「この国では役人も武士も商人も同じ!
世の中はこうでなくちゃならねえ!
この理(ことわり)こそ日の本に移さねば!」
篤太夫(吉沢亮)、すっかりフランスやヨーロッパの国々が気に入った様子。
だから毎回ツッコむが、攘夷はどこに行った?笑
まあ、この「風通しのいい社会」こそ篤太夫が求めていたものなんですね。
今の篤太夫は水を得た魚。
どんどん西洋社会のいい所を吸収している。
たどたどしいがフランス語で意思を伝えられるようになり、
フランスの高官とも親しくなった。
マゲを着ることにも、洋装にも何のこだわりもない。
これに比べて同行の水戸藩士は……。
自分の価値観だけにこだわり、心を閉じて拒絶している。
ここは人間の対照的なふたつのタイプが見られて面白い。
さあ、篤太夫、次は何を見る?
……………………
国内では、慶喜(草彅剛)と薩摩が駆け引き。
フランスとの借款が得られず近代装備を揃えられなければ、幕府はジリ貧。
第二次長州征伐の時のように、いくさで薩摩に負けるかもしれない。
そうすれば幕府の権威は失墜し、日和見の大名が薩摩に荷担して反幕府勢力が増える。
そこで考え出した起死回生の秘策は──「大政奉還」。
帝を中心とした合議制の政権をつくり、慶喜がその中枢で政治をおこなう。
こうすれば薩摩は手を出せない。
なぜなら徳川を排除することは帝に弓引くことになるからだ。
同時に「大政奉還」には、不要な内乱を避けるという意味もある。
おおっ、慶喜さん、何という深謀遠慮!
しかし、ここでダークホースが登場した。
岩倉具視(山内圭哉)だ。
岩倉は慶喜を排除して、自分と薩摩が新政権で力をふるいたいと考えている。
この岩倉と同様に慶喜を排除したいのが、西郷吉之助(博多華丸)だ。
西郷が企むのは、徳川の挑発だ。
徳川を挑発して、いくさに持ち込む。
江戸では慶喜の「大政奉還」に怒っている者が多いし、簡単に火がつきそう。
いくさになれば、長州もいるし、薩摩が勝つ公算が大きい。
岩倉は「錦の御旗」を作成して、徳川を「朝敵」にすべく動いている。
まさに権力闘争ですね。
「帝の奪い合い」でもある。
日本の歴史は、誰が帝を味方にするか、で展開される。
つまり帝を味方にした者が権力を握る。
昭和の戦争指導者たちは天皇の権威のもとに戦争を遂行し、権力をふるっていた。
だから戦後、天皇が「日本国民の統合の象徴」になったことは妙案であろう。
天皇が「君主」になった時点で、天皇は権力者に利用される。
だからかつて自民党が提出した憲法草案は危うい。
天皇家も自分たちがふたたび「君主」の座に祭り上げられることを望んでいないだろう。
自分たちが政治に利用されることを良しとしないからだ。
もっとも今回のオリンピックの開会式には出席されるようだが、菅義偉がゴリ押ししたのだろう。
小御前会議では山内容堂(水上竜二)が論陣を張った。
「公平無私な慶喜をこの場に呼ばないのはおかしい!」と薩摩と岩倉を圧倒。
越前の松平春嶽(要潤)もこれに同調した。
大河ドラマで、こんなふうに山内容堂がフューチャーされるってめずらしい!
坂本龍馬や高杉晋作は出て来ないし、
西郷や薩摩は「西郷どん」を完全に否定して悪者にしているし、
作家やスタッフのこだわりを感じる。
※追記
坂本龍馬や高杉晋作が出て来ないのは、反・司馬遼太郎を意識しているのかな?
でも、慶喜の人物像は司馬遼太郎史観。
今回のタイトルも「最後の将軍」だし。
山内容堂といい、司馬遼太郎の中短編は意識しているのかもしれない。
今回の徳川家康(北大路欣也)は意味があった。
大政奉還にあたって、台詞は少なく、表情で徳川の終わりを語る。
その心中は、言葉に出来ない、さまざまな思いが入り交じったものだろう。
世の中はこうでなくちゃならねえ!
この理(ことわり)こそ日の本に移さねば!」
篤太夫(吉沢亮)、すっかりフランスやヨーロッパの国々が気に入った様子。
だから毎回ツッコむが、攘夷はどこに行った?笑
まあ、この「風通しのいい社会」こそ篤太夫が求めていたものなんですね。
今の篤太夫は水を得た魚。
どんどん西洋社会のいい所を吸収している。
たどたどしいがフランス語で意思を伝えられるようになり、
フランスの高官とも親しくなった。
マゲを着ることにも、洋装にも何のこだわりもない。
これに比べて同行の水戸藩士は……。
自分の価値観だけにこだわり、心を閉じて拒絶している。
ここは人間の対照的なふたつのタイプが見られて面白い。
さあ、篤太夫、次は何を見る?
……………………
国内では、慶喜(草彅剛)と薩摩が駆け引き。
フランスとの借款が得られず近代装備を揃えられなければ、幕府はジリ貧。
第二次長州征伐の時のように、いくさで薩摩に負けるかもしれない。
そうすれば幕府の権威は失墜し、日和見の大名が薩摩に荷担して反幕府勢力が増える。
そこで考え出した起死回生の秘策は──「大政奉還」。
帝を中心とした合議制の政権をつくり、慶喜がその中枢で政治をおこなう。
こうすれば薩摩は手を出せない。
なぜなら徳川を排除することは帝に弓引くことになるからだ。
同時に「大政奉還」には、不要な内乱を避けるという意味もある。
おおっ、慶喜さん、何という深謀遠慮!
しかし、ここでダークホースが登場した。
岩倉具視(山内圭哉)だ。
岩倉は慶喜を排除して、自分と薩摩が新政権で力をふるいたいと考えている。
この岩倉と同様に慶喜を排除したいのが、西郷吉之助(博多華丸)だ。
西郷が企むのは、徳川の挑発だ。
徳川を挑発して、いくさに持ち込む。
江戸では慶喜の「大政奉還」に怒っている者が多いし、簡単に火がつきそう。
いくさになれば、長州もいるし、薩摩が勝つ公算が大きい。
岩倉は「錦の御旗」を作成して、徳川を「朝敵」にすべく動いている。
まさに権力闘争ですね。
「帝の奪い合い」でもある。
日本の歴史は、誰が帝を味方にするか、で展開される。
つまり帝を味方にした者が権力を握る。
昭和の戦争指導者たちは天皇の権威のもとに戦争を遂行し、権力をふるっていた。
だから戦後、天皇が「日本国民の統合の象徴」になったことは妙案であろう。
天皇が「君主」になった時点で、天皇は権力者に利用される。
だからかつて自民党が提出した憲法草案は危うい。
天皇家も自分たちがふたたび「君主」の座に祭り上げられることを望んでいないだろう。
自分たちが政治に利用されることを良しとしないからだ。
もっとも今回のオリンピックの開会式には出席されるようだが、菅義偉がゴリ押ししたのだろう。
小御前会議では山内容堂(水上竜二)が論陣を張った。
「公平無私な慶喜をこの場に呼ばないのはおかしい!」と薩摩と岩倉を圧倒。
越前の松平春嶽(要潤)もこれに同調した。
大河ドラマで、こんなふうに山内容堂がフューチャーされるってめずらしい!
坂本龍馬や高杉晋作は出て来ないし、
西郷や薩摩は「西郷どん」を完全に否定して悪者にしているし、
作家やスタッフのこだわりを感じる。
※追記
坂本龍馬や高杉晋作が出て来ないのは、反・司馬遼太郎を意識しているのかな?
でも、慶喜の人物像は司馬遼太郎史観。
今回のタイトルも「最後の将軍」だし。
山内容堂といい、司馬遼太郎の中短編は意識しているのかもしれない。
今回の徳川家康(北大路欣也)は意味があった。
大政奉還にあたって、台詞は少なく、表情で徳川の終わりを語る。
その心中は、言葉に出来ない、さまざまな思いが入り交じったものだろう。
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