平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

相棒18 「檻の中~告発」~復讐か、告発か? 生か、死か? 犯人たちの葛藤が描かれて、ひさしぶりの秀作!

2019年12月12日 | 推理・サスペンスドラマ
 先週の前編はダルかったが、今回の後編はお見事!
 ひさしぶりの秀作でした。
 以下、ほとんどネタバレ。

 まず動機が三者三様。

 ひとりは科学者の良心。
 ひとりは妻がテロ(=日本の技術でつくられた兵器)で殺されたことへの復讐。
 ひとりは愛する人を守るため。

 3人の動機が絡み合っている所がいい。
 特に3人目の准教授・高瀬佳奈恵(中村優子)の動機は、最初は『お金のため』と思わせておいて、実は『愛する人を守るため』だったと上手く捻っている。
 …………

 復讐も上手く裏切っていた。
 ドローン爆弾で武器を作った会社を襲うのかと思っていたら、ドローンは皆藤教授(中村育二)のもとへ。
 皆藤教授は、不作為とはいえドローン兵器開発に手を貸してしまったことに悩み、武器製造会社を告発して罪を償おうとした。
 ここで言う「罪を償う」とは告発してドローン爆弾で自ら死ぬということだ。
 …………

 犯人たちの葛藤もしっかり描かれていた。

 復讐か? 告発か?
 ドローンで武器製造会社を襲えば復讐できるのにそれをしない。
 告発に関しては、普通の告発ではインパクトがないので、自らの爆死で告発しようとする。

 生か? 死か?
 雑誌記者・桝本修一(山崎樹範)は皆藤教授をこのまま爆弾で殺していいのかと葛藤していたし、高瀬佳奈恵も迷っていた。

 こんなふうに登場人物たちが葛藤している作品っていいですよね。
 敢えて言うと、加藤教授たち、罪に問えるのかな?
 やったことは、『復讐』ではなくて『告発』。
 ドローンに爆弾を積んで飛ばしたことは罪になりそうだけど。

 AIのロボットと鏡を使ってパスワードを盗むトリックもなかなか。

 右京さん(水谷豊)と皆藤教授の会話もいろいろ考えさせられる。
「大きなものを止めるには血を流すしかない」
「血を流すことから戦争や紛争が始まるんですよ!」

 あとは、3人と個人の名前。
 上から人間を見下ろしているやつらには、ただの「海外ボランティアの3人」でしかないが、3人にはそれぞれ名前があり、家族や友人がいて人生がある。
 人間を数字で見るやつらは傲慢ですね。
 そこには良心の呵責や痛みが伴わない。


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