・マッキンゼー入社当初は、海外メンバーの圧倒的生産性の高さに何度も驚かされました。それは単に「頭がよい」「仕事が速い」とう話ではありません。やるべきことの優先順位を明確にし、優先順位の低いことは大胆に割り切ってしまう判断の潔さや、常に結論を先に表明し、無駄な説明時間や誤解が生じる余地をそぎ落としてしまう直截なコミュニケーションスタイルなど、その働き方にはあらゆる場面において少しでも生産性を高めようとする強い意志が感じられたのです。
・本来、経営者は人事部に「なぜ10人を採用するために、1.000人も集めなければならないのか?」1,000人ではなく、500人から10人を採用できるようにするため、これまでにどのような施策を打ったのか?」と採用の生産性を問うべきなのです。
・生産性を上げるための4つのアプローチ
①改善による投入資源の削減
②革新による投入資源の削減
③改善による付加価値額の増加
④革新による付加価値額の増加
・大事なのは会議の時間(=量)を短くすることではなく、会議の質をコントロール(向上)することなのです。
・大事なことは、残業を減らすことでも残業代を減らすことでもありません。目指すべきは「仕事の生産性を上げること」であり、その結果として残業時間、というより労働時間そのものが減るのが目ざすべき姿なのです。
・マッキンゼーのような組織では、パフォーマンスの高い社員ほど厳しい環境で働くことを求められるのです。これは、パーフォーマンスの高い社員ほどラクに仕事ができてしまう組織とは180度異なる環境であり、これこそが、卓越した人材を数多く輩出できる組織の力につながっているのです。
・「部下の指導をすることで学べることはたくさんある」とはよくいわれることで、私もそう思います。
・日本的な組織において早期のトップパフォーマー選抜が行われない理由は、人事評価の主眼が人材育成ではなく、昇格や評価(ボーナス査定)にあるからだと思われます。
・マッキンゼーなどが若手トップパフォーマーの選別を行うのは、選抜のためではなく育成が目的です。彼らのもつ潜在力を発揮させるために、手段として選抜を行うのです。
育成のためであれば、選抜のタイミングはできるだけ早いほうがよいということになります。
・彼らがモチベーションをなくしてしまうのは、選抜に漏れたからだけではありません。選抜に漏れた結果、「誰も自分に期待をしていない」と感じさせられてしまうからです。
・正社員の解雇はしないという方針や法律があるなら、せめて在籍中は常に組織から期待され、成果に応じて正当なフィードバックを受ける権利をすべての人に担保すべきではないでしょうか。
・マッキンゼーでは人事評価の際、その人の「distinctive」な能力や分野と「development」がセットで本人に伝えられます。「distinctive」とは卓越したという意味で、その人の長所、強いところを意味します。
一方の「development needs」は、本人の弱いところを意味する言葉ですが、直訳すれば「これから能力開発=developmentが必要とされる部分です」つまり人事評価の場で本人の強みとセットで指摘されるのは、弱点や欠点「weakness」ではなく「次は、この点を伸ばしていきましょう」という成長へのアドバイスなのです。
・“人”を諦めない
組織の中に「まったく成長しない人たち」を多数抱え、彼らの成長を諦めてしまったら、組織全体に与える悪影響は計りしれません。反対に、そういう人たちの生産性をほんの少しでも上げることができれば、長期的には組織全体の生産性は大きく向上します。その切り札になるのが、詳細で具体的な成長支援のためのフィードバックなのです。
・ほぼすべての新人コンサルタントが最初に直面する問題は、生産性が低すぎるということです。皆優秀で真面目に頑張るけれど、生産性の高い働き方を知りません。・・・。キッチンタイマーを使うよう勧めるのは、彼らに「今は何にどれだけの時間がかかっているのか」と自分で正確に把握させるためです。
・一子相伝
・マネージャーの仕事とは、
①決断をすること と
②リスクに備えておくこと
となります。
・ロールプレイング形式の研修で特に効果の高いのが、コミュニケーションの練習です。
「仕事を辞めたいと言い出した部下との面談」
「大きなミスをした部下との面談」
「5分しか時間のない上司に電話で業務報告をする際の話し方」
「労働組合のメンバーに、今回行う往路ジェクトの意味を説明する=人員削減が行われるかどうかを尋ねられ、答えるミーティング」など「実際にそういう状況におかれたら、相当に当惑するだろう」と思えるような、極めて具体的な状況設定が数多く含まれていました。
・具体的なフィードバックが直接得られるフィードバック形式の研修は、一般的な研修よりはるかに迅速なスキルアップに役立つのです。
・アウトプットイメージをもつ
アウトプットイメージをもたずに仕事に着手するのは、マラソンランナーが走りながらゴールを探すようなものです。
・生産性の高い人が、作業開始前にイメージしたアウトプット(資料)を完成させるために不可欠な情報収集や分析のみを行うのに対して、生産性の低い新人は、とりあえず関連のありそうな資料や情報を手当たり次第に集め始めます。
その次は、集まった資料を片っ端から読み込むことに多大な時間を費やし、さらにはそれら膨大な情報をあらゆる角度から分析します。
・ブランク資料を作る
情報収集前に具体的なアウトプットイメージともつたえに作られるのが、ブランク資料です。一般には聞き慣れない言葉かもしれませんが、コンサルティングファームではブランク資料を作らずに情報収集を始めることは不可能(もしくは御法度)とされています。
通常、上司や顧客から資料作成を依頼されたスタッフは、まずブランク資料を作り、それを上司や顧客に見せてアウトプットイメージを共有してから情報収集や分析にとりかかります。
・会議の達成目標は次の5つのどれかです。
①決断すること
②洗い出しすること(リストを作ること
③情報を共有すること
④合意すること=説得すること=納得してもらうこと
⑤段取りや役割分担など、ネクストステップの決めること
・資料は説明させない
会議の時間の中で最も生産性が低いのは、資料を用意した人がその試料を説明するのに使う時間です。実はマッキンゼーの社内会議では、多くの場合、資料の説明は行われません。
・会議資料の枚数を制限する企業が本当に無駄だと感じているのは、紙代ではなく、資料の枚数とともに長くなる資料の説明時間なのではないでしょうか。そうであれば、資料の枚数を制限するより説明時間自体を制限したほうが、よほど生産性の向上につながるはずです。
感想;
前の会社で、同僚がよく徹夜していました。仕事量は徹夜しなくても良いのですが、仕事の質を限りなく高めるためでした。
私は80点で満足するので、高めるエネルギーを別に使っていました。
これも前の会社の同じ組織のメンバーに仕事をお願いしました。十分18時くらいには終わる仕事量でした。ところが21時になって「できませんでした」と言って来られて、その後それを引き継いでやりました。この仕事だとだいたい自分なら何時間でできるかどうかを読めない人がかなりいることに気づきました。
私の前任者の組織長は人の好き嫌いが大きい人でした。嫌っている人には仕事を与えません。そのため、業務中に司法試験の勉強をしていた人がいました。私はその人と面談してその人に出来る仕事、本人がやってみたいと思う仕事を与えました。
・会議の達成目標は次の5つのどれかです。
①決断すること
②洗い出しすること(リストを作ること)
③情報を共有すること
④合意すること=説得すること=納得してもらうこと
⑤段取りや役割分担など、ネクストステップの決めること
⇒会議は無駄だと言う人がいますが、私はある程度必要だと思います。
上記以外に、出された意見で考えて発言することで、さらなる高い良い対策案が浮かぶことがあります。一種のブレーンストーミング効果です。
また、他の人の発言を聞いていて「知らないことを知る」ことが多いのです。
事務局になり、会議の議事録を作成する場合、メンバーの発言内容を理解していないと議事録は作成できません。とても学ぶことに役立ちます。
組織に異動者が来られたら、その人に合った会議の事務局を担当してもらうようにしました。事務局が会議を左右しているので、そこでまずは学んでもらうようにしました。
マッキンゼーがメンバーの育成を重視していることは知りませんでした。
人の成長=組織のパーフォーマンス向上 につながるのです。
セミナーで最後に言う言葉があります。
『人が創る品質』
(エーザイの内藤社長が子会社だったサンノーバに寄贈された石碑に刻まれた言葉)
私が現役のときから、そして退職してこれまでもこの言葉を伝え続けています。
品質は人が創っています。
品質を高めるためには、人の質を高める必要があります。
先ずはご自分の質を高めていただきたい。
今の仕事を利用して自分のために自分の質を高めていただきたい。
そしていつでも好条件で転職できるだけの力を付けていただきたい。
転職するかどうかは個人の判断ですが、そういう気持ちで働いている人がいる職場、会社は大丈夫だと思います。
ただ一つだけアドバイスがあります。
会社を利用していると周りや上司に思われないように、会社のために一生懸命やっているという偽でも良いので、そのオーラを出していただきたい。
そして自分のために仕事をして欲しいです。
上司が何も知らないと愚痴る人に
なんてすばらしい職場でしょうか!
ちょっと頑張ればすぐに上司よりよく知ることができます。
周りの人は発言を聞いていれば誰が知っているかを知ります。
上司が嫌で仕事をやる気が起きない
仕事を通して成長します。その仕事を一生懸命しないと自分の成長がありません。そしてその嫌な上司の下で自分の成長が止まると、上司から「やっぱりあいつはできないやつだ」と言われます。嫌な上司のために自分の未来をダメにしてしまったら、それこそ上司の思うつぼです。自分の未来をダメにしないでいただきたいです。
本を読むことで、いろいろな情報を得ます。また知らない言葉も知ります。
”一子相伝”、”ブランク資料”の言葉は知りませんでした。
知るは好きに如かず
好きは楽しむに如かず
楽しむことができることが長続きできるようです。
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