平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

「不適切にもほどがある!」のテーマを考察する!~人の選択肢は無限で、いくらでも変わることができる

2024年03月31日 | その他ドラマ
『不適切にもほどがある!』が最終回を迎えた。
 最後はズバッ! とオチをつけて。
 宮藤官九郎の作品ってベースは「落語」なんですよね。
 いろいろな小ネタや人情や言葉遊びを入れて、最後にサゲる。
 起承転結でラストに向かって盛り上げていく手法をとらない。

 それと、クドカン作品は「収束」せずに「拡散」する。

 同じ冬ドラマだった『春になったら』
 これは収束するドラマだ。
 ラスト──瞳(奈緒)は結婚するし、父・雅彦(木梨憲武)が癌で亡くなる。

 一方、『ふてほど』は対照的だ、
 登場人物たちの物語はどれも終わってないし、これからも続く。
 ネタバレになるので詳しく書かないが、
 ラストの出来事で市郎(阿部サダヲ)たちはこれからもたくましく生きていくのだろう。
 純子(河合優美)を助けるために行動するかもしれないし、
 現実を受け入れてさまざまな時代を楽しむのかもしれない。
 今後、市郎たちにはどんな出会いやドラマが待っているのだろう?
 物語はどんどん拡散してどこに着地するのかわからない。
 …………………………………………………………………

 物語の拡散は作品のテーマでもある。
「未来の可能性はいくらでもある」
「人の選択肢は無限で、人はいくらでも変わることができる」

 現に市郎は令和に触れて変わった。
 サカエ(吉田羊)は昭和に触れて変わり、
 純子はスケバンから女子大生に変わり、
 ムッチ先輩(磯村勇斗)はヤンキーからシティボーイに変わり、
 真彦(磯村勇斗)は恋愛に目覚め、渚(仲里依紗)も新しい恋を始めた。
 井上昌和(中田理智)は科学者ではなくメジャーリーガーを目指し、笑
 八嶋智人はバラエティ2本とドラマ1本の仕事を獲得した!笑

 ドラマではない現実の人物に目を向ければ、
 三原じゅん子は国会議員になり、カトちゃんは80歳になって若い嫁をもらった。

「未来の可能性はいくらでもある」
「人の選択肢は無限で、人はいくらでも変わることができる」
 これが作品のメインテーマだろう。

 あとは生きていくために必要な姿勢。
「少しのズレなら許して寛容になりましょう」
「分類するのはやめましょう」
 など、ミュージカルパートで描かれたテーマだ。
 要は「こだわりを捨てろ」ってことでしょうか?
 こだわって何かに囚われていると前に進めない。
 結果、いつまでたっても変わることができない。

 そして、中学の卒業式の時に市郎が生徒たちに語った言葉!
「お前らの未来は面白れえから!」

 春になって温かくなりましたし、面白い未来のために一歩踏み出しましょう!


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