東洋文化史における仏教の地位
高楠順次郎
一
今日ここに講演の機会を与えていただいたことは感謝するところでありますが、果してご満足を得るかどうかを甚だ疑うのであります。書き出しておきました題目はこういう大きな題目でありますが、それの一小部分をお話するようなことに終ってしまうであろうと思うのであります。話の順序といたしましてインドのことが相当に多くを占めることと考 . . . 本文を読む
本当の祈りは目的をおいて祈るものではない。
円覚寺横田南峯管長様のブログ「今日のことば」
に「『ほんとうの祈りというものは、叶うても、叶わんでも、むしろ叶わんということを知りつつ、祈らずにおられんから祈るというのがほんとうの祈りで、祈るから叶うという、相手に、目的をおいて祈るのではほんとうの祈りではない』」と鈴木大拙の言葉を紹介されていました。
これなど先に引用した、那須政隆師(大正大学学長、真言 . . . 本文を読む
1、「人生は苦である」
「大河の一滴」(五木寛之)に「人はだれでも日々の暮らしのなかで、立ち往生してしまって、さて、これからどうしよう、と、ため息をつく場面にしばしば出会うものなのだ。
・・・私たちはそんなとき、フーッと体から力が抜けていくような、なんともいえない感覚をあじわう。
むかしの人たちは、そういった感じを、「こころ萎えたり」と、言った。
・・少年時代にもそうだったし、物を書くようになって . . . 本文を読む