昨日の続きです。
最上階の三層に向かいます。
左脇を通って、
右に曲がります。
仏様の前には、仏様別に“お賽銭箱”が設置されています。投入口は別々にあるのですが、中は繋がっているか?繋がっていないのか? 仏様別にお賽銭の額を集計したりして? そんなこと意味ないか?
右に曲がって、上りのはしご段です。
こちら三層目は“西国三十三ヶ寺”となっています・・・、と思っていたら、正面の厨子の右脇には“四国八十八番”とあり、
左脇には“播州大窪寺”とあります。
入り口の説明板には、一層が“板東三十三”で、二層が“秩父三十四”で、三層は“西国三十三”となっていました。確かに、周囲に並ぶ観音様は西国のご本尊です。
正面、厨子の中の仏様は、一層が十一面観音で、二層がお釈迦様でした。三層は四国八十八霊場の最後の寺、香川県は“大窪寺移”とあり、そうすると、厨子の仏様は大窪寺のご本尊“薬師如来”かと思いきや、どうも、そのお姿から、そうでは無さそうです。
何故? 三層の西国三十三に、四国八十八番の大窪寺があるの? 厨子の中の仏様は誰?と思ったのです。
調べてみたら、“新四国相馬八十八霊場”と云うのがあり、宝暦の頃より始まったようで、千葉県柏市に4ヶ所、我孫子市に26ヶ所、そして取手市に58ヶ所あり、その88番札所が長禅寺になっていたのです。
本場四国の八十八番が“真言宗大窪寺”で、新四国の八十八番が“真言宗長禅寺”で、真言宗と八十八の繋がりでした。
と、云うことは、厨子の中の仏様は、その衣装、その頭髪、手に数珠から、これは、もう、真言宗の開祖である弘法大師、空海上人に間違いありません。
それにしても、いろいろな霊場巡りがあるもので、庶民のすごいエネルギーを感じます。
そも、そも、巡礼は、現世で意識的にも無意識にでも、いろいろと犯した罪を明らかにし、仏様に赦しを希い、来世は必ず極楽浄土へ・・・、何て、まあ、とても、都合のよい話しのような気もします。
まあ、実際には、物見遊山の要素が多分にあったと云うか、宗教行為を装いつつ、実は物見遊山が主であったりして、と、思うのです。昔は物見遊山を目的として諸国をブラブラする何て事は不可能でしたからね。
諸国を見て歩きたい、極楽浄土へも行きたい、そんな庶民の需要に、供給側のお寺さんが応えて、いろいろな巡礼が盛んに行われたのでしょう。
諸国のいろいろな寺を巡り、いろいろな仏様に手を合わせ拝むことは、それなりに心が洗われ、それなりに極楽浄土に行けるような、そんな気がしてくるものです。
わたしも、いつの日にか、四国巡礼の旅などに行って見たいと思う今日この頃です。
もう少し、さざえ堂の話しは続きます。
それでは、また明日。