平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

憲法記念日~田中角栄は「憲法9条」を盾にベトナム戦争参戦を断っていた。

2023年05月03日 | 事件・出来事
 憲法記念日。国会では改憲の議論が盛んだ。
 でも改憲の必要ってあるのかな?

「緊急事態条項」
 日経の世論調査では賛成が41%、反対が48%と拮抗。
 でも、緊急事態条項がなくても僕たちはコロナを乗り越えた。
 東日本大震災でも秩序ある行動を取れた。
 むしろ緊急事態条項があったら、自民党政府はやりたい方題するんじゃないの?
 彼らは権力を抑制的に使えないからね。
 というか、コロナの時のような無能政府に全権を委ねたらどうなることやら?

「憲法9条改訂」
 自民党案は、現在の9条に「自衛隊」の名を明記するというものらしいが、やり方が姑息だ。
 これは自衛隊を将来的に「軍隊」にするための布石だろう。
 いきなり「軍隊にする」と言えば反対が多いから、
「自衛隊の名前を書き加えるだけですよ」とハードルを低くする。
 だまされてはいけない。
 そもそも「自衛隊」の名前を書き加えるだけなら改定する必要はないんじゃないのかね?

 現在、自衛隊への入隊希望者は少なく、定員割れなのだそうだ。
 愛国者を名乗る人たちにはぜひ入隊してもらいたいものだが、
 政府が狙っているのは「経済的徴兵制」だろう。
 経済的に困っている若者を自衛隊に入れるのだ。
 自民党の部会では「自衛隊に入れば奨学金をチャラにする」という案も出ているらしい。

 この改憲議論。
 推進派の政治家の皆さんは、どうも「改憲」が目的のように思えてならない。
 彼らにとって大切なのは「憲法を改正しました」という実績で内容は二の次。

 さて、この憲法改正の議論、まずはれいわ新選組の山本太郎さんにまとめてもらおう。

『最優先課題は改憲ではなく、経済。
 物作り大国日本を再興させるために、人間の尊厳を守る社会を取り戻すことが必要。
 消費税廃止、社会保険料減免、給付金。
 国民の可処分所得を増やして、需要を喚起して行く。
 社会にお金まわして、腰の入った好景気を日本の中で起こすことが必要』
 ……………………………………………………………………………………

 昭和の総理大臣・田中角栄は憲法9条を盾に日本のベトナム戦争参戦を断ったらしい。

 新潟日報社の小田敏三社長、いはく、
「70年代に入り、アメリカから日本に対してベトナム戦争派兵への圧力が強まった時、総理だった角栄は『どんな要請があっても、日本は一兵卒たりとも戦場には派遣しない』と答えたと、当時の官僚から聞いたことがあります」
 その官僚が“アメリカからの強い要請がある”と食い下がると、
 角栄は『そういう時には、憲法9条を使えばいい』と返したそうです。アメリカが日本に押し付けた憲法を逆手に取って、日本が派兵しない理由に使うというのは、リアリストの角栄らしい理論だと思います」

 そう。憲法9条があれば、こういう言い訳ができる。
 結果、日本は予算と労力を軍事ではなく、経済に集中的に使うことができた。
 それが日本を「ジャパン・アズ・ナンバーワン」に押し上げた。

 憲法9条は他の言い訳にも使える。
 中国やロシアから「お前、俺たちを侵略しようとしているだろう」と言いがかりをつけられたら、
「いやいや、私たちには憲法9条の制約があるから侵略なんてできません」と言い訳ができるのだ。

 まあ、その言い訳も現在ではほとんど通用しなくなって来たんですけどね……。
・日米安保~日本には米軍基地がある。
・新安保法制~集団的自衛権の一部容認。
・防衛予算2倍
・敵基地攻撃能力

 もはやアメリカといっしょに戦うフェイズに入っている。
 岸信介→安倍晋三でこれが成し遂げられた。
 やはり岸の系譜は怖ろしい。
 これを、岸田文雄が何も考えずに後押し。
 岸田はハト派の宏池会なのに彼の政治信条とは何なのか?

 でも、アメリカに逆らって親中国寄りになったりすると、日本の政治家は生き残れない……。
 田中角栄しかり、小沢一郎しかり、鳩山由起夫しかり。

 最後は、ふたたび田中角栄の言葉で締めよう。

『戦争を体験した世代が政治の中心にいる時代は、平和について議論する必要すらない。
 いずれ戦争を知らない世代が、政治の中枢を占める時代が来るのが怖い』


※関連記事
 田中角栄が「憲法9条」を盾にベトナム戦争への派兵要請を断っていた(デイリー新潮)

※追記
「国民の憲法」起草委員会で委員長を務めた田久保忠衛なるじいさんは今日の産経新聞でこんな主張をしている。

『外国から与えられた現憲法は改正すべきだが、とりわけ第9条関連で、厳しさを増す国際環境に触れないわけにいかない。
 中国、ロシア、北朝鮮という核保有国に向き合う世界最悪の条件下にある日本にとって、ロシアのウクライナ侵略は確かに衝撃的だった。
 それ以上に、唯一の同盟国米国で「衰退」が進んでいる事実こそが、日本に根本的な国策の転換を強いるかもしれない。
 米軍はウクライナに直接介入していない。
 プーチン露大統領のたび重なる核の恫喝に対応できないでいる。
 韓国の尹錫悦大統領は米国が提供する拡大抑止への不安を募らせ、バイデン米大統領と会談した。
 安保情勢の激変だ。
 非核の日本は米国との間で、核問題のすり合わせができるだろうか。
 日本が平和を希求するなら、盟邦の息切れを補いつつ、「一旦緩急あれば義勇公に奉ずる」国へと脱皮する機会が迫ってきた。
 しかも残された時間はわずかだ。
 日本の生存のためには憲法改正は欠かせない。
 政治家も国民もその歴史的役割に目覚めて立ち上がるだろう』

 要するに「米国がだらしなくなって来たから、日本が『一旦緩急あれば義勇公に奉ずる国』になろうと言うわけだ。
「義勇公に奉ずる国」かよ!
 キモッ、こんな亡霊がまだいるのか?
 これが改憲派が目指す国の形だ。

 田久保さん、あんたはいいよな。
 だって戦場に行かないんだから。
 安全な場所で「美しい国」を語っていればいいんだから。

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする