山本周五郎
『楽天旅日記』★★★★
短編、中編が続いていたので長編をチョイス
膨大な書籍群の中でも長編は少なめ。
ただ『樅ノ木』あたりは最後に残しておきたいから、楽しそうな雰囲気な『楽天旅日記』を。
今現在じゃ「楽天で予約して行った旅日記」みたいに感じるけど(笑)
今回は先走り単独読みです。
--------(抜粋)
大吉田藩七十万石の正嫡順二郎は、四歳の時、側室一派の陰謀によって廃嫡され、国許で幽閉同然の生活を送る。ところが、二十四歳になった時、世継ぎとされていた側室の子が突然死亡し、順二郎は隠密裡に江戸表へ迎えられる事になるが……。
お家騒動の渦中に投げ込まれた世間知らずの若殿の眼を通して、現実政治に振り回される人間たちの愚かさとはかなさを諷刺した長編小説
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おかしみがあり、ついつい笑ってしまう。
以前読んだ『町奉行日記』系
周五郎さんはこういう滑稽ものを書かせても上手いのです。
キャラクター作りも人柄が出ていて、こういう人っているよねとうなずかせる。
ホント幅広な作家さんだなと感心させらる。
P365 最後の父との対面 その言葉の重みが沁みる(やっぱり沁みる場面がある)
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「‥‥‥大吉田へ帰るがよい、出来ることなら市井に隠れて、自分の好むままに生きるがよい、眼前の事にとらわれるな、いま眼の前にある事は、やがてみな亡びてしまう、愛も憎しみも、善も悪もいかなる事業も芸術も、‥‥‥なにもかも亡びて、塵になってしまうのだ、‥‥‥なにものも亡びることから逃れることは出来ないのだ」
順二郎は父の言葉をすなおに聞くことができた。この席は冷たく、石のように堅くという表現にも、実感がこもっていたし、権勢と繁栄をめぐる紛争の煩わしさもわかった。
自分の経験した不幸を子に経験させたくない、人間らしく生きてゆくことを望んでいるのだ。
彼は初めて「父の愛」というものに触れたと思った。
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順二郎は死んだのだ。
次、次と周五郎を読むのが止まらない。
読書が楽しくて仕方ない。そんな秋の夜長です。
昨日メルカリポイント期限前ってことで『ならぬ堪忍』と『あとのない仮名』GET
明日は(と言うか夜中から)栃木まで真夜中ドライブ
早朝から皇海山へ行って来ます。
すかいさん スカイ 空 素敵な響き。
それもクラッシクルートに挑戦です。どきどき。
大朝日岳を越える山行になりそうです。危険個所多々
ついつい「行きます!」と言ってしまった(^▽^;)好きなくせに~💚
体力がある内にチャレンジしてゆきたいです。
ベテランなお友達から得れるモノは大きいと思う。