3冊目は、1999年の夏コミで出した、『麗しき夢 夢都妖木譚 平安編』です。今回、全体を改めて見直して、少しだけ手直ししてみました。
この本の構想は、確か1998年の夏コミのさなか、ドリームハンター麗夢の老舗サークルである『Avenue REM』様のお手伝いで店番をさせてもらいながら、ちゃっかり私の既刊小説をスペースの端っこのほうに並べさせていただいていた頃のこと。来年何を書こうか、と考えていたのですが、つらつら考えてみるにやはり『首なし武者』のお話が一番好きな私としては、やはりこの作品をモチーフに書くのが良いだろう、と思いまして、更に、歴史好きな私としては、やはり夢御前霊夢と智盛の物語をベースに書くのがよかろう、と、店番そっちのけで妄想にふけり、というのは冗談ですが、まあそうやって色々考えてながら『Avenue REM』主宰うつりぎ ゆき様とも雑談を重ねているうちに、ふと、京都市に「綾小路通り」という道が実際に存在する、という話になりまして、それじゃあ麗夢ちゃんと同じ苗字のこの通りを夢守の話と絡められないだろうか、と考えがまとまりだし、そのコミケの帰り、当時は今と同様お金が無かったかわりに体力はまだそこそこありましたので、東京発大垣行きの夜行臨時快速で西へと帰ったのですが、早速その足で荷物を駅のコインロッカーに放り込んで、途中購入した京都地図を片手に、実際に綾小路通りを端から端まで歩いてみたのでした。今にして思えばなんとも無謀というか、われながら信じられない行動力ですが、それなりに得たものも多く、たとえば、京都の碁盤目の道は豊臣秀吉など時の権力者によって随分付け替えられて、平安時代とほぼ同じ道はほとんど残っていないのですが、この綾小路通りは、古い地図を重ねて見ますとほぼ同じ場所を通っていることが判ったりとかもいたしました。それで、まず最初に構想したのは次に上げる予定の『夢都妖木譚 平成京都編』でして、その序章部分に今回の『平安編』のクライマックスを配置して、歴史的な因縁話に仕立てようと考えたのです。ところが、当時はまだ内容に応じて執筆量をコントロールすることがほとんどできず、思うままに書いているうちにこの序章部分が思いのほか大きくなってしまいまして、いわゆる頭でっかちな本になってしまいかねない事態になり、それならいっそ独立させよう、と急遽方針を転換、ところが今度は1冊分に膨らますのに苦労する、とまあ、己の未熟振りをこれでもか、と見せ付けられた本でした。
中身も、平家物語好きが高じて、あまり詳しくない方にはある意味どうでもいい薀蓄を盛り込みすぎていたり、そのくせ、お話をまとめるのに苦労したところがありありと透けて見えていたりして、個人的には失敗に近い作品と認識しています。それでも、前にサイトでアップしたときと、今回改めて全体を見直したことで、そのあたりの欠点はかなり矯正できたと思います。まあ根本的な未熟さはいかんともしがたいですし、そこまで手をつけるとさすがにぜんぜん違う作品になりかねないので、こんな時代もあったんだなあ、と感慨にふけるだけにとどめ、お話の本筋に関係ない薀蓄をばっさりやって、言い回しのやたら持って回った書きかたを少し改めるだけにしました。
でも、この智盛と麗夢のやり取りって結構気に入っているんです。最初の出会いのシーンやクライマックスで麗夢を救出しに来るシーンとか、全体として筆が進まず苦しんだ記憶しかないのですが、その部分だけは結構ノリノリで書いたのを覚えています。
では、お話の都合上オリジナルキャラが多数登場してますので、人物紹介からご覧いただければありがたいと存じます。
人物紹介へ
この本の構想は、確か1998年の夏コミのさなか、ドリームハンター麗夢の老舗サークルである『Avenue REM』様のお手伝いで店番をさせてもらいながら、ちゃっかり私の既刊小説をスペースの端っこのほうに並べさせていただいていた頃のこと。来年何を書こうか、と考えていたのですが、つらつら考えてみるにやはり『首なし武者』のお話が一番好きな私としては、やはりこの作品をモチーフに書くのが良いだろう、と思いまして、更に、歴史好きな私としては、やはり夢御前霊夢と智盛の物語をベースに書くのがよかろう、と、店番そっちのけで妄想にふけり、というのは冗談ですが、まあそうやって色々考えてながら『Avenue REM』主宰うつりぎ ゆき様とも雑談を重ねているうちに、ふと、京都市に「綾小路通り」という道が実際に存在する、という話になりまして、それじゃあ麗夢ちゃんと同じ苗字のこの通りを夢守の話と絡められないだろうか、と考えがまとまりだし、そのコミケの帰り、当時は今と同様お金が無かったかわりに体力はまだそこそこありましたので、東京発大垣行きの夜行臨時快速で西へと帰ったのですが、早速その足で荷物を駅のコインロッカーに放り込んで、途中購入した京都地図を片手に、実際に綾小路通りを端から端まで歩いてみたのでした。今にして思えばなんとも無謀というか、われながら信じられない行動力ですが、それなりに得たものも多く、たとえば、京都の碁盤目の道は豊臣秀吉など時の権力者によって随分付け替えられて、平安時代とほぼ同じ道はほとんど残っていないのですが、この綾小路通りは、古い地図を重ねて見ますとほぼ同じ場所を通っていることが判ったりとかもいたしました。それで、まず最初に構想したのは次に上げる予定の『夢都妖木譚 平成京都編』でして、その序章部分に今回の『平安編』のクライマックスを配置して、歴史的な因縁話に仕立てようと考えたのです。ところが、当時はまだ内容に応じて執筆量をコントロールすることがほとんどできず、思うままに書いているうちにこの序章部分が思いのほか大きくなってしまいまして、いわゆる頭でっかちな本になってしまいかねない事態になり、それならいっそ独立させよう、と急遽方針を転換、ところが今度は1冊分に膨らますのに苦労する、とまあ、己の未熟振りをこれでもか、と見せ付けられた本でした。
中身も、平家物語好きが高じて、あまり詳しくない方にはある意味どうでもいい薀蓄を盛り込みすぎていたり、そのくせ、お話をまとめるのに苦労したところがありありと透けて見えていたりして、個人的には失敗に近い作品と認識しています。それでも、前にサイトでアップしたときと、今回改めて全体を見直したことで、そのあたりの欠点はかなり矯正できたと思います。まあ根本的な未熟さはいかんともしがたいですし、そこまで手をつけるとさすがにぜんぜん違う作品になりかねないので、こんな時代もあったんだなあ、と感慨にふけるだけにとどめ、お話の本筋に関係ない薀蓄をばっさりやって、言い回しのやたら持って回った書きかたを少し改めるだけにしました。
でも、この智盛と麗夢のやり取りって結構気に入っているんです。最初の出会いのシーンやクライマックスで麗夢を救出しに来るシーンとか、全体として筆が進まず苦しんだ記憶しかないのですが、その部分だけは結構ノリノリで書いたのを覚えています。
では、お話の都合上オリジナルキャラが多数登場してますので、人物紹介からご覧いただければありがたいと存じます。
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