平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

サタデー・ナイト・フィーバー~若者は旅立つ!

2011年01月29日 | 洋画
 この作品は冒頭のシーンに尽きる。

 ♪自分が何者であるかを知れ
  活力を失うな
  街を体で感じろ♪

 ビージーズの「ステイン・アライブ」をバックに、主人公トニー(ジョン・トラヴォルタ)はブルックリンの街を歩く。
 ショウウインドーの靴を見て、すれ違う女の子に声をかける。
 気に入った青いシャツをショウウインドーでみつければ、とって置いてくれと店主に5ドルを渡す。
 ハンバーガーを頬ばりながら、街の人間と声をかけ合う。飛んできたバスケットのボールを投げ返す。


 これらの行動で、トニーがまさに街を体で感じ、活力を受けて生きていることがわかる。
 ディスコミュージックも彼に力を与える。

 しかし、この活気に満ちた時間もやがて現実という日常にとって代わられる。
・ブルックリンの貧しいイタリア移民。
・わずかな時給でのバイト生活。
・牧師となった兄を賞賛し、トニーをどうしようもないヤツと見下す両親。
・マンハッタンの住人への劣等感。
・自分は刹那的に生きているクズという意識。

 トニーは踊っている瞬間だけこれらクズの日常から解放されるのだが、それだけでは満たされない。

 この作品はトニーの成長物語だ。
 自分が生きている現実に嫌気がさし、旅立っていく。
 冒頭のビージーズの曲に ♪自分が何者であるかを知れ♪という歌詞があったが、トニーは<自分が何者であるか>を認識していく。
 それは<ダンスをする自分>。

 若者の特権は、いつでも今までの自分を捨てて、旅立てること。
 歳をとってからも旅立つことが出来るが、年齢を重ねると、しがらみや持っているものが多すぎて、なかなか歩み出すことが出来ない。

 活力を失って、街を体で感じられなくなったら、旅立とう!!


コメント
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