「影勝王の象の子の 産に臨みて悩みしも 牧女(うしかいおんな)の操にて 誓って分娩せしめたり」ここは第三不邪淫戒の功徳を讃嘆する。影勝王とはマカダ国阿闍世王の父にして韋提希婦人の夫、頻婆沙羅王(びんびさらおう)のことなり。この王の威光は閻浮提に冠たり。後宮に二万の彩女ありて侍給せり。時に王の乗用の牝象、胎みて分娩の機に臨んで困難し苦しんで児を産することを得ず。時に王、後宮の后妃以下二万の彩女に命じ . . . 本文を読む
金剛般若波羅蜜經開題(弘法大師)
(京都国立博物館に大師筆の「金剛般若波羅蜜多経」(残巻)が国宝として残っています。
大師は遣唐使・藤原葛野麻呂が無事渡唐の御礼に『金剛般若経』187巻の書写をしたので大師がその供養をされたその際の願文を執筆されています。「・・弟子、去んじ延暦二十三年に天命を大唐にふくんで遠く鯨波を渉る。風波天に沃いで人力何の計かあらん。自ら思く、冥護(神仏の護り)によらずんば . . . 本文を読む