嘉納治五郎(役所広司)の人生、面白かっただろうな。
面白かったことは? と聞かれて、
「羽田」
「ストックホルム」
「ロサンゼルス」
と次々とオリンピック絡みの話が出て来る。
しかし、一番面白かったことがなかなか出てこない。
治五郎は「羽田」にも「ストックホルム」にも「ロサンゼルス」にも満足していないのだ。
だが、外交官の平沢和重(星野源)に
「一番は東京オリンピックじゃないですか?」
と指摘されると、我が意を得たりで、
「これから一番面白いことをやるんだ! 東京で!」
「みんなが驚く、みんなが面白いオリンピックを見事にやってのける! これこそ一番!」
うん、幸せな人生だ。
東京オリンピックのあり方については迷うこともあったが、最後まで夢や面白いことを追い続けていた。
田畑政治(阿部サダヲ)が指摘したとおり、あのまま東京オリンピックをやれば、軍や政治が関与する国威発揚の『楽しくないオリンピック』になっただろうが、治五郎は東京オリンピック開催にこだわった。
カイロのIOCの総会では
「オリンピックと政治が無関係だということを示してみせます! 信じて下さい!」
と最後の大風呂敷を広げた。
そして、最終的にたどり着いたオリンピック像は──
『みんなが驚く、みんなが面白いオリンピック』
この治五郎の思いは田畑政治に引き継がれた。
『みんなが驚く、みんなが面白いオリンピック』は1964年、田畑政治によって成し遂げられるのだろう。
見事な作劇ですね。
『1940年の東京オリンピック中止』と『治五郎の死』と『田畑への引き継ぎ』がドラマチックに繋がった。
政治がオリンピックに関与することに抵抗した治五郎や田畑。
田畑は「ダメだ、こんな国でオリンピックをやったって! オリンピックに失礼です!」と突っぱねたが、
治五郎は「オリンピックと政治が無関係だということを示してみせます! 信じて下さい!」と突き進もうとした。
方向は180度違うが、ふたりの東京オリンピックにかける思いは同じ。
目指すは、政治がオリンピックに関与しない『楽しいオリンピック』!
治五郎の棺に掛けられたのは『日章旗』ではなく『五輪旗』だった。
治五郎の生涯はオリンピックだったのだ。
※追記
2020年の東京オリンピック。
応援で旭日旗を使うことを大会組織委員会は許可したらしいが、ダメでしょう。
旭日旗を持ち込もうとしている連中はあきらかに政治的な意図を持っている。
『表現の不自由展』の愛知トリエンナーレへの補助金を文化庁は中止したらしいが、国が芸術に○☓をつけたらダメでしょう。
最近、国がスポーツや芸術に関与している。
そんなの楽しくないじゃんねえ!
面白かったことは? と聞かれて、
「羽田」
「ストックホルム」
「ロサンゼルス」
と次々とオリンピック絡みの話が出て来る。
しかし、一番面白かったことがなかなか出てこない。
治五郎は「羽田」にも「ストックホルム」にも「ロサンゼルス」にも満足していないのだ。
だが、外交官の平沢和重(星野源)に
「一番は東京オリンピックじゃないですか?」
と指摘されると、我が意を得たりで、
「これから一番面白いことをやるんだ! 東京で!」
「みんなが驚く、みんなが面白いオリンピックを見事にやってのける! これこそ一番!」
うん、幸せな人生だ。
東京オリンピックのあり方については迷うこともあったが、最後まで夢や面白いことを追い続けていた。
田畑政治(阿部サダヲ)が指摘したとおり、あのまま東京オリンピックをやれば、軍や政治が関与する国威発揚の『楽しくないオリンピック』になっただろうが、治五郎は東京オリンピック開催にこだわった。
カイロのIOCの総会では
「オリンピックと政治が無関係だということを示してみせます! 信じて下さい!」
と最後の大風呂敷を広げた。
そして、最終的にたどり着いたオリンピック像は──
『みんなが驚く、みんなが面白いオリンピック』
この治五郎の思いは田畑政治に引き継がれた。
『みんなが驚く、みんなが面白いオリンピック』は1964年、田畑政治によって成し遂げられるのだろう。
見事な作劇ですね。
『1940年の東京オリンピック中止』と『治五郎の死』と『田畑への引き継ぎ』がドラマチックに繋がった。
政治がオリンピックに関与することに抵抗した治五郎や田畑。
田畑は「ダメだ、こんな国でオリンピックをやったって! オリンピックに失礼です!」と突っぱねたが、
治五郎は「オリンピックと政治が無関係だということを示してみせます! 信じて下さい!」と突き進もうとした。
方向は180度違うが、ふたりの東京オリンピックにかける思いは同じ。
目指すは、政治がオリンピックに関与しない『楽しいオリンピック』!
治五郎の棺に掛けられたのは『日章旗』ではなく『五輪旗』だった。
治五郎の生涯はオリンピックだったのだ。
※追記
2020年の東京オリンピック。
応援で旭日旗を使うことを大会組織委員会は許可したらしいが、ダメでしょう。
旭日旗を持ち込もうとしている連中はあきらかに政治的な意図を持っている。
『表現の不自由展』の愛知トリエンナーレへの補助金を文化庁は中止したらしいが、国が芸術に○☓をつけたらダメでしょう。
最近、国がスポーツや芸術に関与している。
そんなの楽しくないじゃんねえ!
しかし、ドラマとしては今回の方が前回よりも遙かに盛り上がったように感じます。
特に、これまで個人的には余り共感できなかった田畑政治でしたが、苦悩する姿を見て少し共感できるようになった気がします。
例によって「アレ」「コレ」「ナニ」しか出てこない政治の台詞、私は何を言っているのか見当もつきませんでしたが、菊枝さんはちゃんと理解しているようでしたね。
しかし、彼女の返事も「分かってますよ。ナニでしょ」(笑)
きゅうり尽くしの食卓で「カッパのマーチャンに戻って欲しい」、つまり自分を取り戻して欲しい、ということだけは私にも分かりましたが。
>「ダメだ、こんな国でオリンピックをやったって! オリンピックに失礼です!」
悩んだ末の結論はこれだったんですね。
この台詞、2020年東京オリンピックに向けられた言葉として受け止めて欲しいですね。
見ていたのはわずかに5.7%ですが。
>「オリンピックと政治が無関係だということを示してみせます! 信じて下さい!」
治五郎先生としてはこう言う他は無かったのでしょうね。
そして、今回を見る限り「良いときに亡くなった」と感じさせられます。
ところで、もう一人の「主人公の妻」スヤさんは、鈍感な夫とは違って小松青年のりくへの思いに気づいています。
それにしても「小松勝は、盛りのついた肥後もっこすばい!」とは。(笑)
来週あたり、二人は結婚して「五輪の夢かなわざりし一族代表」五りんの誕生につながるのでしょうね。
いつもありがとうございます。
今回は『いだてん』が集約されたエピソードでしたよね。
・治五郎から田畑への正式な引き継ぎ。
・1940年の東京オリンピックの挫折と1964年の東京オリンピックへの思い。
・作品がテーマにしているオリンピック観。
・金栗四三のオリンピックを奪われることの苦悩。
何だかんだ言って、治五郎はこの作品の要だったんですよね。
女性陣はたくましい。
菊枝さんもスヤさんも、夫よりも物事の本質を理解している。
マリーははずれる占いで物事を理解し、小泉今日子さん演じる美津子はなぜか化粧が濃いキャラに(笑)
次回は小松君とりくちゃんがつらいことになりそうですね。
そして、すべての登場人物の思いが集約される1964年の東京オリンピック。
これは感動的なものになりそうですね。