平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

相棒14 「キモノ綺譚」~人間の心とは弱いもの。何かのきっかけで簡単に壊れてしまう

2015年12月03日 | 推理・サスペンスドラマ
 今回は、西原亜希さんが大変だっただろうな~。
 何しろ3つの人格を演じ分けなければならないのだから。
 特に3人目の人格は……。
 ラストでゲームに興じる姿は、おおっ! 西原さん、よくやる! と思ってしまった。

 それにしても、多重人格かぁ。
 多重人格と言えば、ヒッチコックの『サイコ』やデパルマの『殺しのドレス』なんだけど、今回のエピソードは、『サイコ』を換骨奪胎した感じ。
 『サイコ』は、母親を殺してしまったことを認めたくない息子が、母親の人格を持ってしまう話。
 で、今回の『相棒』は、双子の姉を殺してしまったことを認めたくない妹が……という話。
 『相棒』もそろそろネタ切れ?

 まあ、それなりの〝ひねり〟はあるんですけどね。
 愛と幸子の部屋は、和と現代風が入り交じって無気味でしたし、3人目の人格というオチもあった。
 母親が多重人格を生みだし、育むことに重要な役割を果たしていたというのも、ひとひねり。
 筆跡でだませても、指紋ではだませない、というのもなかなか。

 それにしても、人間の心って不思議ですね。
 愛の心は、幸子を殺したことで<破壊>されてしまったんですけど、同時に幸子の人格をつくり出すことで<修復>しようとした。
 その修復方法は、おそらく歪んだものなのでしょうが、これ以上の心の破壊をもたらさないために、辻褄合わせを必死におこなった。
 しかし、幸子を殺してしまったという心のトゲは抜けない。
 本来なら、自分の罪を認めることで浄化されるのでしょうが、それをしなかったために不自然に歪んでしまった。

 人間の心とは弱いもの。
 何かのきっかけで簡単に壊れてしまう。
 だが、同時に修復しようともする。
 人間の心は、多重人格者でなくても、多かれ少なかれ歪んでいるものだと思いますが、自分の心がどんなふうに歪んでいるかは常に検証して生きていきたいですね。


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