平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

真田丸 第15回「秀吉」~茶の湯、絵合わせ、家族の団らん、検地…平和な時代が訪れた

2016年04月18日 | 大河ドラマ・時代劇
 まずは熊本大震災で、亡くなられた方、被災された方へのお悔やみを申し上げ、一刻も早い復旧・復興をお祈りいたします。また、余震が続いているため、今後とも十分に注意をなさって下さい。

 さて、今回は、秀吉(小日向文世)と彼を取り巻く人々を1話分使って描いた。
 そこで描かれた秀吉は、
・吉野大夫の舞
・利休の茶
・茶々との絵合わせ
・秀吉一家の団らん
・検地

 いずれも<文化>であり<平和な時代の産物>なんですね。
 信繁(堺雅人)は、これらを目撃することで、秀吉によって平和な世が作られつつあることを知った。
 ここには、領地を奪い合う戦国武将のギラギラしたものはない。

 もちろん、世の中は完全に秀吉の掌中にあるわけではないから、ギラギラがないわけではない。
 しかし、やり方がクレバーだ。

 まず、上杉景勝(遠藤憲一)を言葉で従わせた。
 おそらく秀吉は、景勝が<本領安堵>を何よりも望んでいることをわかっていたのだろう。
 だから、望むものをを与え、景勝の外堀を埋めていった。
 利休の茶を飲ませたのも、これからは<文化>の時代なんだよ、ぎらぎらするのはやめなさい、と言っているかのようだ。
 景勝に官位を与えたのも、朝廷を頂点とする秩序の回復を物語っている。

 上洛しない真田昌幸(草刈正雄)対策も、上杉の加勢をやめさせ、徳川に攻めさせるという作戦。
 結果、秀吉は自分の兵を損なわずに真田を屈服させられる。
 おまけに、家康に恩も売れる。
 実にクレバーだ。
 秀吉は「城の中にいても世の中は治められる」ということを信繁に教えているかのようだ。
 だから信繁は、秀吉を「いや違う。あんな人は見た事がない」と評価したのだろう。

 石田三成(山本耕史)という官僚型の人間が幅をきかせてきたのも<平和と秩序の時代>が来たことの象徴ですよね。
 しかも、三成、相手を値踏みする。
 秀吉の覚えがよい人間には親しくし、そうでない人間は見下す。
 典型的な官僚ですね。
 能吏という点では、直江兼続(村上新悟)に通じる所もある。
 そんな所でふたりは意気投合したのだろう。

 きり(長澤まさみ)は、すっかり秀吉一家に馴染んでる感じだなぁ。
 文句を言いながらも、状況に順応していくきりは実にタフ。
 さっぱりしていて、きりも少しずつ魅力的になってきた。

 一方、信幸(大泉洋)はイジイジ。
 でも、父・昌幸は、信幸の能力は平和な時代に活かされるとしっかり見抜いている。
 めげるな~、信幸。

 この作品には、ひとりも捨てキャラがいませんね。
 どの登場人物からも物語がつくれそう。
 おまけに、描き分けがしっかりなされていて、ひとりとして同じような人間や、one of themがいない。

 さて、豊臣側の人間が総登場した今回。
 今後、どのようなドラマが展開されるのか。

コメント (4)
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