徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

インフルエンザ関連~小児へのタミフルの効果は?

2014年09月12日 09時20分57秒 | 小児科診療
 9月に入り、インフルエンザワクチンの予約が始まる季節になりました。
 そこで、目に付いたインフルエンザ関連の記事をピックアップしていきたいと思います。

 第一弾は抗インフルエンザ薬「タミフル」の効果に関する論文を紹介;

抗インフル薬タミフル「効果は限定的」 英医学誌など
2014年4月11日:朝日新聞
 英医学誌BMJと世界の臨床試験を検証する国際チーム「コクラン」は10日、抗インフルエンザ薬タミフルを服用しても効果は限定的として、服用基準の見直しを世界各国の政府機関に求める声明を出した。
 英オックスフォード大のグループが、タミフルを製造するロシュ社(スイス)から臨床試験の未公開データを入手して分析した。
 グループによると、タミフルをのんだグループは、のんでいないグループに比べ、感染して発熱などの症状がおさまるまでの期間が成人では0・7日短くなった。しかし、未成年者の場合は有意な差がみられなかった。また、成人、未成年者にかかわらず、感染者が肺炎など重症な合併症を引き起こすのを減らす効果も確認できなかったという。
 タミフルは、インフルエンザの症状の軽減や予防に効果があるとされる。新型インフルエンザ対策として、国と都道府県は2013年時点で約5420万人分を備蓄している。


 従来は小児でも「1日早く解熱する」とされてきましたが、その効果も怪しいという報告です。
 でも、臨床の現場では服用するとやはり早く熱が下がる印象があります。
 まあ、重症感のない患者さんは使う必要がないと考えてよい根拠にはなりますね。

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