The Rest Room of ISO Management
ISO休戦
お役人の緑化運動
最近、農水省にはいろいろ不祥事が続発している。一方、農政・食料政策の基本が壊滅している。基礎的資源の食料調達の国家戦略が崩壊しているのだ。
頭からシッポまで完璧に腐っているような印象だ。農水大臣になる政治家も極めつけの特別な方々のようだ。
そんな 農水省の外郭団体、役人達の天下り先についての 最近知った話をしてみたい。
先日 勤務先に環境マネジメントシステム担当者の私を訪ねて飲料メーカーの営業マンが2人でやって来た。何の用かといぶかしく思いながら会って見た。すると、その飲料会社の自動販売機を置いて欲しい、というものだった。普通ならば 総務・厚生・労務担当の仕事ではないか、見当違いなので、ますます 不審に思った。
一体どういう意図なのか。それは、その飲料会社と自動販売機設置オーナーとで契約内容に売り上げの2%を折半で“緑の募金”をする、というものだった。それで ようやく 少し了解。この“緑の募金”は社団法人国土緑化に寄付される仕組としているもののようだ。具体的には、この社団法人の下にある各都道府県の団体(都道府県緑化協会)に寄付されるとのこと。
この会社は この運動を展開することで 農水大臣から表彰された、と 嬉しそうに 社長が受賞している写真を見せてくれた。
売り込みのPR口上なのだろうが、呆れたのは こういう仕組の自動販売機を置いているだけで、ISO14001審査の審査会社が “ストロング・ポイント”だと称賛した、というのだ。“御社も環境システムの審査認証で苦労なさっているのなら、どうでしょうか?”と、言うのだ。そういう審査をした審査員の所属する審査会社の名前を聞くと、日本でトップの機関だったから、ISO14001認証のレベルも 地に堕ちたものだと感じたのだった。
PRはさらに続いた。そして、“あなたの会社の社員が この缶飲料を飲むだけで、環境改善活動に 自ずと参加していることになり、これが やがて参加意識へ変化して行くものになるでしょう。”という子供じみた発想に またまた唖然となった。
そして、“寄付が集まれば、「あなたの寄付が 杉の木 何本になったか」という看板の表示もする用意もあります。”と 悪びれもせず まくし立てる相手に とうとう私も切れた。
“エッ!?未だに、こんなバカなことをやっているのですか。何ですか?バカバカしぃ!” と怒りを込めて私は言った。相手も 驚いて“緑化運動の何が悪いのですか!” といきり立った。それに構わず私は さらに言った。“杉の木の植林が 良いことだと思っているの?花粉症で苦しんでいる人々が大勢いるのに 良いことだと言うのですか?おまけに 西日本で針葉樹を植樹することは 自然破壊そのものではないですか。西日本の植生は落葉広葉樹なのに、無理矢理 針葉樹を植えて何の得があるというのですか。役所は、未だに こんなバカバカしぃことを一生懸命やっているの。”
私の剣幕に 良いことをしていると思い込んでやって来た知識不足の相手は 黙り込んでしまった。
マイ・ペースになったところで、私は 続けた。“大体 この緑化推進協会っていうのは資金の流れは透明なの?ネット上ででも会計内容を公開しているの?寄付金の使い道は 正しく使われているの?缶飲料を飲むことで その一部を世の中の役に立てようというスキームは 立派ですが その結果が いかがわしければ 善意が全く意味をなさなくなってしまう。お役人が信用できない時代に お役人に頼るような 仕組は意味をなさないのではないでしょうか。それよりも、自分たちで 里山を緑化するボランティアをやった方が はるかに参加意識が 芽生えると思いますが?何でも 金で済ませるのは もう止めた方が良いのでは?”
大体、大量の寄付をしてくれれば、つまり大金が入れば 大臣でも この会社の社長を表彰するのは当たり前だろう。表向きは“善行表彰”ではあろうが、何だか役所の卑しい底意を感じる。
その後、この各都道府県の緑化協会というものを ネット上で調べてみたが 案の定、その存在すら疑わしいものもある。(ホームページは存在しないが寄付したという奇特な団体があった。)これらは あの怪しい公共の法人・緑資源機構と どんな関係があるのだろうか。同類なのだろうか。
要は、金さえ集まれば 後はそれが何に使われようと お役人にとっては一向に 関係のないことなのだろう。そういう構図が見えてくる。つまり、その金が“杉の木の植林”に使われたという名目だろうが 何だろうが どうでも良いことなのだろう。血税や浄財の寄付を 自分達の無為の活動にどんどん費消して 何とも感じない、というより得意にすらなっている風に感じるのだ。
今の お役人の本質が そこにあることに 改めて気付いて 私は唖然とする始末であった。真っ当な国家戦略を考える公僕とは程遠い存在ではないのか。あのISO認証会社も そういう、お役人達に近しい意識構造のような気がする。残念なことである。

頭からシッポまで完璧に腐っているような印象だ。農水大臣になる政治家も極めつけの特別な方々のようだ。
そんな 農水省の外郭団体、役人達の天下り先についての 最近知った話をしてみたい。
先日 勤務先に環境マネジメントシステム担当者の私を訪ねて飲料メーカーの営業マンが2人でやって来た。何の用かといぶかしく思いながら会って見た。すると、その飲料会社の自動販売機を置いて欲しい、というものだった。普通ならば 総務・厚生・労務担当の仕事ではないか、見当違いなので、ますます 不審に思った。
一体どういう意図なのか。それは、その飲料会社と自動販売機設置オーナーとで契約内容に売り上げの2%を折半で“緑の募金”をする、というものだった。それで ようやく 少し了解。この“緑の募金”は社団法人国土緑化に寄付される仕組としているもののようだ。具体的には、この社団法人の下にある各都道府県の団体(都道府県緑化協会)に寄付されるとのこと。
この会社は この運動を展開することで 農水大臣から表彰された、と 嬉しそうに 社長が受賞している写真を見せてくれた。
売り込みのPR口上なのだろうが、呆れたのは こういう仕組の自動販売機を置いているだけで、ISO14001審査の審査会社が “ストロング・ポイント”だと称賛した、というのだ。“御社も環境システムの審査認証で苦労なさっているのなら、どうでしょうか?”と、言うのだ。そういう審査をした審査員の所属する審査会社の名前を聞くと、日本でトップの機関だったから、ISO14001認証のレベルも 地に堕ちたものだと感じたのだった。
PRはさらに続いた。そして、“あなたの会社の社員が この缶飲料を飲むだけで、環境改善活動に 自ずと参加していることになり、これが やがて参加意識へ変化して行くものになるでしょう。”という子供じみた発想に またまた唖然となった。
そして、“寄付が集まれば、「あなたの寄付が 杉の木 何本になったか」という看板の表示もする用意もあります。”と 悪びれもせず まくし立てる相手に とうとう私も切れた。
“エッ!?未だに、こんなバカなことをやっているのですか。何ですか?バカバカしぃ!” と怒りを込めて私は言った。相手も 驚いて“緑化運動の何が悪いのですか!” といきり立った。それに構わず私は さらに言った。“杉の木の植林が 良いことだと思っているの?花粉症で苦しんでいる人々が大勢いるのに 良いことだと言うのですか?おまけに 西日本で針葉樹を植樹することは 自然破壊そのものではないですか。西日本の植生は落葉広葉樹なのに、無理矢理 針葉樹を植えて何の得があるというのですか。役所は、未だに こんなバカバカしぃことを一生懸命やっているの。”
私の剣幕に 良いことをしていると思い込んでやって来た知識不足の相手は 黙り込んでしまった。
マイ・ペースになったところで、私は 続けた。“大体 この緑化推進協会っていうのは資金の流れは透明なの?ネット上ででも会計内容を公開しているの?寄付金の使い道は 正しく使われているの?缶飲料を飲むことで その一部を世の中の役に立てようというスキームは 立派ですが その結果が いかがわしければ 善意が全く意味をなさなくなってしまう。お役人が信用できない時代に お役人に頼るような 仕組は意味をなさないのではないでしょうか。それよりも、自分たちで 里山を緑化するボランティアをやった方が はるかに参加意識が 芽生えると思いますが?何でも 金で済ませるのは もう止めた方が良いのでは?”
大体、大量の寄付をしてくれれば、つまり大金が入れば 大臣でも この会社の社長を表彰するのは当たり前だろう。表向きは“善行表彰”ではあろうが、何だか役所の卑しい底意を感じる。
その後、この各都道府県の緑化協会というものを ネット上で調べてみたが 案の定、その存在すら疑わしいものもある。(ホームページは存在しないが寄付したという奇特な団体があった。)これらは あの怪しい公共の法人・緑資源機構と どんな関係があるのだろうか。同類なのだろうか。
要は、金さえ集まれば 後はそれが何に使われようと お役人にとっては一向に 関係のないことなのだろう。そういう構図が見えてくる。つまり、その金が“杉の木の植林”に使われたという名目だろうが 何だろうが どうでも良いことなのだろう。血税や浄財の寄付を 自分達の無為の活動にどんどん費消して 何とも感じない、というより得意にすらなっている風に感じるのだ。
今の お役人の本質が そこにあることに 改めて気付いて 私は唖然とする始末であった。真っ当な国家戦略を考える公僕とは程遠い存在ではないのか。あのISO認証会社も そういう、お役人達に近しい意識構造のような気がする。残念なことである。

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