平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

真田丸 第13回「決戦」~いくさを単にカッコ良く描かない三谷ワールド

2016年04月04日 | 大河ドラマ・時代劇
「大勝利です!」
「さすが父上じゃ。佐助、勝ちどきの合図を!」

 その大勝利を得た戦術は……。
 7000の軍勢を長く伸ばして直線にしてしまえば、7000の力を発揮できない。
 迷路のような城下町に引き込み、各個撃破!
 二の丸で袋のネズミにして集中攻撃!
 潰走して城を出て来る敵を砥石城の信幸(大泉洋)が掃討!
 とどめは、神川の堰を切って水攻め!

 カッコいい!
 お見事!
 それぞれの見せ場もある。
・駒が足りないと言っていた所に駆けつける信繁(堺雅人)。
 これを受けて昌幸(草刈正雄)は叫んで、
「勝った! 負ける気がせん!」
・佐助(藤井隆)は苦無を投げて、梅(黒木華)を救う。
・本丸の門が開くと、騎馬に乗った昌幸登場!
・碁を打ちながら戦況を分析している昌幸も見せるなぁ。

 しかし、いくさを単にカッコ良く描かないのが三谷幸喜。
・尻をたたいて敵を挑発。
・家の窓や屋根から投げられる石や熱湯。
・落とし穴。
 コミカルですね。
 あの時代のいくさって、実際はこんな感じだったと思うんですけど(真田には鉄砲の数もそんなになかったと思いますし)、映画『ホームアローン』みたい。
 これを見てしまうと、文明の進化って、果たしていいことなのか、って思ってしまいます。
 何しろ、その後の戦争は、機関銃が炸裂し、空からは爆弾が降ってくる戦争。
 地雷に、生物兵器に、核兵器。
 現在は電子戦で、無人機が爆撃し、ミサイルが飛んでくる。
 破壊と悲惨はどんどん大規模に。

 いくさが必ずしもカッコいいものでないことは、梅の死でも。
 大勝利をおさめて視聴者を含めて良い気分になった所へ、水を差す。

 さて、青春編はこれで終了。
 梅の死にどう折り合いをつけ、信繁はどんな大人になっていくのか?

コメント (6)
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