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“理念なき会社は滅びる!”を読んで

会社の“理念”について熱く語っている本を読みました。この内容を紹介するには 読了後1ヶ月以上と、いささか時間が開きすぎていますが せっかくですので 思い立った この機会に投稿しておきます。

まずは 松下電器産業の中村邦夫氏による改革を 以前にご紹介したその有名な理念にどのように沿って実施されたかを 解説しています。時代にそぐわなくなった事業部制を破壊し 新たな仕組を創造するための“創生21”計画を打ち出したとのこと。そして、“あらゆる面で大きな転換点にある今日、「社会の発展のお役に立つ」企業であり続けるために、私どもは常に経営理念に立脚し、「創造と挑戦」の気概で新しい未来を切り拓いてまいります。”という“創生21”の一文を紹介し、「社会の発展のお役に立つ」という 幸之助翁の理念を 温故知新のキィワードとして説明しています。
つまり、“創業者が抱き続けた松下の目的と使命、価値観や信条、そして松下の在り方を問い続ける理想、理念に立ち返って、今の現実の判断を下すという理念を実践する知恵です。”

以前“ザ・ビジョン”で御紹介したのは 米国式で、今回は 日本式での “理念経営”の解説になるかと思います。
“ビジョン”では“企業の存在目的・理由・意義”と“企業の価値観”それに“ビジョン”が 3大要素として解説されていましたが、この本では“企業の行動規範”が 要素として加えられています。そして“ビジョン”が 理念と戦略に分解されてしまっています。



私は “企業の行動規範”は “企業の価値観”の一部であると 考えれば 良いのではないか、と思っています。また、行動規範は 場合によっては 詳細を極めることもあるので、別途 社内規定として制定すれば良いものと考えます。“理念”は できるだけ簡潔に 皆が 理解し易いことも 要件であろうと考えるからです。
それから“ビジョン”ですが、これは 企業の将来にあるべき姿が 端的に 具体的映像としてイメージ可能であることが 大切であり、“理念と戦略に分解” されて 良いものとは 思いません。関係者が 容易に その会社の将来をイメージできることが 重要であると考えるからです。とは申しましても 日本の経営学では このような考え方が 一般的なのでしょうか。良く練った言葉の統一が必要かも知れません。

また この本では 戦略策定の7つのステップが 紹介されています。この本の一つの山場では あるとは存じますが、戦略策定には バランスト・スコア・カードBSCに勝るものはないように思うのです。
と、申しますのは、BSCでは 作成途中で 担当者レベルのテーマが決定されるプロセスも含まれており、その点で 無駄の少ない 戦略策定手順だと 思うからです。

これら 以外の部分では “経営理念”にまつわる マネジメントについて 実例を挙げながら 詳しく語られており、一読の価値はある本だと 思っています。

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