三浦哲郎
『忍ぶ川』★★★★★
三浦哲郎
と聞いて「教科書に載っていた作家さん?」そう浮かんだ。
会社のコのおすすめ本として読む読む。
結構な古本でその着色から漂う香りに哀愁漂う。
やっぱり紙だよね紙だよ。ぱらりと乾いた音でページをめくる。
--------(抜粋)
兄姉は自殺・失踪し、暗い血の流れに戦きながらも、 強いてたくましく生き抜こうとする大学生の"私“ が小料理屋につとめる哀しい宿命の娘志乃にめぐり遭い、 いたましい過去を労りあって結ばれる純愛の譜『忍ぶ川』
読むたびに心の中を清冽な水が流れるような甘美な流露感をたたえ た名作である。
他に続編ともいうべき『初夜』『帰郷』『團樂』 など6編を収める。
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あらすじを読んだ時にそのバックグラウンドにどうなの? って思ったけど、
意外や内容は明るめで、ピュアな恋の物語だった。
昔の深川を想像散歩 海の匂い汐の香り
素晴らしい作品です。
(ちなみに芥川賞受賞作です)
確かに現実味を削ぎ落し、 清冽な水で洗い流したとでもいう綺麗な物語
でもこういう私小説は時代を超えてこそ光るものがあるし、
何より暖かな気持ちにさせてくれる。
だって現実の厳しさは知ってますもの。ね?
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唐突に、
『よい生活を』
とわたしは心に念じました。
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四畳半の生活(それもベニヤ板)
どれだけ恵まれているのよ今って!
血のつながりとは何だろうって考えさせられた。
子孫繁栄
『恥の譜』で戻る『忍ぶ川』
亡びの血
昔シドニイ・シェルダンが流行って『血族』なる本があったなぁ
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糠雨のなかに赤い色をにじませてつらなっている運河の灯は、 ちょうど田舎の花見の雪洞に似ていた。
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『驢馬』★★★★★
思いもかけない物語 正直この作品がよき評価
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「ごらん。あれが葉桜だ。大和魂の見本だよ。桜はぱっと花をちらせて、ああなるのです。すがすがしい風情じゃないか。花がちったあとの美しさ。死んだあとの美しさ。日本を学ぶということは、あの葉桜の美しさがわかるようになるということなんです。」
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