歩く・見る・食べる・そして少し考える・・・

近所を歩く、遠くの町を歩く、見たこと食べたこと、感じたことを思いつくままに・・・。おじさんのひとりごと

“下山事件” 結果としての殺害

2008年09月12日 | 下山事件
昨日の続きです。

私・・・先ず、これまで話してきた内容を整理します。

 ①下山事件は他殺である。
 ②他殺とした理由は「死後轢断」の古畑鑑定に依る。
 ③犯行には米軍情報機関が関与している。
 ④結果としての殺害。
 
と、云ったところでしょうか。

B氏・・・結果としての殺害と云う点に、今回は分け入ってみますか。

私・・・それでは、結果としての殺害と考えた理由は、拉致から殺害までの時間が長すぎる事。日本橋三越拉致されたのが5日の午前9時半、常磐線北千住の先で轢断死体が発見されたのが、翌日の午前0時半。

実際の死亡時間は列車に轢かれる5、6時間前とされているので、拉致から殺害まで約10時間。

当初から殺害を目的としていたならば、拉致から殺害までに10時間以上も費やす必要性はまったく無い。

B氏・・・拉致から殺害までの10時間、犯人と総裁は、何処で何をしていたと考えているの?

私・・・そこで、検死と現場検証の結果なんだ。死体にも血液が残っておらず、現場にも流れ出た痕跡がなかった。明らかに、血液が抜かれている。詳しいやり方は解らないけど、脇の下辺りから血を抜く拷問があるらしいんだ。



B氏・・・血液を少しずつ抜いて拷問になるの? 貧血なんかを考えると、苦痛と云うよりか、意識が少しずつ薄らいでくるだけで、拷問にはなら無いと思うけど。

私・・・話がかなり“ホラー”ぽっくなるけど、顔の前にチューブか何かをぶら下げられて、自分の血が“ポタリ・ポタリ”と滴り落ちるを見せられたら、かなりの恐怖だと思うけどね。

B氏・・・かなり、恐いです。痛く無さそうで、痛そうで、気持ち悪そうで・・・・・・。それで、ホントにそんな拷問の方法があったの?

私・・・そう。実際に戦争中にそんな拷問がやられていたそうです。そして、やっていた人間が、情報機関の周辺に居たのです。

B氏・・・気持ち悪い話はそこまでにして、拷問の理由を詳しく説明してくれる。

私・・・そうだね。占領軍の計画通りに人員整理が進んでいなかった事。“首切り専任総裁”として下山を就任させたのに、彼は予想外の抵抗をした。

国鉄は10万人の人員整理が計画され、事件前の4日に第一次として3万が解雇通告をされた。占領軍は6月中に計画数の10万人を解雇するように要求していた。

占領軍の鉄道部門故の担当官が「シャグノン中佐」と云う男で、第一次3万の解雇通知をしたその日の深夜、下山の自宅に行き解雇計画をもっと早く進めるように、拳銃をちらつかせて怒鳴り付けたそうだ。

下山総裁が殺害され、共産党と国鉄の労働組合が怪しいとなり、組合も国民の支持を失い、10万人の首切りに対して、その後は組織的な抵抗も行えず、占領軍の計画通りに実施された。

B氏・・・絶対!怪しい!そのシャグノンって云う中佐。

私・・・国鉄を取り巻く状況、事件前後の状況の変化から、この他殺説、情報機関の関与説は、非常にすんなりとして、自然で、スッキリ、ハッキリした推理だと思うのです。

B氏・・・そうすると、下山総裁を拷問して、占領軍の首切り計画に一切口出しせず、黙って云われた通り、実行する事を迫ったが、ところが、予想に反して、下山総裁は最後まで拒み続け、そして、殺された?



私・・・そこでなんだぁ。下山は単なる脅しで、占領軍の作成した首切り計画に、総裁として「多少の修正」をおこなっても、いくらなんでも殺される事は無いだろうと思い、抵抗した? 

ここからが、肝心なところです。イイですか、命令を下した情報機関の拉致監禁の目的と、実行したグループとの間に、“犯行目的に相違があった”可能性がある。

実行グループは、単に命令される範囲だけで動いたのではなく、それなりに「独自の考え方」を持った「組織」が実行犯に加わった可能性がある。

もしかしたら、拉致監禁計画は彼らが計画し、情報機関が後から加わった可能性も考えられる。

彼ら独自の要求を下山に突き付け、その要求を拒んだ為に殺害された可能性がある。

B氏・・・エッ! それって珍説! じゃ無かった“新説”

私・・・そうです! チンいゃ “シン説”です!
ここに事件の核心と、実行グループにつながる手掛かりが隠されているのです。

松本清張、矢田喜美雄、斉藤茂男、諸永裕司、森達也、柴田哲孝、の“他殺謀略説”とは“ひと味”異なるところなのです。

かなり、本日は事件の闇に分け入りました。次回もかなり奥まで分け入りたいと思います。

それでは、また次回。


コメント (1)
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