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『大江健三郎全小説5』完読

2023-11-16 | 大江健三郎


大江健三郎全小説5

 

株式会社講談社
2018年10月10日 第一刷発行



残二作『個人的な体験』と『新しい人よ眼ざめよ』です。


 
--------抜粋
 
 
障害者の息子との共生を描く作品群。「ぼくはすでに自分の言葉の世界にすみこんでいる様ざまな主題に、あらためて最も基本的なヤスリをかけようとした。すなわち、個人的な日常生活の癌のように芽ばえた異常を核にして、そのまわりに、欺瞞と正統、逃亡することと残りつづけること、みずからの死と他者の死、人間的な性と反・人間的な性というような命題を結晶させ、再検討することを願ったのである」(著者・『個人的な体験』)
 


【収録作品】
空の怪物アグイー
個人的な体験
ピンチランナー調書
新しい人よ眼ざめよ

──共生


著者について

大江健三郎
1935年1月、愛媛県喜多郡内子町(旧大瀬村)に生まれる。東京大学フランス文学科在学中の1957年に「奇妙な仕事」で東大五月祭賞を受賞する。さらに在学中の58年、当時最年少の23歳で「飼育」にて芥川賞、64年『個人的な体験』で新潮文学賞、67年『万延元年のフットボール』で谷崎賞、73年『洪水はわが魂におよび』で野間文芸賞、83年『「雨の木」(レイン・ツリー)を聴く女たち』で読売文学賞、『新しい人よ眼ざめよ』で大佛賞、84年「河馬に噛まれる」で川端賞、90年『人生の親戚』で伊藤整文学賞をそれぞれ受賞。94年には、「詩的な力によって想像的な世界を創りだした。そこでは人生と神話が渾然一体となり、現代の人間の窮状を描いて読者の心をかき乱すような情景が形作られている」という理由でノーベル文学賞を受賞した。
 
 
--------
 
 
・個人的な体験
 
 
--------(抜粋)
 
奇形に生れたわが子の死を願う青年の魂の遍歴と、絶望と背徳の日々
狂気の淵に瀕した現代人に再生の希望はあるのか? 力作長編
 
--------
 
これはもはや私的小説なのか?
そう想像してしまうにはリアル過ぎる気がしてしまう。
この生かすか殺すか的葛藤は本当にあったことなのか!?
 
 
「鳥バードが主人公?」
「また異常な赤ちゃん!?OMG」
「ジョニーウォーカーをジョニイって記載しているのが大江さんっぽい」
「火見子 当て字ですね~」
「ウィリアム・ブレイク出た!」
「そしてヘミングウェイ」
 
 
やはり火見子が精霊っぽく・・現実味のない女性である。
大江さんの女性は女性らしさが欠けている。
それは初期作品から目に付くところ。
 
 
 
・新しい人よ眼ざめよ ★★★★(私的に好きな作品 イーヨーが癒し)
 
 
 
--------(抜粋)
 
 
障害を持つ長男イーヨーとの「共生」を、イギリスの神秘主義詩人ブレイクの詩を媒介にして描いた連作短編集
作品の背後に死の定義を沈め、家族とのなにげない日常を瑞々しい筆致で表出しながら、過去と未来を展望して危機の時代の人間の<再生>を希求する、誠実で柔らかな魂の小説
大佛次郎賞受賞作
 
 
--------
 
 
下記に分かれている。
 
・無垢の歌、経験の歌
 
 イーヨーが父が死んだと思って発狂!?家族に暴力を振るう。
 包丁を持って佇むイーヨー 目線はガラス窓の外にあった。
 でもそれは家族を守る行動であった。
 
 足、大丈夫か? 善い足、善い足! 足、大丈夫か?
 痛風、大丈夫か? 善い足、善い足!
 
 マジこれは読んでほしい一作である。
 
 
・怒りの大気に冷たい嬰児が立ち上がって ★★★★
 
 
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《人間は労役しなければならず、悲しまねばならず、そして習わねばならず、忘れねばならず、そして帰ってゆかなければならぬ/そこからやって来た暗い谷へと、労役をまた新しく始めるために。》
 
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・落ちる、落ちる、叫びながら‥‥‥
 
イーヨーがスミングスクールに通っていた時のちょっとした!?事件
水を怖がらずどんどん沈んでゆくイーヨー

時代を感じる怪しげな集団

右翼と左翼 今じゃ考えらない時代


・蚤の幽霊
 
この衝撃は検索したわたしが悪い・・
そうMさんの生首です。。


 
・魂が星のように降って、跗骨のところへ
 
イーヨー音楽劇を演出するの巻~
才能ってどこで生まれるか分からないね。
 
 
・鎖につながれたる魂をして

イーヨー誘拐事件
大江さん・・波乱万丈ですね。
 
 
・新しい人よ眼ざめよ

イーヨー寄宿舎に入る。
戻って来たその夜に決意表明
 
イーヨーは、そちらへまいりません!イーヨーは、もう居ないのですから、ぜんぜん、イーヨーはみんなの所へ行くことはできません!
 
イーヨーの成長物語である。
もう出来た弟と妹よ。感動物語でもある。
 
 

ラスト巻末の「大江健三郎の小説をめぐる最初の覚え書」
中々読めずに苦痛だった。。


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