左右される。でもそんなことを言い出したら、話の収拾がつかなくなる。



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「実を言うと、私のはジンクスみたいなのがあるんです」、彼女はにっこり笑って栞をはさみ、本を閉じた。「読んでいる本の題名を誰かに教えると、なぜかその本を最後まで読み切ることができないんです。だいたいいつも思いもかけない
何かが起こって、途中で読めなくなってしまう。不思議だけど、本当にそうなんです。だから読んでいる本の題名は誰にも教えないことに決めてます。読み終えたら、そのときは喜んで教えて差し上げますけど」
「もちろん読み終えてからでけっこうです。とても熱心に読んでらっしゃるので、何の本だろうと興味を惹かれただけです」



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ジャガーとプリウスとでは、ドアの閉まる音がまったく違うことに私はあらためて感銘を受けた。音ひとつとっても世界には実に多くの差異がある。



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目が覚めると、窓の外には雨が降っていた。来るべき冬の到来を予告するような冷ややかな雨だった。静かで、そして執拗な雨だ。



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「ねえ、これをゲームだとして考えてみて。純粋なゲームではないにせよ、ある種のゲームみたいなものだと。そう考えないことにはうまく話の筋が通らないから」
「考えてみる」
「で、ゲームにはルールが必要よね?」
「必要だと思う」
「野球にもサッカーにも、分厚いルールブックがあって、いろんな細かい規則がそこにいちいち文章化されていて、審判や選手たちはそれを覚え込まなくちゃならない。そうしないことには試合は成立しない。そうよね?」
「そのとおりだ」



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「ぼくのいったい何がうらやましいのでしょう?」
「あなたはきっと、誰かのことをうらやましいと思ったりしないのでしょうね?」

少し間を置いて考えてから私は言った。「たしかにこれまで、誰かのことをうらやましいと思ったことはないかもしれない」
「私が言いたいのはそういうことです」



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「おまえはきっと知らないだろうが、ゴルフっていうのはとことん奇妙なゲームなんだ。あんなに変てこなスポーツってまずないね。他のどんなスポーツにもぜんぜん似てない。というかスポーツと呼ぶことさえ、かなり無理があるんじゃないかとおれは考えてる。しかし不思議なことに、いったんその奇妙さに馴れちまうと、もう帰り道が見えなくなる」



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記憶は時間を温めることができる。



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「試練はいつか必ず訪れます」
「試練は人生の仕切り直しの好機なんです。きつければきついほど、それはあとになって役に立ちます」
「負けて、心が挫けてしまわなければ」



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「私には考えることがたくさんあります。読むべき本があり、聴くべき音楽があります。多くのデータを集め、それを分析し解析し、頭を働かせることが日々の習慣になっています。エクササイズもしますし、気分転換のためにピアノの練習もしています。もちろん家事もしなくてはならない。退屈している暇はありません」

「歳をとっていくのは怖くありませんか?一人ぼっちで歳をとっていくことが?」

「私は目にみたものしか信用しない人間です。ですから自分がこれから何を目にすることになるのか、それを待っています。とくに怖くはありません。それほどの期待もありませんが、いささかの興味はあります」

「あなたはいかがですか?歳をとるのは怖いですか?」



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谷間の上の空は晴れ渡り、空気は冷ややかに澄み切っていた。冬を目前にした鳥たちの声が、鋭くその空気を刺し貫いた。



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紙袋からシーヴァス・リーガルの瓶を取り出し、封を切って蓋を開けた。私はグラスを二つ持ってきて、冷蔵庫から氷を出した。瓶からグラスにウイスキーを注ぐときに、とても気持ちの良い音がした。親しい人が心を開くときのような音だ。
そして我々はウイスキーを飲みながら食事の支度をした。



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「明日は明日だ。今日は今日しかない」
その言葉には不思議な説得力があった。



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どんなに暗くて厚い雲も、その裏側は銀色に輝いてる。



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血は流されなくてはならない。



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外に広がる太平洋を眺めた。水平線がせり上がるように空に迫っていた。私はそのまっすぐな線を端から端まで目で辿った。それほど長く美しい直線は、どんな定規を使っても人間には引けない。そしてその線の下の空間には、無数の生命が躍動しているはずだ。この世界には無数の生命と、それと同じ数だけの死が満ちているのだ。


「そう、諸君らはここにふたりいりではあらない」



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永遠というのはとても長い時間だ、と顔のない男は言った。



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私の心はいったいどこにあるのだ?
「心は記憶の中にあって、イメージを滋養にして生きているのよ」
「記憶の中を探して」
「何か具体的なものを探して。手で触れられるものを」


「明かりを消して、風の音に耳を澄ませて」
私は懐中電灯のスイッチを切り、言われたように風の音に耳を澄ませた。でも何も聞こえなかった。辛うじて聞こえるのは、自分の心臓の鼓動だけだった。私の心臓は強風にあおられる網戸のように慌ただしい音を立てていた。
「風の音に耳を澄ませて」

私は息を殺し、神経を集中してもう一度耳を澄ませた。そして今度は心臓の鼓動の音に被さるように、懐かしい空気のうなりを聴き取ることができた。そのうなりは高くなったり低くなったりした。どこか遠くで風が吹いているらしかった。



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まったく正しいこととか、まったく正しくないことなんて、果たしてこの世界に存在するものだろうか?我々の生きているこの世界では、雨は三十パーセント降ったり、七十パーセント降ったりする。たぶん真実だって同じようなものだろう。

その点カラスは楽でいい。カラスたちにとっては雨は降っているか降っていない
か、そのどちらかだ。パーセンテージなんてものが彼らの頭をよぎることはない。

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どんなに恐ろしくても、恐怖に自分を支配させてはならない。無感覚になってはならない。考えを失ってはならない。だから彼女は目を見開き耳を澄ませる。

私はここにいない。私はここにいない。



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我々はそれぞれに明かすことのできない秘密を抱えて生きているのだ。



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傾向と対策・・的な










駆け込み柏屋で「ままどおる売り切れですか?」って聞いたら
「三万石です。サービスエリアに売ってますよ」・・・素でまちがえた。
親切ねってことで薄皮饅頭にしたけど、ままどおるってお土産で渡すとかならず喜ばれる。


最近ヒットな栗きんとん
http://midoriyarouho.com/
花かごのたまごボーロ食べたい。


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