平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

相棒14 「秘密の家」~推理の基本は、前提を間違えないこと、枝葉末節を排除すること

2015年12月17日 | 推理・サスペンスドラマ
 推理っていうのは、最初の前提が大事なんですよね。
 <誘拐されるのは子供>
 この前提に立っていたら、事件は解決されなかった。

 しかし、<母親が誘拐された>という前提に立つと、事件の全貌が見えてくる。
 つまり、
 なぜ、誘拐しやすい子供でなく、母親を誘拐したのか?
     ↓
 子供にトラウマを残さないため。
     ↓
 となると、犯人は子供の近親者または家族。
     ↓
 父親の会社が経営難で、架空のペーパーカンパニーから5000万の入金があった。
     ↓
 父親は自分の妻を共犯者を使って誘拐し、妻の父親から身代金5000万は身代金を受け取った。
     ↓
 事件解決!

 枝葉末節をいかに排除するかも、推理にとっては重要なことですね。
 今回の場合で言えば、
・南米の国の大統領の来日と警備計画の漏洩。
・大統領暗殺を狙うテロリスト。
 ここにこだわっていたら、事件は迷走していた。
 伊丹(川原和久)たちが警備会議に間違って突入してしまったように(笑)
 結果として、テロリストは捕まりましたが……。

 細かいことにこだわるのも重要なことですね。
 今回の事件、廃工場に子供・神田ひなた(須田理央)の絵があったことに、右京(水谷豊)がこだわらなければ誘拐事件は発覚しなかった。
 ひなたが絵を描いた日と、母親・志乃(新妻聖子)の誕生日と、スーパーのチラシが配布された日にこだわらなければ、それで終わっていた。
 過去、右京さんはこうやって沢山の事件をほじくり返して来ましたが、世の中には、公にされていない事件がいくつもあるのかもしれませんね。

 最後は『相棒』のテーマのひとつ。
「罪が暴かれない方が幸せなことがある」
 過去、右京が事件をほじくりかえすことで、罪を問われて、不幸になった人々はたくさんいましたが、今回も。
 今回のラストは元気に外に遊びにいくひなたのシーンが描かれてハッピーエンドになったようですが、実際はどうなんだろう?
 夫に誘拐された志乃の気持ちって?
 会社の資金繰りのために自分が使われたなんて、すごくショックに違いない。
 おそらく、あの家族は昔のようにはなれない気がする。

「罪が暴かれない方が幸せなことがある」
 このことについては、冠城(反町隆史)が複雑な顔をしていましたね。
 歴代の相棒たちが考えてきたテーマが今回、提示されました。


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