伊坂幸太郎
『死神の浮力』★★★
『死神の精度』から8年・・結構な年月だけど、 死神には関係ない。
著者紹介を見比べてみると、さすがに作品数が増えているし、 受賞作も増えている。
うちの本棚に眠っている『アイネクライネ・・』まであと一冊
ちなみにこの死神シリーズは図書館本です。
さてこちらは長編ですが、一言「くどい!」・・(笑)
死神シリーズは短編でよいのでは?
小気味よく進む方がね。
春樹を例に取ってもそうだけど、人間年を重ねるとくどくなる?
春樹のデビュー作から初期作品の輝き
どれを読んでも満足して、再読しようって毎回思うけど、
それが昨今の作品ってどうなの?描写のあまりのくどさを彷彿
『1Q84』あたりから顕著に表れてきて、半分に削れるんじゃ? って。
まさか伊坂作品にも!?
小粋な会話を楽しめたけど、 睡魔に襲われそうな無駄な伸ばしが目に付いた。
さてそうなると次作が違った意味で楽しみとなる。
『首折り男のための協奏曲』
所さんじゃないけど(世田谷ベース観ている人には通じる?)
簡潔にゆこうよ!
もちろん無駄な遊びや寄り道は大事ですが。
情報が溢れ過ぎている昨今人は次へ次へと進んでゆく。
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「穏やかな時間が長く続くことに、人間は耐えられない。集団はそのうち、『何か面白いことはないのか』と嘆きはじめる」
「そういうものですか」と僕は答えながら、同じようなことを<渡辺先生>が書いていた、と思い出した。人間は平和や安静、正気と呼ぶ状態を一応好ましいものとしているにもかかわらず、それが長く続くと、飽きて憂鬱になったり、倦怠を催す、と。平和がいいね、と分かっているのに、平和に飽きる。
「ほとんどの争いは、そこから起きてるんじゃないのか」
「そこから?}それはまた乱暴な結論に思えた。
「穏やかな日常は退屈を生む。その退屈さが、不安を生み出す。『このままでいいのか?』とな。何も起きていないというのに集団は怯えはじめる。もしくは、退屈が起きる。どちらにせよ、起きているのは抗争や戦争だ」
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新しい競技場 草が生えていた エコエコ