半村良
『どぶどろ』★★★★
こちら先日の『黒百合』と一緒に借りた本
まぁまぁな厚さの短編集?
かと思いきや、最初の数件の短編から繋がるというおもしろい趣向の一冊
--------(抜粋)
魔が差して掛け取りの金に手を付けてしまった莨問屋の手代・繁吉の苦悩(「いも虫」)
亭主に先立たれ商売敵の囲い者となった女房。その子供たちに乞食が放った痛切な台詞とは?(「おこもさん」)
本所で発生した夜鷹藁麦殺し。山東京伝の従者・平吉は、その謎を追ううちに、意外な真相に到達する…(「どぶどろ」)
天明末から寛政の世を舞台に、名手・半村良が市井の人々の哀歓を細やかな筆致で謳いあげる大江戸人情世話ミステリー
半村良の時代小説の傑作、ここに復刊
江戸の下町吹き溜まり、そこに降って沸いた怪事件
夜鷹蕎麦屋の親爺が切り口鮮やかな一刀のもと殺された。殺しの真相を追う平吉がたどり着いた真実とは?
人気作家宮部みゆきに「いつかこんな小説を書いてみたいと思いました」と言わしめ、
また彼女の長編時代小説『ぼんくら』のヒントともなった傑作
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これぞ大人の時代小説!!
こういう本を読めてこそ「お江戸物語好き!」って豪語出来るというもの。
実感させられる一冊です。
ホント人との繋がりって不思議でおもしろい。
ネタバレ?詳しくは語らないけど、最後が無念で、読み終わった後落ちました。。
そこがまた宮部みゆき的には上手く語っていて・・必読です。
(そう『ぼんくら』いつの日が読まないとね)
もう葉桜になってしまった桜
郵便受けから新聞を取り、部屋まで着く間に読む編集手帳
◆本紙で長く「こどもの詩」欄を担当した川崎洋さんのことばを思い出す。
<終戦記念日 どうして日本が負けた日が記念日なの>と問いかける詩に、「またとない反省の日だからです」という短評を寄せた。大戦のプロパガンダといえば大本営発表だろう。敗戦が濃厚になっても後退を転進と言い換え、新聞や放送局もそのまま伝え、戦没者を際限なく膨らませた。愛国心をうたいつつ真剣な顔でやっていたはずである。
◆反省すべき怖い真面目な歴史がある。いや、現在にも。
歴史は繰り返す・・