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平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

川の底からこんにちは~中の下から始めよう!

2011年05月12日 | 邦画
 主人公・木村佐和子(満島ひかり)は言う。
 「あたしって中の下だから」
 不況の時代が続き、閉塞感が漂う中、われわれ、特に若者の意識は<中の下>なんですね。
 これが高度経済成長、あるいはバブルの時代なら違っていた。
 一億総中流、「がんばれば報われる」という言葉を素直に信じることが出来て上を向いて歩けていた。
 バブルの時などは、<JAPAN AS NO.1>だった。
 だが、現在は違う。
 みんなが行き詰まって、<中の下>意識。

 この作品、前半1時間は、主人公・佐和子の<中の下>意識がダラダラと語られる。
 「中の下だから派遣社員で、不当な扱いを受けても仕方がない」
 「中の下だから、バツイチ、子持ちの情けない中年男とつき合っていても仕方がない」
 「中の下だから、実家の工場のおばさんたちに<男に失敗したバカ女>と悪口を言われても仕方がない」

 こんな佐和子が後半大きく変わる。
 たくましく開き直る。
 彼女は言う。
 「中の下のどこが悪いの!」
 「あんたたちだって、中の下じゃない!」
 「中の下なんだから、がんばらなくちゃ!」

 今まで
 <中の下>→「仕方がない」     と考えていた佐和子が
 <中の下>→「がんばるかしかない」 と大きく変化するのだ。

 これが佐和子のたどり着いた境地。
 たくましい自己認識だ。
 そして現代のこの国も、ここからスタートしなければいけない様な気がする。


コメント
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