恩田陸
『夏の名残りの薔薇』★★
恩田陸纏めての二冊目です。
題名は今の季節にピッタリ
--------(抜粋)
沢渡三姉妹が山奥のクラシック・ホテルで毎年秋に開催する、 豪華なパーティ。参加者は、姉妹の甥の嫁で美貌の桜子や、 次女の娘で女優の瑞穂など、 華やかだが何かと噂のある人物ばかり。不穏な雰囲気のなか、 関係者の変死事件が起きる。これは真実なのか、それとも幻か?
巻末に杉江松恋氏による評論とインタビューも収録
巻末に杉江松恋氏による評論とインタビューも収録
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引用文献
アラン・ロブ=グリエ
『去年マリエンバートにて/不滅の女』
アラン・ロブ=グリエ
『去年マリエンバートにて/不滅の女』
クローズドサークル 古典的シチュエーションですがワクワクしてしまう。
まさにこの世界は夢か幻か?
--- 第五変奏のラスト
「瑞穂さん!」
慌てて早紀さんが抱きとめようとしたが、 瑞穂さんは身体を震わせ、大きくのけぞった。
「瑞穂さん!」
入り混じる悲鳴。
私を抱きしめる時光。
椅子の倒れる音。
遠くから、廊下を誰かが駆けてくる。複数の足音が、 悲鳴を聞きつけて押し寄せてくる。
しかし、静かだった。
私の中の世界は静かだった。
降り続く雪。
そして、その時初めて、瑞穂さんの声が聞えてきた。
これまで聞いたことのない、これから二度と聞くことのない、 彼女があの本を朗読する低い美しい声が。
ゆっくりとした暗転。それから、ゆるやかなトラック・バック。
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この場面は読んでいて映画の一幕みたいに盛り上がった。
恩田陸は三人称他視点を得意とする作家らしく、
先日読んだ『まひるの月を追いかけて』 での一人称の語りはめずらしいらしい。
視点が変わると目線も変わる。
一人称の方が読みやすいとは言える。
「誰もが誰かを監視している」
この物語のキーは「記憶」である。
自分の中で作り上げられる記憶
なかったことがあったことのように浮かび上がる。
その記憶の中が本当の世界と信じる、信じたくなる心理
なかったことがあったことのように浮かび上がる。
その記憶の中が本当の世界と信じる、信じたくなる心理
誰もが逃避したい現実に直面したことはあると思う。
恩田陸が一番好きな本memo
クリスチアナ・ブランド
『緑は危険』
「孤独」「ツライ」と検索する心理
電話からでも重い空気は伝わり、気が滅入る。。
無理にでも切り替えて前向きにゆかないといけない。
この状態は何だろう?
そんな状況で地元の友からの一本の電話で救われる。
伝わる温かみのあるオーラ
伝わる温かみのあるオーラ
彼女は無敵だ!!