平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

AKB48「桜からの手紙」のドラマ的意義

2011年03月05日 | アイドル
 今回は「桜からの手紙」のドラマ的意義について考えてみます。

★まず、10分フォーマットの連続ドラマという形式
 この形式が成り立てば、テレビドラマは随分作りやすくなりますね。
 まず、制作費が安くて済む。
 深夜枠なら提供料も安くて、スポンサーも乗りやすい。
 また、DVD商売にも有利。
 何しろ10分のぶつ切りドラマなので、ユーザーはひとつにまとめたDVDバージョンを見たくなるし、買いたくなりますからね。それがAKBのようなアイドルものなら尚更。
 この「桜からの手紙」のオンエアは、なかなか野心的な実験だと思います。

★また、このオンエアはAKB的にもメリット。
 夜、サラリーマンが家に帰って何気なくテレビを見たら「桜からの手紙」をやっていて、AKBの誰かのファンになる。
 主題歌がそれこそ毎日ヘビーローテーションされるから、曲が大きく認知される。
 週に一回の1時間ドラマで、主題歌を流されるより効果的。

 また、これは業界のドラマ関係者へのAKB48のプレゼンでもある。
 つまり、「AKBにはこんな可愛い子がいて、演技がこれくらい出来る子がいるんですよ。ぜひ使って下さい」とプレゼンしている。
 今年になって、個人露出、ユニット露出が多くなったAKB48だが、これはおそらく秋元康さんを始めとするAKBスタッフの仕掛けた戦略であろう。
 個人やユニットの露出を多くして、AKBを知らない一般の人に新しいファンになってもらい、それがAKB48全体のファンになる。
 多分、そういう戦略。
 今回の「桜からの手紙」のオンエアで、メンバーのドラマ出演へのオファーが、前田敦子さん、大島優子さん、篠田麻里子さん以外にも来るだろう。
 ジャニーズのアイドルたちも数多くドラマ出演しているが、これはアイドル活動である程度人気が出て、ドラマに起用されるというパターンがほとんど。
 しかし、AKBの場合は自分で10分の深夜ドラマを仕掛けてプレゼンしている。

 「桜からの手紙」のオンエアは、アイドルプロデュースという点でも野心的な実験だと思います。

 なお、この作品は本日と明日もオンエア。
 未見の方もぜひご覧になって下さい。
 ストーリーはシンプルなので、途中から見てもわかります。


※追記
 一応、10分フォーマットのデメリットについても書きます。
 やはり、このフォーマットだと、内容がどうしてもダイジェストになってしまい、ドラマ的には薄くなってしまうというマイナスはありますね。
 しかし現在オンエアされている1時間ドラマの一部は、内容がスカスカで、無駄なシーンばかりが多いものがありますし。
 忙しい現代、1時間のドラマをじっくり見ているヒマもありませんし。
 10分ぐらいの形式が逆に時代に合っているのかもしれません。
 それを裏づけるのがBeeTVなどの携帯のドラマ配信。いずれも1話5~10分のフォーマット。
 そういえばCMでも「モバゲー」とか「白土家のソフトバンク」とかドラマ形式が花盛り。これは何と1話30秒。



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