先週の続きです。
私・・・先週の話をまとめます。
①当初は殺害まで計画していなかった結果としての殺害。
②占領軍の情報機関と実行組織の共同作戦の可能性
③実行犯は「それなりの思想」を持った組織
④実行犯が独自の要求を下山に迫った。
と云ったところでしょうか。
B氏・・・4項目の説明を詳しくしてもらえる。
私・・・占領軍は下山を脅し、首切り計画の速やかな実行を迫っただけで、殺害まで考えていなかったと思う。
その根拠は、拷問を行っている事実が示している。拷問は本来殺害を目的としていない。何かを自白させるか、考えを変えさせる為の手段です。
B氏・・・実際には、拷問の末に殺してしまった。
私・・・そこなんです。何故に計画の意図を越えた拷問が行われたのか? そこで、実行犯は占領軍の情報機関とは別に、独自の計画と意図を持っていた可能性が出てくるのです。
独自の要求をしたと云う事は、実行犯は単なる下請け機関では無かった事になる。
もう少し進めると、この下山事件は、この組織が“独自に計画実行”した可能性がある。下山が拉致された時点で、占領軍の情報機関が察知し、拉致後に介入した節がある。
B氏・・・かなり大胆な仮説、新説ですねェ~。
私・・・そう。かなり大胆で、且つ、真実に迫っている筈です。兎に角、下山事件は、三鷹、松川と異なり、左翼勢力からの逮捕者が出ていません。
結果として、反共宣伝として使われたのです。三鷹、松川は占領軍が計画し、下山事件は、独自の目的を持った別組織の犯行だと・・・・・・。
B氏・・・逮捕者が出なかった点、拷問の末の殺害、独自の計画と意図、そこから、独自の組織の存在が浮かびあがると・・・・・・、
私・・・それだけでは無くて、事件後に情報機関の・・・・・・、そうでした、以前から、情報機関と云っているのは、いわゆる“キャノン機関”のことなんです。カメラの「キャノン」とは関係ありません。
B氏・・・その程度は知っています。わたしでも、耳にした事があります。
私・・・そうですか。それで、その“キャノン機関”ですが、以前から、私は変だと思っていたのです。
B氏・・・へん? 何が変なの?
私・・・一言で云えば、そんな優秀な組織ではなく、“ヘボ”だと云う事。
B氏・・・ヘボ?とは珍しい。あまり使わない表現ですねェ。
私・・・無能と云うと、何となくそれなりに聞こえてしまうので、より間抜け感を表現するには、“へボ”が適切なのです。“ヘボキュウリ”の“へボ”です。
B氏・・・確かに、かなりの“お間抜け機関”に思えてきます(笑)
私・・・この位、悪く云えば、これまでに固まった世間の評価を、かなり引き下げる効果があると、そう思ったので敢えて、“へボ”を・・・・・・(笑)
下山事件は、占領軍のキャノン機関の謀略だとの仮説に基づき、松本清張から矢田貴美雄、そして、最近の諸永、森、柴田の流れがあるけど、彼らは、キャノン機関を過大評価していると思う。
【朝日文庫 諸永祐司著 葬られた夏より】
キャノン機関が世に知られるようになったのは、1952年の「鹿地亘監禁事件」で、下山事件から3年後の事です。
これは、作家鹿地亘を1年以上監禁し、スパイになることを強要した事件でした。ある事から世間に監禁の事実が漏れ、「キャノン機関」と言う、情報機関の存在が表面に出てしまった。
これは情報機関としては大失態です。キャノンはその件で解任され、翌年帰国させられている。
B氏・・・それは、かなり“お間抜け”な失態ですね。
私・・・キャノン機関は共産主義勢力からの情報を収集し分析するのが専門で、拉致、監禁、拷問、暗殺等の、“破壊工作は専門外”だっと思う。
後で触れる事になりますが、キャノン自身もその事は、晩年にインタビューで“正直”に語っているのですが、信用されていないのです。
どうしても、聞く方は、陰謀、謀略等のイメージの中で、キャノン機関を暗闇の中心として位置づけたい“願望”が優先するのです。
キャノンもその事を充分承知して、それなりに、その願望に答える言い回しをしたり、謎めいた雰囲気を演出したりして楽しんでいます。
彼にとって、「鹿地亘監禁事件」は忘れてしまいたい過去です。
その事実をうち消すように語られる、戦後謀略事件の影に“キャノン機関有り説”は、彼にとっては、それなりに心地良い響きなのかも知れない。
「鹿地亘監禁事件」は、あくまで、情報収集の為に、鹿地亘をスパイに仕立てようとして起きた事件です。
それにしても、いくら何でも、一年以上も監禁していれば、外部に漏れます。時間の掛け過ぎです。この辺が“ヘボ機関”なわけです。
B氏・・・キャノン機関が“ヘボ”だとすると、謀略説の持つ、戦後政治の暗部を探る“謎解きの魅力”が無くなってしまうねェ。
私・・・そう云うことはあるかも知れない。でも! しかし、魅力が無いとか、面白いとか、つまらないとか、そう云うことは関係ないのです。
真実を追究するのがワタクシの使命なのです!
B氏・・・まぁ。そんな“かっこつける”事はないけどネェ!
私・・・まぁ。そこは、それで、兎に角です。キャノン機関謀略説は、ある意味で非常に政治的な側面が“あった”のです。
キャノン機関が、どうしても有能であっ欲しい意図が、ある時期まで追及する側に働いていたのです。
B氏・・・突然、何にそれ?
私・・・突然ですが、この件の話は次回に致します。
それでは、また明日。
私・・・先週の話をまとめます。
①当初は殺害まで計画していなかった結果としての殺害。
②占領軍の情報機関と実行組織の共同作戦の可能性
③実行犯は「それなりの思想」を持った組織
④実行犯が独自の要求を下山に迫った。
と云ったところでしょうか。
B氏・・・4項目の説明を詳しくしてもらえる。
私・・・占領軍は下山を脅し、首切り計画の速やかな実行を迫っただけで、殺害まで考えていなかったと思う。
その根拠は、拷問を行っている事実が示している。拷問は本来殺害を目的としていない。何かを自白させるか、考えを変えさせる為の手段です。
B氏・・・実際には、拷問の末に殺してしまった。
私・・・そこなんです。何故に計画の意図を越えた拷問が行われたのか? そこで、実行犯は占領軍の情報機関とは別に、独自の計画と意図を持っていた可能性が出てくるのです。
独自の要求をしたと云う事は、実行犯は単なる下請け機関では無かった事になる。
もう少し進めると、この下山事件は、この組織が“独自に計画実行”した可能性がある。下山が拉致された時点で、占領軍の情報機関が察知し、拉致後に介入した節がある。
B氏・・・かなり大胆な仮説、新説ですねェ~。
私・・・そう。かなり大胆で、且つ、真実に迫っている筈です。兎に角、下山事件は、三鷹、松川と異なり、左翼勢力からの逮捕者が出ていません。
結果として、反共宣伝として使われたのです。三鷹、松川は占領軍が計画し、下山事件は、独自の目的を持った別組織の犯行だと・・・・・・。
B氏・・・逮捕者が出なかった点、拷問の末の殺害、独自の計画と意図、そこから、独自の組織の存在が浮かびあがると・・・・・・、
私・・・それだけでは無くて、事件後に情報機関の・・・・・・、そうでした、以前から、情報機関と云っているのは、いわゆる“キャノン機関”のことなんです。カメラの「キャノン」とは関係ありません。
B氏・・・その程度は知っています。わたしでも、耳にした事があります。
私・・・そうですか。それで、その“キャノン機関”ですが、以前から、私は変だと思っていたのです。
B氏・・・へん? 何が変なの?
私・・・一言で云えば、そんな優秀な組織ではなく、“ヘボ”だと云う事。
B氏・・・ヘボ?とは珍しい。あまり使わない表現ですねェ。
私・・・無能と云うと、何となくそれなりに聞こえてしまうので、より間抜け感を表現するには、“へボ”が適切なのです。“ヘボキュウリ”の“へボ”です。
B氏・・・確かに、かなりの“お間抜け機関”に思えてきます(笑)
私・・・この位、悪く云えば、これまでに固まった世間の評価を、かなり引き下げる効果があると、そう思ったので敢えて、“へボ”を・・・・・・(笑)
下山事件は、占領軍のキャノン機関の謀略だとの仮説に基づき、松本清張から矢田貴美雄、そして、最近の諸永、森、柴田の流れがあるけど、彼らは、キャノン機関を過大評価していると思う。
【朝日文庫 諸永祐司著 葬られた夏より】
キャノン機関が世に知られるようになったのは、1952年の「鹿地亘監禁事件」で、下山事件から3年後の事です。
これは、作家鹿地亘を1年以上監禁し、スパイになることを強要した事件でした。ある事から世間に監禁の事実が漏れ、「キャノン機関」と言う、情報機関の存在が表面に出てしまった。
これは情報機関としては大失態です。キャノンはその件で解任され、翌年帰国させられている。
B氏・・・それは、かなり“お間抜け”な失態ですね。
私・・・キャノン機関は共産主義勢力からの情報を収集し分析するのが専門で、拉致、監禁、拷問、暗殺等の、“破壊工作は専門外”だっと思う。
後で触れる事になりますが、キャノン自身もその事は、晩年にインタビューで“正直”に語っているのですが、信用されていないのです。
どうしても、聞く方は、陰謀、謀略等のイメージの中で、キャノン機関を暗闇の中心として位置づけたい“願望”が優先するのです。
キャノンもその事を充分承知して、それなりに、その願望に答える言い回しをしたり、謎めいた雰囲気を演出したりして楽しんでいます。
彼にとって、「鹿地亘監禁事件」は忘れてしまいたい過去です。
その事実をうち消すように語られる、戦後謀略事件の影に“キャノン機関有り説”は、彼にとっては、それなりに心地良い響きなのかも知れない。
「鹿地亘監禁事件」は、あくまで、情報収集の為に、鹿地亘をスパイに仕立てようとして起きた事件です。
それにしても、いくら何でも、一年以上も監禁していれば、外部に漏れます。時間の掛け過ぎです。この辺が“ヘボ機関”なわけです。
B氏・・・キャノン機関が“ヘボ”だとすると、謀略説の持つ、戦後政治の暗部を探る“謎解きの魅力”が無くなってしまうねェ。
私・・・そう云うことはあるかも知れない。でも! しかし、魅力が無いとか、面白いとか、つまらないとか、そう云うことは関係ないのです。
真実を追究するのがワタクシの使命なのです!
B氏・・・まぁ。そんな“かっこつける”事はないけどネェ!
私・・・まぁ。そこは、それで、兎に角です。キャノン機関謀略説は、ある意味で非常に政治的な側面が“あった”のです。
キャノン機関が、どうしても有能であっ欲しい意図が、ある時期まで追及する側に働いていたのです。
B氏・・・突然、何にそれ?
私・・・突然ですが、この件の話は次回に致します。
それでは、また明日。