漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

横内愛弓さん 全国ツアー

2020-02-15 17:08:33 | 雑記

 5月からピアニストの横内愛弓さんの全国ツアーが始まります。きょうは東京公演(5/31)のチケットの発売開始日だったのですが、無事、ゲットできました。 ^^

 予定の演目はショパンの舟歌、別れの曲、ベートーベンの月光などなど。まだちょっと先ですが、とても楽しみです。^^

 


古今和歌集 0107

2020-02-14 19:54:25 | 古今和歌集

ちるはなの なくにしとまる ものならば われうぐひすに おとらましやは

散る花の なくにしとまる ものならば われ鶯に おとらましやは


典侍洽子

 

 なくことで花の散るのが止まるものならば、私は鶯に劣ることはないだろうに。

 「なく」は鶯が「鳴く」と作者自身が「泣く」の両方の意味。花が散るのを惜しんで鶯も鳴くし作者も泣くけれど、自分の方が落花を惜しむ気持ちが強いのだから、「なく」ことで散るのが止まるものだとしたならば、落花を止めることにかけては自分の方が鶯に勝るとの想い。ちょっとひねった表現で、自分が花が散るのをいかに強く惜しんでいるかを歌っています。

 作者の典侍洽子(ないしのすけあまねいこ)は、清和、陽成、光孝、宇多、醍醐の五代の天皇に仕えた女官にして歌人。古今和歌集への入集はこの一首のみです。

 


古今和歌集 0106

2020-02-13 19:51:52 | 古今和歌集

ふくかぜを なきてうらみよ うぐひすは われやははなに てだにふれたる

吹く風を 鳴きてうらみよ 鶯は 我やは花に 手だにふれたる


よみ人知らず

 

 鶯よ、恨むなら吹く風を恨みなさい。私は花に手を触れてもいないのだから。

 花が散るのは作者のせいだと思って鶯が鳴いていると見立て、そうではなくて風が吹いているからなのだよと鶯に語りかける。発想の妙ですね。


古今和歌集 0105

2020-02-12 19:49:54 | 古今和歌集

うぐひすの なくのべごとに きてみれば うつろふはなに かぜぞふきける

鶯の 鳴く野辺ごとに 来て見れば うつろふ花に 風ぞ吹きける


よみ人知らず

 

 鶯が鳴いているあちこちの野辺に来てみると、散りゆく花に風が吹きつけている。

 ここから 0110 まで、花が散るのを惜しんで鳴く鶯の歌が続きます。


古今和歌集 0104

2020-02-11 19:33:01 | 古今和歌集

はなみれば こころさへにぞ うつりける いろにはいでじ ひともこそしれ

花見れば 心さえにぞ うつりける 色には出でじ 人もこそ知れ


凡河内躬恒

 

 花を見ると心までうつろってしまうものだ。だがそれを顔色には出すまい。出せばあの人に知られてしまうから。

 春の歌と言うより恋の歌のように思いますが、そのあたりの線引きはあまりかっちりとはしていない(できない)のかもしれません。