かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

愛媛県のキウイ大量損失、もはや農協には頼れる専門技術者が現場からいなくなってきているんでしょうね。

2022-04-30 20:07:37 | Weblog
 奈良市の今朝の最低気温は9.8℃、昼間の最高気温は22.3℃、五條市の今朝の最低気温は9.7℃、昼間の最高気温は21.1℃でした。今日は朝からよく晴れた、GWらしい天気でした。朝の冷え込みはこの時期にしてはややきつめで、おかげで朝からストーブに火を入れ、残りの灯油を焼き尽すことができましたが、東北地方ではなんと雪が降って積もりもしたとか。日本は東西南北に長い島国ですが、そこまで天気が変わるものかと驚きました。しかし、これで明日はまたもや雨になり、しかも日中は肌寒くなるらしいとのこと。天気図とか観ていても素人目には雨が降りそうにはみえないのですが、昨日のような本格的な雨ではなく、ぼそぼそと細かい雨が降ったり止んだりするような空模様になったりするのでしょうか?

 さて、愛媛県北東部、瀬戸内海に面した西条市で、地元農協のJA周桑が市内75農家から預かっていたキウイフルーツの貯蔵庫の電源が切れて果実の成熟を止められなくなり、都合7400万円余りの損失を出しました。JAによると、貯蔵庫の電源切れに気づいたのが去年の12月中旬頃のこと。恐らく半月ほど切れていたと思われ、2℃で管理しているはずの庫内温度は22℃まで上がっていました。そのため、果実の追熟が一斉に始まり、日持ちしなくなったキウイを必死になんとか売りさばこうと努力したものの、売上としては想定の2割以下の1600万円位しか回収できなかったとのことです。JAは、各農家に通常売上相当分の計9千万円を払い、差額の7400万円を特別損失として計上することに決めました。今の所貯蔵庫の電源が何故切れたのか不明とのことですが、JAとしては管理マニュアルを作って再発防止を徹底したいとコメントしているそうです。
 キウイは秋の収穫時にはゴリゴリで強烈な酸味のでんぷん質な果肉ですが、収穫後追熟させることでデンプンが糖に変化して甘くなると共に酸も程よく減って、美味しい甘酸っぱい味になります。追熟前なら低温で貯蔵すれば条件次第で1年でも保つ一方、一旦追熟が始まるとその変化を止める方法は無く一気に熟して柔らかくなり、1週間とか10日とかの賞味期限になってしまうバナナとかと同じような性質を持っています。追熟は通常エチレンガスで処理するのですが、エチレンは果実が傷ついたりある程度の高温にさらされると果実内で合成されてガスとして放出されますから、倉庫の中で一個でも追熟しだすと一気に庫内全部が熟してしまいます。電源ダウンの原因はそれこそ色々あるでしょうけれど、通常はそういう倉庫には外から庫内温度が確認できるよう、目立つように温度の表示モニターなり記録計なりが付いているものですし、異常温度が検出された時はブザーが鳴ったりするなどの警報装置もあるはずなのですが、JA職員がその確認を怠っていたか、主な確認担当者がたまたま休みの日が続いていたとか、何がしかの油断があったのでしょう。
 全国どこの農協も主要業務が農家支援から保険・金融に変わり、こういった農家への直接的なサポート業務現場からはヒトがどんどん減っています。いくら作業をマニュアル化してみても素人では杓子定規な対応しかできない以上、いつかきっとまた同じ轍を踏むことになるでしょう。一度事故を起こせば信用を失い多大な負担が生じることを思えばそれなりに日頃から投資をすべきなのでしょうが、ヒトは事故を起こして色々失ってからでないと必要なコストを必要と認識できない生き物なのでしょうね。

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