羽根田治
『ドキュメント 滑落遭難』★★★
次から次へと・・
シリーズ三作目
山が恋しい。
完全復活までまだかなぁ
やっほー
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*富士山
富士山は雪上訓練や春スキーのメッカであるが、その反面、滑落事故が多発する山でもあるのだ。
「富士山は巨大な滑り台みたいなもの。一度滑り出したら止まらない」
「危険に対する認識不足」
「いちばんの原因は油断だと思う」
登山届の未提出
*北アルプス・北穂高岳
「ちょっと意地になってあとを追っていた」
事故への備え
「事故はなんでもないところで起きる。本当に危険なところでは起こらない」
転滑落事故では致命傷に至ったり重傷を負ったりするケースが非常に多い。
とくに危険というわけではない場所でうっかりつまずいて数メートル転げ落ちただけでも、打ちどころが悪ければ命を落としてしまうことだってありえるのだ。
ストックの携行
“転ばぬ先の杖”
山岳保険
*大峰山脈・釈迦ヶ岳
「登山ツアー」
「山岳会ではない」
メンバーの力量
山登りは“自己責任”で行なうのが大前提であり、万一事故が起きた場合も、その責任は当事者が負うというのが原則である。
リスクマネジメント
ガイドレシオ(ガイドひとりあたりに対する参加者の適正人数)
百名山と世界遺産
訪れる観光客や登山者のなかに、その歴史的背景を理解して来ている人がどれだけいるか。
せめてその山とその地域を広く理解しようと努め、また「登らせてもらっている」という謙虚な気持ちを忘れないようにしたい。
*赤城山・黒檜山
(上毛三山 赤城山、榛名山、妙義山)
ルート・ファインディング
「誰も足を踏み入れていない雪面に自分のトレースを印していく楽しみを」
リスクマネジメントのための装備
携帯電話、地図とコンパス、ツエルトや防寒具、ヘッドランプ、コンロや非常食
「道迷いから滑落に繋がった」
<たとえば遭難事故に遭遇しても死なないで「生き延びる知識と技術を身につけて」ほしいと心から感じるのである>
*北アルプス・西穂独標
登山の技術や知識は、低山から中級山岳を経て3000メートルの山へ、あるいは無雪期から積雪期へと、徐々にステップアップしながら習得していくのがセオリーとされている。
「たとえるなら、スキー場の上級コースを体で滑り下りていっているようなものです」
<滑る滑る、落ちる落ちる、次々へ下の谷へ下の谷へ何段階も落ちていき、身体をどうすることもできない>
「さすがに『死んでしまう』と焦りました」
重すぎたザック
「山のレベルがちょっと高かったかもしれない」
さまざまなリスクを想定し、それらに対処するためにいろいろな装備を持ちすぎてしまうというのはよくある話
携帯電話 予備の簡易充電器
いちばん大事なのは「絶対に生きて帰るんだ」という強い意志を持ち続けることであり、諦めたらおしまいである。
*南アルプス・北岳
キタダケソウ
(南アルプスの北岳のみに特産するキンポウゲ科の高山植物)
「ピッケルとアイゼンはあったほうがいいと思います。」
雪渓を見たときに「ここは気を引き締めて通過しないとヤバいな」
「キタダケソウの時期の北岳は花見登山のなかでも最もハイグレードな山行のひとつです」
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道迷いからの転滑落
*甲武信ヶ岳
沢を下っていこうとしたのが間違いだった。
*酉谷山(天目山)⇔*熊倉山
山で行方不明になった場合、通常一、二週間で捜査は打ち切られるという。
「もしかしたら沢に入った釣り人が見つけてくれるかもしれませんよ」
道迷い一日目にして早くも幻覚を見ている。
*雲取山 *武甲山 *和名倉山
埼玉県内の遭難事故では、登山者が行方不明になったまま、なかなか発見されず、発見されたときにはすでに・・・
散々言われていることであるが、山へ行くときに誰かに行き先を伝えておかなければ、万一なにかあったときに捜しようがなくなってしまう。それは残された家族や捜査する人たちに大きな負担を強いることになる。簡単なメモのようなものでもかまわないから、少なくとも家族だけには行き先と行程を伝えて山へ向かうようにしたいものである。
*両神山
「下山中になんでもないところで転んだりバランスを崩したりして落ちてしまうという事故が非常に目立ちます」
転滑落事故を予防するトレーニング
登山靴を履いて石がゴロゴロしている河原を歩く。
悪天候下の沢登り
滝川
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文庫化にあたっての追記がまた衝撃的・・
事故はなくならない ね。
ホント、ひとりでも多くの登山者に読んでほしい。