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日本での外国人労働力活用法の第一歩

日本の国会では未だどの関係国も批准していないTPPの批准に向けて、首相が“考えたこともない強行採決”がこの度も行われ、世界の主要国がこぞって批准したパリ条約の審議を放置した。お蔭で、今月モロッコで開催されるパリ条約締約国会議の採決には参加できないという。これでどれほどの国益を損ねることになるのか計り知れない。
南スーダンも自衛隊が留まる政治的条件は満たさなくなっているので、撤退するべきだと思われるが、逆に任務を増やして留まらせる見込みのようだ。何故このような無理を強行しようとしているのか。日本政府は日本人の命と安全を守る意思の欠落した非情な政府なのだ。
さらに考えて見れば、広島に米大統領を招いて反核の姿勢を示したかと思えば、国連では核兵器禁止条約には反対した。自らの国家的アイデンティティを明確に世界に示せず、世界の動向を正確に把握できていない。そんな国が常任理事国に立候補しても世界が尊敬するだろうか。しかも、フクシマ原発のアンダー・コントロールやこの度の“強行採決など考えたこともない”等と平気でウソを言う。ウソつきは政治家には根本的に向いていないはずだが、そのような御仁が何故か日本の首相なのだ。
国際的には、東西両国で国を挙げての大騒動が勃発している。東の騒動は私はそれほど心配していない。それは、かの国ではエスタブリッシュメントに不都合な大統領は、物理的に抹殺されるのが歴史と伝統だからだ。強固で気高い民主主義国家と誤解されているが実は、かの国には計り知れない深い闇がある。その闇が動き出すのだ。
むしろ、西の国の騒動の方が深刻だ。というのは、この国の騒動は誰が仕掛けたのか分からないからだ。もし、北が仕掛けたのならば、非常に深刻だからだ。北とさらにその背後の国の連携で引き起こしたことも考えられなくもない。しかし、そういう緊張感があって然るべきはずだが、この隣国は一体どうなっているのだろうか。誤解があるかも知れないが、新興宗教オンパレードのこの国の国民性自体に心の闇を感じる。切ない歴史が、そうさせ続けているのだろうか。
それにしても、マヌケな我が首相はこのような国に、従軍慰安婦に絡んで10億円を何の見返りもなくドブに棄ててしまった。しかも世界には“やっぱり従軍慰安婦は日本政府が絡んでいた”のだと認識させてしまった。これほど、国益を損ねる実績を重ねる首相にどんな御立派な国家観があるというのか。しかも国民支持率が高いのはどういうことなのだろうか。この国の民主主義もかなり怪しい。

さて、このところ突っ込みどころ満載の世情だが、私としてはひとまず上記のような感想でもって総括しておきたい。
今回は、先週受講した“日本における外国人労働力活用のための第一歩”についての考察と調査の結果についての講演を報告したい。先週に引き続き、困った時の講演受講報告のようだが、御許し頂きたい。
さて、この講演は“(公財)ひょうご震災記念21世紀研究機構”主催の“21世紀文明研究セミナー2016”のシリーズの“共生社会”の部の講演である。その正確な主題は“高齢化社会における外国人労働力の活用”である。講演概要には、“兵庫県では高齢化が急速に進んでいます。また、県内総生産の成長率は依然として低いままです。このような状況から脱却するためには、生産性を上昇させて安定的な経済成長を達成する必要があります。この講義では、そのための方策として外国人労働力の活用について考えます。”とあったので、思わず“日本の高齢化社会に外国労働力をどのように活用するのか、その時の日本社会との摩擦をどのように緩和するのか”について と誤解して聴講した。講師は、阪大の社会経済研究所所長の小川 一夫教授。

講演の内容は、京都大学、大阪大学、神戸大学、関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学の海外留学生の就職に関するアンケート調査分析(回答415件)と、受け入れ側の企業のアンケート調査分析(回答100件)の報告だった。回答回収率は学生側は7.7%、企業側は8.9%だったという。関西経済連合会の“高度外国人財の活用に関する企業アンケート”の調査結果報告だ。(“人材”ではなく“人財”となっている理由は不明。)ここでいう高度外国人財とは、“技術(機械工学等の技術者、システムエンジニア等のエンジニア)”、“人文知識・国際業務(企画、営業、経理などの事務職、企業内通訳、デザイナー等)”ということだ。つまりは、外国人知識労働者の活用となる。

何故、関西の大学を選んだのかに対し、“関西の持つ雰囲気”、“関西の良い生活環境”を挙げ、理系では“関西の大学でしかできない研究テーマ”が3位に入ったという。その結果、関西で働きたいが7割を超えるという。
何故、関西で働きたいかに対し、“関西で暮らしたい”が断トツ1位。次いで“海外展開の企業が多い”、“先端技術や生産方式で学ぶべき点が多い”が続くという。特に、京都府や兵庫県の大学の学生にその傾向が強い。そして、自分の意思を伝えられる能力を活用したいと考える文系学生や、インドからの留学生に関西企業希望が強い、という。
どのような能力を活かしたいかに対し、1位は“語学力”、次いで“常に能力を磨いて向上しようと言う意思”や“高度な技術知識・ノウハウ”となったという。
働く上での目標に対し、“高度な技能・技術を活かす専門人材”が1位で、“経済的に裕福になる”が多い。

企業と留学生の間の意識のミスマッチに関しては、関西企業は長期就職を望んでいる(10年以上20%、定年まで39%)が、留学生側はキャリアパスの中での1ステージと考えているという。(6年未満働くが49%)これに関しては、後で講師が解説していたが、“実は米国に行きたかったが、競争が激しかったので一旦日本にして、その後米国を目指す意図が強い”、或いは“東京に行けなかったので、関西に来て就職したい”となる傾向が強いとのこと。
留学生側は単に“語学力を発揮したい”と考えるが、企業側はもっと積極的にグローバル人材候補と考えている。それが長期就職を期待する結果と重なるのだろう。
就職に関する情報ギャップはやはり存在し、特に企業の“グローバル人材”を大いに期待しているという採用ニーズが十分に伝わっていないという。また、そうした企業の存在自体の情報が少ないという。また、“日本独特の筆記試験(SPIや適性検査)は外国人には難しい”という。私の印象では、SPIや適性検査はふるい落とすための試験ではないかと思い、日本企業の悪しき慣習のように思う。これを改めなければやがて国際的悪評につながるのではないかと危惧する。日本企業側には、外国人の扱いを別枠にすると逆に差別していると誤解されると警戒している面がなくもないとのこと。
それから就活のやり方そのものの情報も少ないという問題もあるとのこと。

ここで、問題は兵庫県の留学生が希望する4分の1しか関西企業に就職できていない現実だとのこと。これには、上記の情報ギャップの解消はもとより、留学生達のためのキャリア・パスを描ける情報提供が必要であり、この点では大阪の専修学校の団体が東南アジアで就職先を含めて情報PRをしているのは好評なので、大いに参考にするべきだという。こうした状況を解消するための双方向コミュニケーションのシステムを考えるべきだという。また、留学生のための生活環境のさらなる整備も怠らないことが肝要だろう、とのこと。

大学の先生が大学の評価を上げるために、つまり大学の競争力向上のために留学生を増やしていくためのマーケティング調査することは大いに意義あることだと思える。しかし、ここで高齢化社会に必要な人材、それはむしろ若い日本人が嫌がる3K職場で不足する人材であり、これを補強するための外国人労働者ではないか。講演のように高度な知識労働に外国人労働力を期待するのは、逆に若い日本人の職場を奪うことになるのではないかとの疑問が湧く。それを講演後、質問した。
すると、3K職場で不足する下層労働力を補うことは、現在ヨーロッパで起こっているような摩擦の原因となってしまう。それよりも、高度に日本を理解する外国人を雇って、日本の真の理解者を増やしていくことが先ず必要と考える。また留学生を増やすことで、日本人学生に刺激を与える効果を期待したい、ということだった。非常に前向きな回答であったので、理性的には納得せざるを得なかった。
しかし、ただでさえ少ない就職口を外国人で占められれば、韓国や中国のような社会不安の原因になるかも知れない。とにかく、グローバルなメガ・コンペティションは大学はもとより、学生の間にも容赦なく襲いかかっているのが現実なのだ。

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コメント
 
 
 
Unknown (読者です)
2016-11-08 16:37:34
該当ブログ_19

タイトル:「ISO 休戦 」
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「ジブリアニメ 風立ちぬを見て」
2014/01/16

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Unknown (読者です)
2016-11-09 09:07:09
作成者 さま   はじめまして


いつもブログ読んでいます。


誠に恐れいりますが


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「ジブリアニメ 風立ちぬを見て」
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