十善に世間の十善と,天の十善と、出世間の十善とあり。世間の十善は、太古のときに聖王出でて人民を統制するの正法にして即ち人たる道の根本なり。故によく之を守るものは修身治国利民の益あり。当来は必ず天に生じることを得る。天の十善とは、忉利天の帝釈天王が能く十善を以て諸々の天衆の放逸を誡慎せしむる、これ天の十善なり。出世間の十善とは一には声聞乗の十善、二には縁覚乗の十善、三には菩薩乗の十善、四には佛乗の十 . . . 本文を読む
新型肺炎が流行の兆しですが沙石集には「円頓止観」を唱えて行疫神から逃れた僧の話があります。
『沙石集』円頓の学者鬼病を免るる事
「中ごろ、ある山僧、日吉の大宮に参籠す。夜半ばかりに、夢にもあらず、うつつにもあらずして、見れば、行疫神(ぎやうやくしん)の異類異形なる、数知らず参りて、「天下一同の災ひにて候ふ。山僧少々給ふべし」と申すに、神人出で向ひて申しけるは、「山門の学者をば許すべからず。ただし . . . 本文を読む