投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2009年 1月22日(木)02時10分29秒
>Akiさん
たまには超ローカルな話もいいですかね。
しょうもない悪戯好きの私の父親は旧制富岡中学(現富岡高校)出身で、七日市藩陣屋跡の校舎に通っていました。
遠足で長学寺に行ったりもしたそうです。
また、学校の近くには保阪道場という剣道場があって、古い家のようでしたから、たぶんそこが家老の保阪家なんだろうなと思います。
若い頃は富岡などつまらない田舎町だと思っていましたが、古い駅舎の写真などを見ていると、じわ~と胸に来るものがありますね。
山崎種二氏は相撲取りのように体格が良く、全身気迫に満ちていて鬼のように怖い人だったそうですが、地元の若者には親切だったそうです。
私の伯父は、『そろばん』に出てくる来宮の別荘に行って、豪華な部屋に泊めてもらったことがあると言っていました。
私の父親も、何かの折に山崎種二氏の実家を訪ねたら、山崎種二氏が縁側に布団を敷いて日向ぼっこをしていて、「おお、よく来たな」てなことを言ってくれたそうです。
『そろばん』はずいぶん昔に父親に勧められて読みましたが、世間知らずの小生意気な大学生だった私は、株屋の自慢話など下らない、みたいな態度で読み飛ばしただけでした。
でも、改めて読んでみると、独特の一貫した視点から社会の変遷が鮮明に見えてきて、実に新鮮ですね。
>立原道造
『大日本史』の立原翠軒の子孫なんですね。
※Akiさんの下記投稿へのレスです。(一部文字化けしています)
RE:七日市藩つながり 2009/01/21(水) 21:27:36
>小太郎さん
父の出身地が七日市藩のあった富岡市なので、子供の頃はよく行っていました(ただ、長学寺のあたりは、残念ながら行ったことがありません)。畑家の三代にちょっと興味があったので、わずかな七日市藩つながりで、ここに書き込んでしまいました。
保坂氏の、七日市藩が加賀藩に江戸の動向を伝える役割を担っていたという話、おもしろいですね。そうだとしたら、畑家の三代は、江戸での情報収集にそうとう貢献していたようです。
http://www.ne.jp/asahi/kato/yoshio/kobetuesi/kuninao.html
このページに、畑銀鶏の交遊関係がわかる、『銀鶏一睡南柯廼夢』(天保六年(1835)刊)からの引用があります。毎月25日におこなわれていた、畑銀鶏主催の書画会に参加した人々の名前です。
----------------------
?岩井紫若・市川白猿・文雪先醒・可中先醒・歌川国直・歌川国平・梅月先醒・令裁先醒・立兆先醒・松嵐先醒・花笠魯助・鐵鶏・轍外先醒・雲渓先生・豊明先醒・抱儀先生・稼堂先醒・焉馬先醒・雲山先生・鶏雨先醒?
?会主銀鶏・梅翁先醒・万年橋先生・折違親玉・琴台先生・山鳥先醒・竹谷先生・樸々先生・英泉大人?
?政徳先生・江山先生・櫟斎先醒・五山先生・四妍先生・大内先醒・薫烈先生・北峰先生・南溟先生・(一字不明)斎先醒・方外先醒・杏所先生・城南先醒・常行軒先生・研斎先醒・五車亭大人・楽水先醒・緑陰先生・文雄先醒・雪麿大人・梅子先醒?
------------------------
銀鶏のサロンに集まっていたのがどんな人たちなのか検索して調べてみると、歌舞伎役者、絵師、狂言作者、浄瑠璃作家、戯作者、儒学者、洋学者、本草学者と、ほんとうに多士済々です。天保の改革で取り締まりが厳しくなって、こういったサロンは崩壊してしまったようですが。
少し長くなりますが、せっかく検索したので、それぞれの人物がどんな人だったのか、下にリストを付けておきます(調べがつかなかった人については、抜かしてあります)。
岩井紫若(七代目岩井半四郎。女形の歌舞伎役者。)
市川白猿(七代目市川団十郎。天保13年、幕府の忌諱に触れて手鎖・家主預りの後、江戸追放。)
歌川国直(浮世絵師)
立兆(酒巻立兆。絵師。畑銀鶏の『書畫談叢之圖』や阿部喜任(=後述の櫟斎)の本草書に絵を描いている。)
花笠魯助(花笠文京。狂言作者・戯作者。兄は儒者の東条琴台(後述))
鐵鶏(畑鉄鶏)
雲渓(村田雲渓。絵師? 詳細不明だが、天保頃、『萬國人物圖巻』を出版している。)
抱儀(守村抱儀。浅草蔵前の札差。俳諧を蒼キュウ(芭蕉堂二世。もと加賀藩士)、詩文を仏庵、画を酒井抱一に学ぶ。)
焉馬(二代目烏亭焉馬。浄瑠璃作家。)
琴台(東条琴台。越後高田藩の藩儒。『増訂伊豆七島全図』が幕府の忌諱に触れ、嘉永2年(1849)、高田藩邸に幽閉。弟は、戯作者の花笠魯助。)
英泉(渓斎英泉。浮世絵師。)
江山(大窪詩仏。漢詩人。市河寛斎、柏木如亭、菊池五山と並んで江戸の四詩家と称せられた。)
五山(菊池五山。画の谷文晁、書の亀田鵬斎とともに、「芸苑の三絶」と称され、詩名を以て知られた儒者。)
櫟斎(阿部喜任。本草学者。洋学に通じ、『絵入英語箋階梯』(安政4年)、 『東西半球図并図説』、 『挿訳英吉利文典』 などの著書がある。蛮社の獄(1839)で押し込めを命じられた。文久2年(1862)幕府の小笠原開拓の際に、医師兼本草調査のため渡島して活躍。)
北峰(山崎美成。随筆家。下谷長者町の薬種商長崎屋の子に生まれ、和漢古今の書物を渉猟し、家業の傍ら著述に従事。)
南溟(春木南溟。南画家。松平春嶽や山内容堂に寵愛を受けた絵師として知られる。)
杏所(立原杏所。水戸藩士、南画家。水戸藩彰考館総裁・立原翠軒の長子。文晁門下四哲のひとりに数えられる。三男は、幕末の志士、立原朴二郎。子孫に立原道造がいる。)
研斎(中西研斎。書家。)
五車亭(太田蜀山人の門下で、天保頃に活躍した狂歌作家。幕臣の御徒士。)
緑陰(山本緑陰。大窪詩仏と共に、漢詩集をいくつか編集・校定している。)
雪麿(墨川亭雪麿。戯作者。越後高田藩士、田中源治。)
>小太郎さん
父の出身地が七日市藩のあった富岡市なので、子供の頃はよく行っていました(ただ、長学寺のあたりは、残念ながら行ったことがありません)。畑家の三代にちょっと興味があったので、わずかな七日市藩つながりで、ここに書き込んでしまいました。
保坂氏の、七日市藩が加賀藩に江戸の動向を伝える役割を担っていたという話、おもしろいですね。そうだとしたら、畑家の三代は、江戸での情報収集にそうとう貢献していたようです。
http://www.ne.jp/asahi/kato/yoshio/kobetuesi/kuninao.html
このページに、畑銀鶏の交遊関係がわかる、『銀鶏一睡南柯廼夢』(天保六年(1835)刊)からの引用があります。毎月25日におこなわれていた、畑銀鶏主催の書画会に参加した人々の名前です。
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?岩井紫若・市川白猿・文雪先醒・可中先醒・歌川国直・歌川国平・梅月先醒・令裁先醒・立兆先醒・松嵐先醒・花笠魯助・鐵鶏・轍外先醒・雲渓先生・豊明先醒・抱儀先生・稼堂先醒・焉馬先醒・雲山先生・鶏雨先醒?
?会主銀鶏・梅翁先醒・万年橋先生・折違親玉・琴台先生・山鳥先醒・竹谷先生・樸々先生・英泉大人?
?政徳先生・江山先生・櫟斎先醒・五山先生・四妍先生・大内先醒・薫烈先生・北峰先生・南溟先生・(一字不明)斎先醒・方外先醒・杏所先生・城南先醒・常行軒先生・研斎先醒・五車亭大人・楽水先醒・緑陰先生・文雄先醒・雪麿大人・梅子先醒?
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銀鶏のサロンに集まっていたのがどんな人たちなのか検索して調べてみると、歌舞伎役者、絵師、狂言作者、浄瑠璃作家、戯作者、儒学者、洋学者、本草学者と、ほんとうに多士済々です。天保の改革で取り締まりが厳しくなって、こういったサロンは崩壊してしまったようですが。
少し長くなりますが、せっかく検索したので、それぞれの人物がどんな人だったのか、下にリストを付けておきます(調べがつかなかった人については、抜かしてあります)。
岩井紫若(七代目岩井半四郎。女形の歌舞伎役者。)
市川白猿(七代目市川団十郎。天保13年、幕府の忌諱に触れて手鎖・家主預りの後、江戸追放。)
歌川国直(浮世絵師)
立兆(酒巻立兆。絵師。畑銀鶏の『書畫談叢之圖』や阿部喜任(=後述の櫟斎)の本草書に絵を描いている。)
花笠魯助(花笠文京。狂言作者・戯作者。兄は儒者の東条琴台(後述))
鐵鶏(畑鉄鶏)
雲渓(村田雲渓。絵師? 詳細不明だが、天保頃、『萬國人物圖巻』を出版している。)
抱儀(守村抱儀。浅草蔵前の札差。俳諧を蒼キュウ(芭蕉堂二世。もと加賀藩士)、詩文を仏庵、画を酒井抱一に学ぶ。)
焉馬(二代目烏亭焉馬。浄瑠璃作家。)
琴台(東条琴台。越後高田藩の藩儒。『増訂伊豆七島全図』が幕府の忌諱に触れ、嘉永2年(1849)、高田藩邸に幽閉。弟は、戯作者の花笠魯助。)
英泉(渓斎英泉。浮世絵師。)
江山(大窪詩仏。漢詩人。市河寛斎、柏木如亭、菊池五山と並んで江戸の四詩家と称せられた。)
五山(菊池五山。画の谷文晁、書の亀田鵬斎とともに、「芸苑の三絶」と称され、詩名を以て知られた儒者。)
櫟斎(阿部喜任。本草学者。洋学に通じ、『絵入英語箋階梯』(安政4年)、 『東西半球図并図説』、 『挿訳英吉利文典』 などの著書がある。蛮社の獄(1839)で押し込めを命じられた。文久2年(1862)幕府の小笠原開拓の際に、医師兼本草調査のため渡島して活躍。)
北峰(山崎美成。随筆家。下谷長者町の薬種商長崎屋の子に生まれ、和漢古今の書物を渉猟し、家業の傍ら著述に従事。)
南溟(春木南溟。南画家。松平春嶽や山内容堂に寵愛を受けた絵師として知られる。)
杏所(立原杏所。水戸藩士、南画家。水戸藩彰考館総裁・立原翠軒の長子。文晁門下四哲のひとりに数えられる。三男は、幕末の志士、立原朴二郎。子孫に立原道造がいる。)
研斎(中西研斎。書家。)
五車亭(太田蜀山人の門下で、天保頃に活躍した狂歌作家。幕臣の御徒士。)
緑陰(山本緑陰。大窪詩仏と共に、漢詩集をいくつか編集・校定している。)
雪麿(墨川亭雪麿。戯作者。越後高田藩士、田中源治。)
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