「面白いほどうまくいく心理戦術」 渋谷昌三著
責任の分散
ドイツの心理学者リンゲルマンの実験
リンゲルマン現象;複数で仕事をすると、その人数分だけ責任が分散する
一本のロープを1人で引っ張ると63Kgの力
2人で引っ張ると53Kgの力/1人当たり
8人で引っ張ると31Kgの力/1人当たり
どうしたら手抜きを減らせるか
パブリック・コミットメント
普段あまり食べない牛の贓物を主婦に利用して貰うために
1つのグループには贓物を食卓にのせることの利点を討論する集会に参加
1つのグループには贓物を食卓にのせることの利点を討論する集会に参加し、討論の最後に「贓物を実際に自分の家庭で使う意志がる」という決意を表明してもらった。
数週間後に2つのグループを調べたところ、討論に参加した主婦のほとんどが実際に贓物を使っていることがわかった。
無理な依頼をあっさり通す方法;フット・イン・ザ・ドア・テクニック
簡単な依頼をOKさせるとこちらの勝ち
最初は「話を聞くだけでよいから」と。
最初は誰でも「イエス」と言えるような簡単な依頼から。
市民に「調査員が訪問するので、押し入れにある家具類を全部出して2~3時間調べさせてほしい」
1) いきなり訪問し依頼する。 22%
2) あらかじめ電話で調査の内容を説明し、後に直接依頼する。 28%
3) この調査に関する簡単なアンケートを事前に答えて貰ってから、三日ほどして実際の調査を依頼する。53%
最初はわざと断らせる巧みな説得術;フット・イン・ザ・フェイス・テクニック
悪いけど5万円貸してくれないかな?断れるので、無理なら1万円はどうだろう?
相手がノーと言うことを見越して、大きな要請をする。
大学構内で学生に「一回だけ2時間ほどボランティアに参加して欲しい」と頼んだところ、引き受けたのは20%弱だった。ところが「2年間、週に2時間、ボランティアに参加して欲しい」と大変なことを頼んで、いったん拒否させてから、先の「一回だけ・・・」を頼んだところ、今度は50%の学生が承諾した。
釣り玉で誘って断れなくする方法;ロー・ボール・テクニック
何とか縁談をまとめようとする仲人さんは、男性側、女性側にそれぞれの良い面を強調する。欠点はうまくとりつくろう。偽りの条件で説得して相手に承諾させる。その後で「ちょっと不都合が生じたので、この新しい条件でお願いします」と以前より不利な条件で承諾して貰う。
接近戦の心理効果
36~48cmの距離まで近づいて熱心に説得すると依頼に応じてくれる人が多くなった。
90~120cm離れたところから熱心に説得すると依頼に応じてくれる人は少なくなった。遠いところから説得するときには、むしろあまり熱心でないほうが依頼によく応じてくれた。
絶大なタッチングの心理効果
タッチング、つまり相手の体に軽く触れると、相手の承諾を得やすいことがわかっている。
ある人物を次の三種類の方法で人に引き合わせ、その印象をたずねてみた。
1) お互いの顔見えないような状況で、握手だけして別れる。「あたたかくて信頼できる人」と好意的に評価し48%が再開を望んだ。
2) お互いに相手を看るだけで、話も握手もしないで別れる。冷たくて横柄な人
3) お互いに相手が見えない状況で、話し合うだけ。無感動で形式的な人とマイナスの評価
本音を探る秘策
・暗闇では警戒心がゆるみ、本音が出る。
・うなずくと相手は話しやすくなる。うなずき、あいづちは微笑みはセットで。
説得すればするほど相手は態度を硬化させる。
ブーメラン効果「疑似体験」の不思議な心理効果
売り込みは先ずは「体験」させてから。
共通の友人を持った人は初対面でも仲良くなれる。
セイガルニイク効果
人は作業や思考をいいところで中断されると、そのことに費やされていた緊張が解消されないでそのまま持続するので記憶にに残りやすい。
二重拘束で相手を混乱させる;矛盾するメッセージを与えて駆け引きに勝つ法
まさにDVの男性が取っている態度
工事服で訪ねて農家の人と親密な関係
住宅メーカーの営業マンが工事服で訪ねたら話に応じてくれた。
服装を相手に合わせて「仲間」を演出する。
責任者が「OK」しない場合、「数の論理」で攻める手もある・
まず女子社員を味方につけてから。
自己開示で相手の心を開く
自分の体験談など話す。
クレーム電話が突然かかってきた
最初は、ひたすら聞き役に徹する。
反論すると相手の怒りはかえって高まる。
双方とも器が小さいから喧嘩になる。
仲直りのきっかけをつくるほうが器が大きい。
人は何か不安にかられると、ほかの誰かと一緒にいたいと願う。相手は誰でもよいのではなく、自分と似た人(境遇、考え方)を求める。そういう仲間を何人か持っておくとよい。
感想;
ちょっと知っているだけで、コミュニケーションがよくなることがあるようです。
コミュニケーションが上手い人は、自然にこのような手段を使っているのかもしれません。
前に、違う部門の上の方(男性)が手を握って来ました。びっくりしましたが、スキンシップを取ることで親近感を与えようとされていたのかもしれません。