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プロセス・アプローチ(2)

プロセス・アプローチの続きです。

気になるのは 表現するべきプロセスの大きさです。それは 表現する人に任されています。但し、どのうよな大きさにするのか ぼんやりでも良いのですが決めてかかる必要はあります。
JIS Q 9001:2000に付属している“解説”には“4. JIS Q 9001の内容 f)一般要求事項(本体の4.1)”よりますと、プロセスの大きさは「“管理できること”が要件となる」と言っています。続けて「例えば“設計・開発プロセス”という程度の大きさが最大で、常識的にはこれより一段小さくして“概要設計・開発プロセス”,“設計・開発レビュー”,“設計・開発変更プロセス”という程度の大きさが適当であろう。」と 言っています。何となく適当な印象ですが まぁそれで良いのでしょう。
“管理できること”というのは 一人の人間が 具体的な仕事の責任を担当できる範囲と考えてよいということです。実際的には 会社のそれぞれの部、課や係、グループ、職場単位などをイメージして表現するのがよいだろうと思うのです。それから 全社のネットワークを示す場合は 部単位で表現し、部内のは課単位で表現し、など 考える場面に応じて、柔軟に対応してよいと思います。

プロセス・アプローチは どういうことに役立つのか。ISO9000の0.2 品質マネジメントの原則に“d)プロセスアプローチ;活動及び関連する資源が一つのプロセスとして運営管理されるとき、望まれる結果がより効率よく達成される。”としています。
規格にも書かれているのですが、プロセス・アプローチの利点は 言葉を換えると下記のようになると思われます。つまりISO9001の要求事項を理解し、現実のプロセスに当てはめた時、下記の状態を認識できるようになり、現実のビジネス・システムの弱点を理解できるようになるのです。(須藤剛一先生のご指摘)
①プロセスからなるビジネス・システムのネットワークとしての管理が可能である。
②品質マネジメント・システム全体を体系的に管理できる。
③品質マネジメント・システムの構築に役立つ。
④各部門の横断的管理に役立つ。
⑤アウトプットの客観的な測定結果に基づくプロセスの継続的改善に役立つ。

仕事の流れをフロー図で表現し、作られたプロセスネットワークの図は品質マネジメント・システムを可視化することができ、上記の利点をフルに生かせるという効果でしょうか。
そういう観点では 従来日本のTQMで使用されていた品質保証体系図は 書き方の様式もあり、有効でしょう。
(プロセス・アプローチについての説明は 須藤剛一編著“ISO9001:2000 規格要求事項の解釈と応用”が 最も詳しいように思います。http://www.gtc.co.jp/publ/kikaku_9001.html
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