平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

どうする家康 第11回「信玄との密約」~もう一度、あの幸せな日々を取り戻さねばならぬ

2023年03月20日 | 大河ドラマ・時代劇
「もう一度、あの頃のよかった日々にしなければならぬ」
「もう一度、あの幸せな日々を取り戻さねばならぬ」

 過去に生きる人がいる。
 過去の美しい思い出にとらわれて前に進めない人……。
 田鶴(関水渚)がそうだ。

 田鶴は「今川家」にもとらわれている。
 家康(松本潤)に対して、
「今川様のご恩を忘れ、悪い方へ悪い方へ進んでいる」

 しかし、世の中は動いているのだ。
「今川の世は終わったのです」
「信玄は今川を見限ったぞ」
「駿府か……欲しくなって来た」
 力を失った今川家はもはや強者に喰われるしかない。
 信長(岡田准一)は足利将軍を担いで上洛を目論見、
 信玄(阿部寛)は西に進もうとしている。

 家康も過去や今川にとらわれていたら生きていけない。
「駿河と遠江、相互に切り取り次第で、如何か?」
 放っておいたら信玄に遠江を取られてしまう。
 遠江をとられたら、今度は三河が危うくなる。

 この世は純粋でまっすぐでは生きていけないのだ。
 まっすぐな田鶴は死ぬべくして死んだ。
 本人もそれがわかっているようだったが、おのれの真に殉じた。

 現在、田鶴は『椿姫観音』として祀られているらしい。
 椿は、瀬名(有村架純)いはく、「世に流されずおのれを貫く花」。
 田鶴を椿にたとえて描いた今回のエピソードはなかなか文学的だった。
 あの幸せだった頃に戻るには「死」しかなかったというのが哀しい。
『椿姫観音』は浜松にあるのか。
 一度、行ってみたい。
 ちなみに瀬名墓所「月窟廟」は、浜松城を挟んで田鶴が東、瀬名が西にあるらしい。
 ふたりの友情はこんな所にもあらわれている。

 信玄との会談のシーンは、予想どおりのフリとオチだった。
「信玄は臆病者だ」
「甲斐の虎ではなく猫だ」
「ニャー、ニャンニャン」
 そこへ信玄登場。
「わしは猫が好きだ。好きな時に寝て、好きな時に食う」
 家康たちは「ひぇ~っ!」
 忍びも配置していたし、瀬名の好きな栗も用意していたし、
 信玄の方がはるかに格が違う。
 お茶をお盆に乗せてやって来た時は笑ってしまったが……。

 白兎はまだまだ苦労しそうだ。

コメント (12)
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