信長(染谷将太)と義昭(滝藤賢一)の対立が鮮明になった。
・義昭は旧きもの(寺・家柄)を守る者。
・信長は旧きものを壊す者。
まさに水と油。
これを明らかにしたのは比叡山の焼き討ち。
信長は合理主義者なんですね。
二条城の建設で石仏を材料にしていたし、仏など信じない。
僧は腐敗した既得権者でしかない。
松永久秀(吉田鋼太郎)と筒井順慶(駿河太郎)の対立でも、迷いながらも平気で松永久秀を棄てる判断。
情に流されることもなくて、比叡山の女・子供はいずれに自分の敵になるから一掃すべきと考えている。
合理主義者・信長の判断基準は損か得か。
褒められるか、褒められないか。
利用できるものは何でも利用する主義で、将軍があてにならないと帝を担ぎ出す。
信長にしてみれば、帝の方が将軍より偉いのだから、帝が「頼りにしている」「世の安寧のために尽くせ」と言えば、将軍を蔑ろにしていいのだ。
そんな信長と義昭の間に入って、四苦八苦しているのが光秀(長谷川博己)だ。
光秀は、信長と義昭が手を携えて世を治めるのがベストと考えている。
今回は松永久秀と筒井順慶のいくさを止めることに奔走。
いくさを止めるために、戦功で与えられた領地・滋賀を献上するとまで久秀に言った。
両者のいくさが激化すれば、信長と義昭の亀裂は決定的になるからだ。
何とか仲を取り持ちたい光秀。
一方、松永久秀はクール。
「いつか必ず公方様と争う時が来る」と信長と義昭の亀裂が避けられないと読んでいる。
久秀のこの台詞も印象的。
「信長様を尾張から引っ張り出したのはそなただ」
怪物・信長を生み出した責任の一端は光秀にあるんですよね。
この責任ゆえ、光秀は本能寺に奔る。
対立図式は、正親町天皇(坂東玉三郎)と覚恕(春風亭小朝)の兄弟の間にも。
兄にコンプレックスと憎しみを抱く覚恕(春風亭小朝)。
正親町天皇は、このまま弟が勢力を伸ばせば自分の地位を危うくするのではないかと考えている。
だから「むごいいくさ」だと思いながら、信長の比叡山焼き討ちを支持した。
いいですね。
こういう対立図式で歴史をとらえる物語。
これぞ歴史のダイナミズム!
この対立図式は甲斐にも波及して、旧勢力の代表として武田信玄(石橋凌)が登場!
絶妙のタイミングで登場する信玄。
登場の美学ですね。
歴史を対立図式でダイナミックに描き、登場人物がそれぞれに自分の意思で行動している。
今作はなかなかの名作です。
・義昭は旧きもの(寺・家柄)を守る者。
・信長は旧きものを壊す者。
まさに水と油。
これを明らかにしたのは比叡山の焼き討ち。
信長は合理主義者なんですね。
二条城の建設で石仏を材料にしていたし、仏など信じない。
僧は腐敗した既得権者でしかない。
松永久秀(吉田鋼太郎)と筒井順慶(駿河太郎)の対立でも、迷いながらも平気で松永久秀を棄てる判断。
情に流されることもなくて、比叡山の女・子供はいずれに自分の敵になるから一掃すべきと考えている。
合理主義者・信長の判断基準は損か得か。
褒められるか、褒められないか。
利用できるものは何でも利用する主義で、将軍があてにならないと帝を担ぎ出す。
信長にしてみれば、帝の方が将軍より偉いのだから、帝が「頼りにしている」「世の安寧のために尽くせ」と言えば、将軍を蔑ろにしていいのだ。
そんな信長と義昭の間に入って、四苦八苦しているのが光秀(長谷川博己)だ。
光秀は、信長と義昭が手を携えて世を治めるのがベストと考えている。
今回は松永久秀と筒井順慶のいくさを止めることに奔走。
いくさを止めるために、戦功で与えられた領地・滋賀を献上するとまで久秀に言った。
両者のいくさが激化すれば、信長と義昭の亀裂は決定的になるからだ。
何とか仲を取り持ちたい光秀。
一方、松永久秀はクール。
「いつか必ず公方様と争う時が来る」と信長と義昭の亀裂が避けられないと読んでいる。
久秀のこの台詞も印象的。
「信長様を尾張から引っ張り出したのはそなただ」
怪物・信長を生み出した責任の一端は光秀にあるんですよね。
この責任ゆえ、光秀は本能寺に奔る。
対立図式は、正親町天皇(坂東玉三郎)と覚恕(春風亭小朝)の兄弟の間にも。
兄にコンプレックスと憎しみを抱く覚恕(春風亭小朝)。
正親町天皇は、このまま弟が勢力を伸ばせば自分の地位を危うくするのではないかと考えている。
だから「むごいいくさ」だと思いながら、信長の比叡山焼き討ちを支持した。
いいですね。
こういう対立図式で歴史をとらえる物語。
これぞ歴史のダイナミズム!
この対立図式は甲斐にも波及して、旧勢力の代表として武田信玄(石橋凌)が登場!
絶妙のタイミングで登場する信玄。
登場の美学ですね。
歴史を対立図式でダイナミックに描き、登場人物がそれぞれに自分の意思で行動している。
今作はなかなかの名作です。
>今作はなかなかの名作です。
そうですね。
従来の信長、秀吉視点のドラマよりも対立図式が丁寧に描かれているのは、狭間にあって引き裂かれている光秀が中心だからなのでしょうね。
従来型だと、精々「信長包囲網」くらいにしか描かれない敵対勢力の描写が充実しています。
摂津晴門や覚恕などは、これまでほとんど取り上げられさえしない存在でしたが、敵役として大活躍。
おそらくは今後の武田信玄も。
片岡鶴太郎さん、春風亭小朝さんは演じていて楽しいでしょうね。
「丸薬転売少年」の死は、やはり光秀と駒との間に影を投げかけましたが、まあこの程度でしょう。
今回も「何とか仲を取り持ちたい光秀」と駒との協力関係はかろうじて成り立ちましたが、これからどうなるのでしょうね。
義昭も、そろそろかつての「善良な僧侶・覚慶」ではなくなってきました。
ところで、今回玉が少女ながら結構存在感を示していました。
彼女の役割がどこまでなのかが気になります。
何度も言いますが、玉が「ガラシャ」となるのは本能寺以後のことです。
物語は「本能寺後」も続くのでしょうか。
まあ、天海展開はないとは思いますが。
いつもありがとうございます。
そうなんですよね。
今までは「信長包囲網」くらいの描写で留まっていたのですが、今作はいろいろな因果が絡み合って「信長包囲網」が出来ていく過程が描かれていて、一歩踏み込んでいるんですよね。
光秀を主人公にした理由はここにあったのか、という感じです。
今後も戦国時代を描くのなら、このくらい踏み込んで描いてほしいです。
片岡鶴太郎さんの濃い演技は「半沢直樹」を意識しているのかもしれません。
現在は濃い演技がトレンド?
玉もしっかり描写されましたね。
「父上はやむを得ずいくさをしている。悪いのは父上ではない」
これで光秀はずいぶん救われたことでしょう。
玉の怪我→東庵先生のもとへ・駒との出会い→今井宗久のもとへ・松永久秀と筒井順慶のいくさの調停。
ご都合主義とも言えますが、スムーズなストーリー展開ですよね。
今作は駒(=オリジナルキャラ)が要所要所でうまく機能しています。