18番恩山寺は眉山を右手に見ながら勝浦川を渡って小松島市へ入り中田駅から四㌔ほどの小高い山の中腹にあります。参道を登りつめると大師堂があり、本堂へはさらに石段を登ることになります。
17年の遍路ではここはすばらしい秋晴れでした。縁起によると、聖武天皇の勅願により、行基菩薩が厄除けのために薬師如来を刻み、本尊として開基、大日山密厳寺と号し、女人禁制としていましたが、創建後百年を経て、弘法大師がこの寺 . . . 本文を読む
18番恩山寺はすばらしい秋晴れでした。石段を本堂に向かって登る時に蘇鉄の葉に頭をなぜられ、自分で勝手に小躍りしてしまいました。
それは法華経嘱累品にいう「摩頂」に似ていると思ってしまったからです。
梁塵秘抄には法華経嘱累品を引用して「一乗付属の儀式こそあはれに尊きものなれ、釈迦牟尼仏は座より下り菩薩の頂なぜたまふ」といい、江戸時代の真言宗の高僧慈雲尊者は「罪障消滅のしるし」といわれました。まこと . . . 本文を読む
14番常楽寺は「弘仁6年弘法大師四国巡錫の砌り、当地で弥勒菩薩の御来迎を拝し随喜の余り、直に感得の慈尊二尺六寸の尊像を彫り九間四面の中堂に安置し、四国霊場第十四番の本尊とし給うた」とあります。四国霊場中弥勒菩薩を本尊に安置するは唯一です。また流水岩の庭園も四国唯一とされます。
大体ここでお昼をいただくことが多いのです。
14番常楽寺から15番国分寺までは、道をまちがったので常楽園という孤児院 . . . 本文を読む
・13番大日寺
13番大日寺は焼山寺から遥か下に鮎喰川と散在する村落を見ながらおりていきます。だんだんに下って行って、県道21号線に合流し、鮎喰川と県道の間に建つ大日寺に着きます。12番からは20キロ以上あると思います。だいたいいつもここに着くときにはくたびれ果て足は棒のようになっています。
13番大日寺は、弘仁六年(八一五)弘法大師がこの地に巡錫され、護摩修法されているとき、大日如来が示現され . . . 本文を読む
・8番熊谷寺は7番十楽寺から4kmくらい歩きます。1回目は9月末とはいえ暑くて喉もからからでした。道端の果物屋に入ったところ女将さんらしき人が「うちはお遍路さんにお接待して納札を集めています」といい、ぶどうを5房もビニール袋に入れてくださいました。壁をみると何百枚何千枚もの納札が所狭しと張ってあります。なかには金や赤の納札もあります。(普通の納札は白色ですが、巡拝の回を重ねると色のついた納札を使い . . . 本文を読む
大体いつも6番安楽寺で泊まるので朝早く起きて6番札所の裏を歩いて7番十楽寺を目指します。1キロほどなのですぐ着きます。早く着きすぎて朝7時の納経時間前になることがおおいのです。そういう時は本堂で理趣経を何度もあげて待ちます。お大師様は、ここ十楽寺で阿弥陀如来を感得、ご本尊とし刻まれたのが寺のはじまりで、人間のもつ八つの苦難(生・老・病・死・愛別離・怨憎会・求不得・五陰盛)を離れ、十の光明に輝く楽し . . . 本文を読む
6番安楽寺のご本尊薬師如来は最近も知る人ぞ知る有名な霊験を現されました。各種の霊験記や安楽寺のパンフレットをまとめると以下のようになります。
昭和31年安楽寺住職畠田禅峰師はお薬師さまのお導きで重度脊椎カリエスの患者水谷しずをつれた夫繁治に決死の遍路行を指導します。その道中、27番神峰寺の急峻な参道で、しずは転倒し、したたかに患部を打ったのですが、そのショックでその場で立てるようになったとい . . . 本文を読む
Iさんから以下のようにご指摘いただきましたので修正します。池田総理は四国でなく伊予大島八十八所でした。「池田元総理は、四国遍路ではなく、伊予大島八十八カ所を徒歩で巡礼しています。難病で大蔵省を休職後、実家(竹原市)で療養中、母から遍路を薦められ、1934年に満願しています。その後、難病を克服し、戦後、総理大臣になることができました。」 . . . 本文を読む
徒歩遍路は大体一泊目は6番安楽寺です。1番から6番までは楽に誰でも歩けます。
1番霊山寺から5番地蔵寺まで、お蔭の数々
第1回目のスタートは、17年9月21日、お大師様の日でした。本当は20日の予定でしたが岡山の実家に帰っているとき叔母が急病になり病院に連れて行ったため1日おくれ、気がつくと21日のお大師様の日の打ちはじめになっていたのです。
初日は、電車で坂東駅に着き、一番目を指して歩き始めま . . . 本文を読む
Q、何日かかりますか?装束は?その間なにか自分に課題を課していたことがありますか?
A、最初の通し遍路であh33日かかりました。一分乗り物に乗ったからです。すべて歩けば40日以上かかるといわれます。経費は寝袋などもっていけば安くまわれます。知り合った大学生はバスなど乗り継いで2週間で回ったといっていました。また区切り打ちと称して一度に数寺ずつおまいりする人も多いようです。私も二度目以降は区切り . . . 本文を読む
Q、遍路など自分には遠い特別の世界です。ビジネスとは関係ないことです。悩みのある人がいけばよいのでしょう。
A、セネカは「人生の短さについて」で「いかに沢山のものが愚かな喜びや、飽くことの無い欲望や、こびへつらいの付き合いによってもちさられてしまったことか。・・・そのうちお分かりのことと思うが、あなたはまだ未熟のうちに亡くなることになるでしょう。」といっています。
また後で述べますがつい先ごろ . . . 本文を読む
その2 遍路の動機
遍路には動機をきかないことになっていますが、じつは野次馬根性でお互い遍路同士もそこが一番知りたくて興味津々なのです。結論をさきにいえば、お大師様との縁が熟した者が遍路できることになるのですが、そこに思い至る前の直接の動機はさまざまです。
12番焼山寺下の遍路宿のノートに多くの人の遍路の動機が記されてありましたので紹介します。
「主人を亡くして6日目、家で耐えるのが悲しく . . . 本文を読む