イタリヤ総選挙で両院ともベルルスコーニ元首相(81)が率いる野党・右派連合が首位となった。自身は脱税で有罪判決を受けているために公職に就くことはできない。だが、総選挙で右派連合が議会の過半数議席を獲得した場合、次期政権に影響力を及ぼすキングメーカーになりたいと考えている。派手好きで失言だらけのベルルスコーニ氏再登場で今後、親EU派が失速し、EU懐疑派が躍進する。世界経済はトランプ、ベルルスコーニ両氏により混乱が続きそうです。
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日実施されたイタリア総選挙(上下両院)では、両院とも過半数を獲得する政党がないハングパーラメントとなる見通し。
開票率がほぼ半分となった段階で、主要な3勢力はいずれも単独で議会の過半数を確保できず、主流派が再び政権に就く見通しはほぼなくなった。
現時点で考えられる連立のシナリオには、EU懐疑派連合の誕生が含まれ、欧州連合(EU)にとって新たな頭痛の種となりそうだ。
最終結果が明らかになるのは5日となる。
下院では、ベルルスコーニ元首相率いる野党「フォルツァ・イタリア」を含む右派連合が最大勢力となる見込み。
右派の得票率は37%程度で、フォルツァ・イタリアよりも反移民を掲げる「同盟」が優勢となっている。
単一政党として得票率が最大となる見通しとなったのは反体制派政党「五つ星運動」。得票率は全体の3分の1程度となり、前回の25%から伸びる見通し。
与党・民主党を中心とした中道左派連合の得票率は約22%。貧困や移民の大量流入への反感で票を失った。
ドイツでの大連立政権誕生で5カ月余りに及んだ政治空白が解消されるが、多額の債務を抱えるイタリアで政治空白が長引けば、ドイツに代わる新たな懸念となりかねない。
議会はの3月23日に開会の予定。ただマッタレッラ大統領は政権樹立に向けた協議を4月上旬まで始めないとみられている。
過去2カ月にわたる選挙期間中、各政党の指導者は、選挙後に他党と連携する可能性を繰り返し否定してきた。しかし、五つ星運動はその後、他党と共通する政策の話し合いに前向きな姿勢に転じたが、閣僚人事の交渉には応じないとしている。
ウィンポールの世論調査責任者、フェデリコ・ベニーニ氏は、「五つ星運動」に加え、反移民を掲げる右派政党「同盟」が議会の2大政党となる見通しで、双方が望めば、政権運営が十分可能な議席数を2党で確保できると指摘した。