平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

「光る君へ」 第23回「雪の舞うころ」~ただの面白い叔父さん……。宣孝、まひろにまったく相手にされていない……笑

2024年06月10日 | 大河ドラマ・時代劇
 宣孝叔父(佐々木蔵之介)、まったくまひろに相手にされていない……。
「会うたびにお前はわしを驚かせる」
「この生うににはわたしも驚かされました」
「わしの人生はこれで落ち着いたと思っていた。
 されど、お前と会うと違った世界が垣間見える。
 新たな望みが見える。未来が見える。まだまだ生きていたいと思ってしまう」
「まだまだ生きてわたしを笑わせてください」

 宣孝叔父、可哀想……。
 都の流行のコスメを持って来ても、まひろが食いつくのは書物……。
 それとなく思いを語っても、まひろが関心があるのは生うに……。

 ある程度公を成し遂げた中年男の悲哀ですね。
 人生の折り返し地点に来て空虚に囚われていた時、現われた面白え女。
 まひろといると世界がイキイキとして来る。
 宣孝はもう一度、青春を取り戻したかった。
 
 で、宣孝叔父、あまりに伝わらないものだから最後はストレートに告白。
「都へ戻って来い。わしの妻になれ」

 さて、この先、どう描く?
 史実だと、紫式部が越前にいたのは1年くらいで都に帰って宣孝と結婚してしまうのだが、
 今まで積み上げて来たものの整合性が取れなくなってしまう。
 まひろは「越前で父上を助ける」と言っていたし、
「越前で生まれ変わる」と道長(柄本佑)に語った。
「宋に行ってみたい」という思いも心の隅にあるだろう。

 今まで順調に描いて来た物語に破綻の予感が……。
 さて、この先、どう描く?
 ……………………………………………………………………………………

 帝(塩野瑛久)の定子(高畑充希)への思いは続いていた。
 会えないことで、逆に思いは募る。
 元子(安田 聖愛)など、他の女御には興味がない様子。

 定子は過去に生きている。
 楽しかった日々を描いた清少納言(ファーストサマーウィカ)の文章を読んで、
「あの頃がそなたの心の中にいきいきと残っているのであれば、わたしもうれしい」

 さて、この先、どう描く?
 ……………………………………………………………………………………

 越前では人物像が逆転。

 石に頭をぶつけて死んだ通詞・三国若麻呂(安井順平)は賄賂を要求していた。
 朱仁聡(浩歌)は日本との交易の道を開く宋の密使だった。
 介の源光雅(玉置孝匡)はそれに気づき、阻止しようとしていた。
 周明(松下洸平)はポスト直秀(毎熊克哉)ではなく、宰相の侍医になるために
 まひろを利用しようとしている。「俺を信じるな」とは言っていたが……。

 善悪は相対的なものだが、善のイメージの人物が悪に、悪のイメージの人物が善に。

 都では詮子(吉田羊)が道長の「想い人」について知ってしまった。
 詮子なら誰であるか、調べるよね!笑
 倫子(黒木華)に話すかもしれないよね!笑
 さて、どうなる?

 というわけで、今回はすべてがこんがらがってしまった。
 こんなに、こんがらがって大丈夫なのだろうか?
 きれいに解くのは大変だぞ。
 特にまひろの結婚をどう描くのか?

 脚本・大石静さんの腕の見せ所である。


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6 コメント

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焼き餅? (TEPO)
2024-06-10 17:27:57
>善のイメージの人物が悪に、悪のイメージの人物が善に。
先週の私の予想、見事に引っかかってしまい、いっそ清々しいほどです。
そうした中、「朱仁聡もひとクセありそう」とのコウジさんの直感、流石でした。
源光雅についての先週の描写は「絵に描いたような悪代官」のイメージでしたが、むしろそうした「絵に描いたような」描写が出てきたらひっくり返される可能性があるというのが「大石流」なのかもしれないと学びました。

「X」では「国際ロマンス詐欺師」とまで言われている周明ですが、彼がまひろを「利用」してやろうと思った背景には、まひろが「あの人」呼ばわりした左大臣道長に対する「焼き餅」があったのかもしれません。
いずれにしても、周明の人物像には今後「もう一捻り」あるような気がしており、展開次第で「非業の死」という可能性も捨てていません。

>「都へ戻って来い。わしの妻になれ」
まひろにしてみれば、思ってもいないところからミサイルが飛んできた感じでしょう。
宣孝は幼少の頃から父とともに自分を可愛がってくれていた「おじさま」。
まひろは「鈍感」という以前に、彼女には宣孝が「男性」であるという事実すらまったく意識に無かったことでしょう。

気になるのは、「あいつと宋の国などに行くなよ」という言葉、そして最初に周明に会った時に向けた鋭い視線の意味です。
これを単なる「焼き餅」と解するのか、それとも細かい事情は一切抜きにして周明という人物のうちにまひろにとっての「危険性」を直感したと解するのか。
もしも後者だとするならば、そうした宣孝の「鋭さ」の中に一挙に人物としての深みが加わることになります。
この方向の理解を推し進めると、宣孝の求婚には「まひろを守るため」という意味もあったと解することもできるように思います。
無論、宣孝がまひろの中に女性としての魅力を見出していたことには変わりありませんが。

>こんなに、こんがらがって大丈夫なのだろうか?
今回「斜め上」展開の技を見せつけられたので、私は大石脚本の技倆を信じることにしています。
必ずや、見事に収めてくれると思います。

今回、特に印象的だったのは詮子様。
自分が夫の心を捉えられなかった理由を真剣に考え、また道長の「想い人」の件については純粋に「仲の良い姉」として好奇心を示す。
「女策士である女院様」の顔とは打って変わって、何とも「可愛い女性」としての顔を示していました。
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日宋関係 (2020-08-15 21:07:49)
2024-06-11 07:50:45
源光雅ですが、わたしの読みは外れましたね。
光雅やその一派が船の修理代をネコババしていて、証拠を握った通詞を手にかけた、といったあたりを想像していたんですが。

それにしてもまひろパパの裁きは大したものです。さすが越前守です(笑)。
宋人を警戒すべきといっても、冤罪は許されないと謹慎を命じ、光雅もその言葉に従いました。このまひろパパの「筋を通す姿勢」がなかなかですし、従う光雅もさすがです。

ただ、今回の展開は、宋が王朝として日本に貿易を求めていると解釈できますが、ちょっと微妙かもしれないと、そんな感じもします。
時代背景を考えても、このころの宋は、統一王朝になったばかりです。おまけに社会変革の時代でした。貴族が滅び、科挙官僚が政治に携わるようになりました。遼や金のような北方異民族の脅威もあり、いろいろ忙しい時代だったわけです。
そんな中で、宋が国家として日本に目を向けていたかというと、そこまでの余裕はなかったと考えるのが自然だと思います。
そもそも宋朝は、朝貢よりも民間貿易重視で、民間貿易のバックアップが基本姿勢だったと言われていますし、近年の歴史研究では、宋は貿易相手として東南アジアに着目していたのではないかとする説もあります。
なので、歴史を考えると、ちょっと無理のある設定かもしれないと思うことはあります。

まあ、来週はまた違った展開で見せてくれるかもしれませんし、下手なことは考えずにワクワク待つのもいいかもしれません。
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宣孝、詮子の人生の悲哀 (コウジ)
2024-06-11 11:16:10
TEPOさん

いつもありがとうございます。

宣孝叔父は、まひろが他の男といると間に入って邪魔するんですよね。
まひろが三郎だった頃の道長と話していた時も「お前は誰だ?」と言って間に入りました。
この段階でも無意識にまひろを意識していたのかもしれませんね。
今回、宣孝は「もう一度若さを」「もう一度青春を」みたいな発言をしましたが、中年、壮年の悲哀をさらに掘り下げてもらいたいと思います。

>夫の心を捉えられなかった理由を真剣に考え
僕も詮子のここを掘り下げようと思っていたのですが、これも人生の悲哀ですよね。
・自分はなぜ帝に熱烈に愛されなかったのか?
・自分に何が欠けていたのか?
・愛されるとはどういうことなのか?
詮子も掘り下げると面白い人物ですが、宣孝同様、どこまで掘り下げられるか、楽しみです。

大河ドラマは、話が進むにつれ登場人物が多くなって掘り下げが浅くなる。
これが大河ドラマの抱える難しさなのですが、今作は今までこれが上手くいっていた作品でした。
さて、これからは?
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朝廷が交易を拒む理由 (コウジ)
2024-06-11 11:48:18
2020-08-15 21:07:49さん

いつもありがとうございます。

光雅は宋人の思惑を察知して妨げようとしていた。
まひろもつぶやいていましたが、朝廷が異国との交易を頑な拒む理由は何なんですかね?

・異国との交易で利益を得る者が出て地方の力が強くなると困るから?
・異国人に対する恐れ。戦乱の難民が入って来ると困るから?
・唐が衰退して学ぶべきものがなくなったから?
 菅原道真が遣唐使をハクシ(894)に戻した理由はこれみたいですね。

これらを掘り下げると、まひろの心情や時代がより深くなりそうです。

宋については、前回の添付動画でも、宋は「国どうしの貿易に興味がなかった」と紹介していましたが、現在でも与党と野党がいるように、国論は必ずしもひとつではなく、国どうしの貿易が必要だと考えた政治家がいたのかもしれませんね。
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中世と近世 (2020-08-15 21:07:49)
2024-06-13 01:50:45
>まひろもつぶやいていましたが、朝廷が異国との交易を頑な拒む理由は何なんですかね?

日本は衰退の一途をたどる唐から学ぶことがなくなって遣唐使をやめました。ただ、宋になってから中国はがらりと変わり、それも日本の首脳部は認識していたでしょう。でも、宋と交流したいという雰囲気にはならなかったわけです。なぜなのか?

このあたり、中世と近世の違いが影響していると思います。ずばり、日本はまだ中世でしたが、中国はもう近世に入っていました(オススメ動画でも触れていましたね)。
中国は宋朝になってから貴族政治がなくなり科挙の時代になり、大貴族の大規模な土地所有もなくなります。その代わりに地主階層は出現しますが、貴族と違って、ファミリーの誰かが科挙に受からない限り権力は持ちえません、また権力を持ったとしても世襲できません。
つまり「近世」になったわけですが、日本ではまだ「中世」が続き、貴族制度も荘園経済も健在です。そういう状況下で宋と交流すれば、世襲貴族や荘園が未だに続く日本の貴族社会が根底から揺さぶられる可能性もあるわけです。

道長は、恐らく貴族社会を守る道を選んだ、そしてそれは科挙に代表される開かれた社会にあこがれるまひろの考えとは食い違っていく、という展開かもしれません。
ちなみに鎌倉時代室町時代も、武士の時代ではあっても荘園は健在なので、荘園的社会は継続していたと考えるべきでしょう。

もっとも、わたしは「当時の宋朝は日本にはあまり着目していなかった」とする考えですが、もし物語として、道長はかたくなに交易を拒んだが、朱は日本との交易を開くべく宋朝の密命を受けていた、という展開にするならば、理由はそんな風につけたいと思います。

道長:今この国を開くわけにはいかないんだ。宋は余りにも進みすぎている。今の日本を宋に開いたら、国を底から壊されるかもしれないんだ。
まひろ:どうしてそんなことを言うの、世の中を変える、よきまつりごとを為す、そう話したはずじゃないの、どうして…
道長:分かってくれ、まひろ、仕方がないんだ。
まひろ:あなたも、変わってしまったのね…

場所は例の廃屋、BGMは、ラフマニノフのピアノ協奏曲の3番の第1楽章の冒頭風の曲で合わせるとしっくりくるかもしれません。

もっとも、ストーリーとしては少し難易度が上がるので、大河にはちょっと無理かなあ、とも思います。
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なるほど! (コウジ)
2024-06-13 11:26:02
2020-08-15 21:07:49さん

なるほど! 納得です!
道長とまひろの寸劇もいいですね!
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