あいだに スマホデビューの記事が入ってしまったけど、山に行った時のことはまだあったのです。
その次の週も 同じ山に行くことになったのですが、今回は≪山に行く ①≫の続きです。
少し早めのアンパンでの昼食をとり、おとうさんは車を停めたところまで取りに行きました。
残ったおばあちゃんと私は 車が置いているところに向かって歩きだした時に 後ろから軽トラックが
ゆるゆると追い越して行って 5メートルほど先の路肩に停めました。私たちは小声で「怪しいな」と
言って停めたなら下りるだろうと立ってみていたら、なかなか出てきません。やっと出てきたのは70歳は
過ぎているであろうつなぎを着た小柄なおっさんが出てきました。おばあちゃんは 何気なく山菜を探すふり
をしていたら、おっさんが手に火のついたタバコを持って近づいてきました。「何採ってるんな」と聞いてきたので
「山菜を探しに」と言いかけたら「まだ早いやろ、山菜は。」とおばあちゃんに話しかけるので私は その指先の
火のついたタバコが気になってしかたありません。ただの通りすがりの人のポイ捨てのタバコの火で山が丸焼けになること
が多いので、そりゃその人の山ではないから 焼けようがそう気にはならないだろうし、弁償することも全額とかは
してもらえないのだろう・・。ポイ捨てした後で山を下りたらだれの火の不始末かわからないものね。
おっさんの話では 見回りに来ている・・んだとか。私が不思議そうに「見回りってなんの?」と聞くと
「頼まれてな、シカの見回りや」となぜか得意そうに言うのだ。「ここもなぁ 周りをアミで囲っているけど
あちこち破られていて入り放題や」「途中の網も植林の時に紐で縛って出はいりできるようにしていたところが
開いたままになっていた」とおばあちゃんが言うと「それは人間や。わしが言うのは シカが網につのを引っかけて
くいっと首をひねったら ぴゃぴゃっと網は破ることができて そこから出はいりするんや」と。
「ところであんたらどっちからきたんや」と言われたので 下から上がってきたというと 車もないのに・・という感じで
見てきた。おばあちゃんもうさん臭さをぬぐえないので 「わたし等も 久しぶりに山を見回りに来たんや」と言いだした。
私はひぇ~正体を明かさんでもいいやろ・・・と思いながらも展開を聞いていた。おっさんが案の定「山ぁ?」と
聞き返してきたので「そう。ここの網を張っているところがうちの山やからの。めったに来れんから来てみたんや」と
言ったらおっさん「ここのぉ??この広い何十町歩もあるこの山の?わしゃ 何十年もここへ見回りに来るけど 山主に
会ったことはない」おばあちゃんが「私も主人から シカの見回りに来た人に会ったって聞いたことはない!」と言い放った。
おっさんは「この山の・・」と完全に 山奥で女二人のほら吹きに会ったというか目の前の二人が 古狸に見えたのか 首を
振っています。おっさんは気を取り直してか、ポーズなのかそばの斜面を上がって「おぉ、やっぱり夕べ シカが来たな」と
私たちに見えないところで大きな独り言を言っていた。戻ってきたおっさんのタバコは もう火傷しそうなくらいになっていたので
「おじさんも火の始末気をつけてよ」と私が言ったら「はいよ、山火事になるから ちゃんとこうして消すんや」と路上に落とし
足で踏みつけて消した。携帯灰皿とか持たないみたいね。おっさんは 聞きもしないのに若いときには 新宮の王子製紙の山を
みていたと言っていた。王子製紙って 若ボンが高級外車とか買って会社のお金を使い込んでいたとかじゃなかったっけ。
王子製紙って新宮に関連会社があったん?まぁ話の内容は 王子製紙の持っている山の管理をしていた。でやめて 今は
その口ぶりは 別の人が仕掛けたシカのわなを見て回っている・・んだとか。でも 罠にかかっていても 一人じゃどうも
できんでしょう、猟友会でもなさそうだし、くくりわな専門の人?おっさん一人で仕留めたり、というか魚と同様 弱った
獣はどうもできないし、もしや 他人のわなから獲物を頂戴する?・・・想像の域を超えないけど・・・
そこに おとうさんがやってきたので おっさんはスタスタと行ってしまった。おとうさんに話したら「どうも怪しいな」
おばあちゃんがよくぞ 名乗らなかったのが安心だわ・・というか あっちはあっちでこっちを「怪しいやつら」と思ったに
違いない。私たちは 自分の山を歩いているのでそう後ろめたさはないのだけど 山仕事や猟師の人以外で見かけた人は
なぜか 「何しに来たんや?」という顔で100パー見てくる。「いやぁ こんな山の中に何しに来たの?」と聞きたい。
他人の山だけど最初は遠慮がちでも だんだん図々しくなって うちの山の雑木をバッサリ伐っているところもある。
雑木でも うちの木なんだけど。蜜桶を置くためとか 仏花で売るためとか・・・
怪しいおっさんはまた出会うこともあるのかもしれない・・と言いつつ、帰ることにしました。
帰ると言っても車に乗り込み さぁ~っと帰るのではなく 途中で山椒の木を見つけながら採集しながら帰るのです。
今度はゴンパチ(イタドリ)を探すおばあちゃん
山椒採りは終えて 家の周辺では少なくなったゴンパチを見つけてはしゃぐおばあちゃん。さっきのおっさんに コゴミというシダの一種を
教えてもらったのでそれも見つけたと言ってはポキポキと道端のゴンパチを折っている。
右がゴンパチ、ひだりがじつはコゴミじゃなくて ナチシダという デカくなるシダの新芽・・
私が一番最後になってしまいながらも しつこく山椒の葉を探していたら 前方でおとうさんが路肩から下の斜面を上がって来るのが
見えたので、そんな半日陰のところに山椒が?と自分もその場所に行って探そうと思い「この辺やったな」と一歩踏み出して
「う、・・・・こ、これは ハビ?」
マムシだ!おっさんも言っていた。新宮の山にはハビはなかったけど、こっちに来たらハビが多い・・・って。
ひやぁ~ 気温が低いせいか(爬虫類にすれば)とぐろを巻いて なんか怒ってるみたい。おとうさんは気がつかなかったのか!!
私は もうここから山椒を探すどころではなく 「ひやぁ~、ひやぁ~」と道を走って下りたのでした。咬まれたら 血清を打たなくちゃ
死んでしまう・・と 子供心に「ハビ=死」というインプットがあるので怖くて仕方ない。山の小動物を食べるのだろうけど、こいつの
天敵はなんだろう・・イノシシとか?ならばしっかりイノシシに駆除を頼みたいものだ・・・
帰宅し、収穫量を計ったら 今年は私が頑張ったのでトップでした。
いやぁ ハビのことが頭にないときにせっせと摘んだのが功を奏したんでしょうね。これが 先にハビを見ていたら もう手元足元に
余裕がなかったと思うわぁ
その次の週も 同じ山に行くことになったのですが、今回は≪山に行く ①≫の続きです。
少し早めのアンパンでの昼食をとり、おとうさんは車を停めたところまで取りに行きました。
残ったおばあちゃんと私は 車が置いているところに向かって歩きだした時に 後ろから軽トラックが
ゆるゆると追い越して行って 5メートルほど先の路肩に停めました。私たちは小声で「怪しいな」と
言って停めたなら下りるだろうと立ってみていたら、なかなか出てきません。やっと出てきたのは70歳は
過ぎているであろうつなぎを着た小柄なおっさんが出てきました。おばあちゃんは 何気なく山菜を探すふり
をしていたら、おっさんが手に火のついたタバコを持って近づいてきました。「何採ってるんな」と聞いてきたので
「山菜を探しに」と言いかけたら「まだ早いやろ、山菜は。」とおばあちゃんに話しかけるので私は その指先の
火のついたタバコが気になってしかたありません。ただの通りすがりの人のポイ捨てのタバコの火で山が丸焼けになること
が多いので、そりゃその人の山ではないから 焼けようがそう気にはならないだろうし、弁償することも全額とかは
してもらえないのだろう・・。ポイ捨てした後で山を下りたらだれの火の不始末かわからないものね。
おっさんの話では 見回りに来ている・・んだとか。私が不思議そうに「見回りってなんの?」と聞くと
「頼まれてな、シカの見回りや」となぜか得意そうに言うのだ。「ここもなぁ 周りをアミで囲っているけど
あちこち破られていて入り放題や」「途中の網も植林の時に紐で縛って出はいりできるようにしていたところが
開いたままになっていた」とおばあちゃんが言うと「それは人間や。わしが言うのは シカが網につのを引っかけて
くいっと首をひねったら ぴゃぴゃっと網は破ることができて そこから出はいりするんや」と。
「ところであんたらどっちからきたんや」と言われたので 下から上がってきたというと 車もないのに・・という感じで
見てきた。おばあちゃんもうさん臭さをぬぐえないので 「わたし等も 久しぶりに山を見回りに来たんや」と言いだした。
私はひぇ~正体を明かさんでもいいやろ・・・と思いながらも展開を聞いていた。おっさんが案の定「山ぁ?」と
聞き返してきたので「そう。ここの網を張っているところがうちの山やからの。めったに来れんから来てみたんや」と
言ったらおっさん「ここのぉ??この広い何十町歩もあるこの山の?わしゃ 何十年もここへ見回りに来るけど 山主に
会ったことはない」おばあちゃんが「私も主人から シカの見回りに来た人に会ったって聞いたことはない!」と言い放った。
おっさんは「この山の・・」と完全に 山奥で女二人のほら吹きに会ったというか目の前の二人が 古狸に見えたのか 首を
振っています。おっさんは気を取り直してか、ポーズなのかそばの斜面を上がって「おぉ、やっぱり夕べ シカが来たな」と
私たちに見えないところで大きな独り言を言っていた。戻ってきたおっさんのタバコは もう火傷しそうなくらいになっていたので
「おじさんも火の始末気をつけてよ」と私が言ったら「はいよ、山火事になるから ちゃんとこうして消すんや」と路上に落とし
足で踏みつけて消した。携帯灰皿とか持たないみたいね。おっさんは 聞きもしないのに若いときには 新宮の王子製紙の山を
みていたと言っていた。王子製紙って 若ボンが高級外車とか買って会社のお金を使い込んでいたとかじゃなかったっけ。
王子製紙って新宮に関連会社があったん?まぁ話の内容は 王子製紙の持っている山の管理をしていた。でやめて 今は
その口ぶりは 別の人が仕掛けたシカのわなを見て回っている・・んだとか。でも 罠にかかっていても 一人じゃどうも
できんでしょう、猟友会でもなさそうだし、くくりわな専門の人?おっさん一人で仕留めたり、というか魚と同様 弱った
獣はどうもできないし、もしや 他人のわなから獲物を頂戴する?・・・想像の域を超えないけど・・・
そこに おとうさんがやってきたので おっさんはスタスタと行ってしまった。おとうさんに話したら「どうも怪しいな」
おばあちゃんがよくぞ 名乗らなかったのが安心だわ・・というか あっちはあっちでこっちを「怪しいやつら」と思ったに
違いない。私たちは 自分の山を歩いているのでそう後ろめたさはないのだけど 山仕事や猟師の人以外で見かけた人は
なぜか 「何しに来たんや?」という顔で100パー見てくる。「いやぁ こんな山の中に何しに来たの?」と聞きたい。
他人の山だけど最初は遠慮がちでも だんだん図々しくなって うちの山の雑木をバッサリ伐っているところもある。
雑木でも うちの木なんだけど。蜜桶を置くためとか 仏花で売るためとか・・・
怪しいおっさんはまた出会うこともあるのかもしれない・・と言いつつ、帰ることにしました。
帰ると言っても車に乗り込み さぁ~っと帰るのではなく 途中で山椒の木を見つけながら採集しながら帰るのです。
今度はゴンパチ(イタドリ)を探すおばあちゃん
山椒採りは終えて 家の周辺では少なくなったゴンパチを見つけてはしゃぐおばあちゃん。さっきのおっさんに コゴミというシダの一種を
教えてもらったのでそれも見つけたと言ってはポキポキと道端のゴンパチを折っている。
右がゴンパチ、ひだりがじつはコゴミじゃなくて ナチシダという デカくなるシダの新芽・・
私が一番最後になってしまいながらも しつこく山椒の葉を探していたら 前方でおとうさんが路肩から下の斜面を上がって来るのが
見えたので、そんな半日陰のところに山椒が?と自分もその場所に行って探そうと思い「この辺やったな」と一歩踏み出して
「う、・・・・こ、これは ハビ?」
マムシだ!おっさんも言っていた。新宮の山にはハビはなかったけど、こっちに来たらハビが多い・・・って。
ひやぁ~ 気温が低いせいか(爬虫類にすれば)とぐろを巻いて なんか怒ってるみたい。おとうさんは気がつかなかったのか!!
私は もうここから山椒を探すどころではなく 「ひやぁ~、ひやぁ~」と道を走って下りたのでした。咬まれたら 血清を打たなくちゃ
死んでしまう・・と 子供心に「ハビ=死」というインプットがあるので怖くて仕方ない。山の小動物を食べるのだろうけど、こいつの
天敵はなんだろう・・イノシシとか?ならばしっかりイノシシに駆除を頼みたいものだ・・・
帰宅し、収穫量を計ったら 今年は私が頑張ったのでトップでした。
いやぁ ハビのことが頭にないときにせっせと摘んだのが功を奏したんでしょうね。これが 先にハビを見ていたら もう手元足元に
余裕がなかったと思うわぁ