平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

放送法をめぐる内部文書問題を考える~首相と総理秘書官のふたりで物事が決められる怖ろしさ!

2023年03月08日 | 事件・出来事
 放送法をめぐる総務省の内部文書問題。
 おおまかな経緯はこうだ。

①安倍元首相と磯崎総理補佐官が放送法の解釈変更をしようとする。
 その変更とは、
「政治的公平性のない番組がひとつでもあれば政府はその放送局を取り締まることができる」
 という内容だ。
②磯崎総理補佐官はこの件を担当省庁の総務省に働きかける。
③総務官僚は「それはできない」「言論弾圧に繋がりかねない」と抵抗。
 磯崎総理補佐官は、
「俺の顔をつぶしたら、ただじゃおかないぞ」「首が飛ぶぞ」と脅す。
④この動きは、総務省にパイプを持つ菅義偉元首相(当時、官房長官)と総務省出身の山田真貴子総理秘書官には相談なく進められた。
 磯崎氏、総務省の局長に、
「これは高度に政治的な話。官房長官に話すかどうかは俺が決める話。
 局長ごときが言う話では無い。この件は俺と総理が二人で決める話だ」
 菅元首相と山田真貴子氏に相談すれば反対されるからだろう。
⑤磯崎総理補佐官は約2ヶ月かけて抵抗する総務省をまとめあげ、当時の高市早苗総務大臣にこの件をあげる。
⑥高市早苗総務大臣はこの件を了解。
⑦国会の総務委員会で、
「政治的公平性のない番組がひとつでもあれば政府はその放送局を取り締まることができる」
 と新しい放送法の解釈を披露し、予算委員会では、
「放送免許取り消し」「停波」もあり得ると発言。
⑧この高市発言で、放送法は実質解釈変更された。
 今後、放送で何らかの問題が起きた時は、この高市発言が根拠にされる。
⑨立憲民主党の小西洋之議員はこのやりとりを示した内部文書78枚を内部リークで入手。
 6日国会で追及。
 これを受けて高市早苗・現経済安保担当大臣は「怪文書」「捏造」とツッパね、議員辞職にも言及。
⑩7日、松本総務大臣は、この小西議員の示した文書は総務省の公文書であることを認める。
 この78枚の文書を一般にも公開する。
 ……………………………………………………

 この件、スッパ抜いた立憲民主党の小西洋之議員と高市早苗のバトルが話題になっているが、
 ここでは触れない。

 まず素朴な感想。
 松本総務大臣、よくこれを公文書だと認めたな。
 安倍政権下だったら、
「ルールに基づき、破棄しました」
「支障があるので黒塗りで出します」
「現在、探しております」→1ヶ月後「見つかりました」
 になってたぞ。
 岸田政権の方が風通しがいいということか?
 ていうか、マトモな民主主義国家なら、これが当たり前なんだけどね。

 内部告発した総務省の官僚もがんばった。
 今までだったら、人事の圧力や忖度で沈黙していた所だろう。
 これは僕の持論だが、
 官僚もマスコミも検察官も自分の仕事に矜恃をもって仕事をしていれば、
 世の中はそんなに悪くならない。
・官僚は法に基づき、ダメなものはダメと政治家に言う。
・マスコミは忖度せず、不正を報道する。
・検察は法を犯せば総理であろうと検挙する。
 これだけでかなり権力の暴走を防げる。
 というか、これが健全な民主主義社会だ。

 この件の問題の本質は、一部の人間によって法解釈が変えられてしまうことだ。
 今回の件で言えば、安倍元首相と磯崎総理補佐官。
 こんな言論弾圧に繋がりかねないことを、たったふたりの人間で決めてしまうなんて!
 これは「法治主義」ではない。「人治主義」である。

 法律を勝手に解釈してやりたい放題するのが始まったのは安倍政権からで、
 それは現在の岸田政権でも継承されている。
・国葬
・敵基地攻撃能力
 特に敵基地攻撃は戦後の安保政策の大転換なのだが、たいした議論もなく進んでしまった。

 そもそも岸田首相も安倍元首相もそんなに頭がいいのかね?
 彼らがバカだったら、日本全体が間違った方向に向かうんだぞ。
 日本国民全体が迷惑するんだぞ。

 個人の能力には限界があり、間違うこともある。
 それを補うために、
 国会があり、官僚組織があり、司法があり、
 憲法や法律があり、
 マスコミがある。
 結果、間違うことが少なくなるし、多様な意見が政治に反映される。
 これが民主主義の知恵だ。

 最後に。
 今回の件、テレビ局は全局で問題にしろよ。
 これは右や左の問題ではない。
 あなたたちの「表現の自由」に関わる問題だ。
 でも現状は穏便に済ませようとしている感じ。
 こんなことをしているから、テレビはどんどんつまらなくなるんだよ。

コメント (13)
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