福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

地藏菩薩本願經卷下 閻羅王衆讃歎品第八

2019-04-13 | 諸経
地藏菩薩本願經卷下閻羅王衆讃歎品第八(人の生死を司る主命鬼王が「・・・世尊よ、一切衆生臨命終時に若し一佛名一菩薩名或は大乘經典一句一偈を聞くことを得ば、我れ如是の輩の人を観じて五無間殺害之罪を除いて、小小の惡業や惡趣に堕すべき者も尋いで即ち解脱せしめん。・・・」という。爾時、鐵圍山内に無量の鬼王あり。閻羅天子と倶に忉利天に詣して佛所に到る。所謂惡毒鬼王・多惡鬼王・大諍鬼王・白虎鬼王・血虎鬼王・赤虎鬼王散殃鬼王・飛身鬼王・電光鬼王・狼牙鬼王・千眼鬼王・噉獸鬼王・負石鬼王・主耗鬼王・主禍鬼王・主食鬼王・主財鬼王・主畜鬼王・主禽鬼王・主獸鬼王・主魅鬼王・主産鬼王・主命鬼王・主疾鬼王・主險鬼王・三目鬼王・四目鬼王・五目鬼王・祁利失王・大祁利失王・祁利叉王・大祁利叉王・阿那吒王・大阿那吒王・如是等の大鬼王なり。各各百千の諸小鬼王と盡く閻浮提に居して、各々所執あり、各々所主あり。是の諸鬼王、閻羅天子とともに佛の威神及び地藏菩薩摩訶薩の力を承けてまさにこの忉利の大会に詣することを得て一面に在りて立つ。爾時、閻羅天子胡跪合掌して佛にもうして言さく、「世尊よ、我等今、諸鬼王と佛の威神及び地藏菩薩摩訶薩の力を承けて方に此の忉
利の大會に詣することを得たり。亦是我等善利を獲るが故なり。我今小疑の事あり。敢て世尊に問いたてまつる。唯願はくは世尊よ、慈悲宣説したまえ」。佛、閻羅天子に告げたまわく、「汝が所問を恣にせよ、吾れ汝が為に説かん」。是時閻羅天子、世尊を瞻禮し、及び地藏菩薩を迴視して佛にもうして言さく、「世尊よ、我れ地藏菩薩を観ずるに、六道中にいまして、百千の方便を以て而も罪苦衆生を度して疲倦を辭せず。是大菩薩に如是の不可思議神通之事あり。然るに諸の衆生、罪報を脱しうるも、久しからざる間又惡道に堕す。世尊よ。是地藏菩薩既は如是の不可思議神力あり。云何ぞ衆生をして不善道に依止して永く解脱をとらしめる。唯だ願はくは世尊よ我為に解説したまえ」。佛、閻羅天子に告げたまわく「南閻浮提衆生は其性剛彊難調難伏なり。是の大菩薩は百千劫において頭燃のごとく如是の衆生を救拔して早く解脱せしむ。是の罪報の人、乃至大惡趣に墮すれば菩薩方便力を以て根本業縁を拔出して而も宿世の事を悟らしめ、自から是の閻浮の衆生、結惡習重にして旋(やや)出ずれば旋(やや)入る。斯の菩薩の勞して久しく劫數を経て而も度脱を作す。譬えば人ありて本家を迷失して誤って險道に入り、其險道中に多くの諸夜叉及び虎狼師子蚖蛇蝮蠍多し。如是く迷人、險道中に在りて、須臾之間に即ち諸毒に遭う。一の知識多解大術なるありて善く是の毒乃び夜叉諸惡毒等を禁ず。忽ち迷人の險道に進まんと欲するに逢いて、而もこの道に入る、なんの異術ありてかよく諸毒を制せん。この道に迷う人、忽ち之の言を聞いて、まさに険道なることを知り即便ち退歩して此路を出んことを求む。是の善知識、提携接手して險道を引出して諸惡毒を免れ好道にいたり安樂を得せしむ。而も之に語いて言はく、『咄哉迷人、自今已後、是道を履むこと莫れ。此路に入る者は卒に出ずることを得がたく復た性命を損ず』と。是の路に迷える人、亦た感重を生ず。臨別之時、知識又言はく、『若し親知及び諸路の人、若しは男、若しは女を見ては、此路において諸の毒惡多く性命を喪失すと言うて、是の衆をして自ら其の死を取らしむること無かれ。是の故に地藏菩薩よ大慈悲を具して罪苦の衆生を救拔して天人の中に生じて妙樂を受けしめよ。是の諸の罪衆は業道の苦を知りて、脱得し出離して永く再歴せず。迷路の人、誤って險道に入り善知識に遇い、引接して出さしめ永く復た入らず、また他の人をあい見ても復た入ること莫れと勸む。自ら是によって迷の故を言って、解脱を得る。竟って更に復た入らざるが如し。若し再び履踐して猶尚ほ迷誤してむかし落る所の險道を覚らず、或は失命を致すは墮惡趣の如し。地藏菩薩方便力の故に解脱せしめて人天中に生じしむれども旋や又た再び入る。若し業結重ければ永く地獄に処して解脱の時なし。』爾時、惡毒鬼王合掌恭敬して佛に白して言さく、「世尊よ。我等諸鬼王は其數無量なり。閻浮提に在りて或は人を利益し或は人を損害し、各各不同なり。然れども是れ業報なり。我眷屬をして世界に遊行せしむるに惡多く善少なし。人の家庭、或は城邑・聚落・莊園・房舍を過ぐるに、或は男子女人ありて毛髮の善事を修し、乃至一旛
一蓋を懸け、少香少華をもって佛像及菩薩像を供養し、或は尊經を轉讀し、燒香して一句一偈を供養せんに、我等鬼王是人を敬禮すること過去現在未來諸佛の如し。諸の小鬼および各各大力及び土地分、有るに勅して便ち衞護せしめ、惡事・横事・惡病・横病乃至不如意事をして此の舍等の處に近ずかしめず、何に況んや門に入らしめんをや」。佛、鬼王を讃じていはく、「善哉善哉、汝等及び閻羅、能く如是に善男女等を擁護す、吾亦、梵王帝釋に告げて汝を衞護せしめん。」是の語を説く時、會中に一の鬼王あり、名ずけて主命という、佛に白して言さく、「世尊よ。我本業縁、閻浮の人命をつかさどる。生ずる時、死する時、我皆な之をつかさどる。我が本願にありては甚だ利益せんと欲すれども、自ら是の衆生は、我意を会せずして、生死をして倶に安きことを得ざらしめることを致す。何を以っての故に是の閻浮提の人、初生の時、男女を問わず、或は生ぜんと欲する時、但だ善事を作せば舍宅を増益して自ら土地をして無量に歡喜し子母を擁護して大安樂を得、眷属を利益せしむ。或は已に生下せば愼みて諸の鮮味を取りて産母に供え及び廣く眷屬を聚めて飮酒食肉歌樂絃管することなかれ。能く子母をして安樂を得ざらしむ。何以故。是の産難の時、無數の惡鬼及び魍魎・精魅ありて腥血を食と欲す。是れ我れ早く舍宅・土地の靈祇をして子母を荷護せしめ、安樂にして而も利益を得さしむ。如是の人、安樂を見るが故に、便ち福を設けて諸の土地に答うべきに、翻って殺害を為して眷屬を集聚す。是を以ての故に、犯殃(とが)自ら受
子母倶に損す。又た閻浮提の臨命終の人、善惡を問わず、我れ是の命終の人をして惡道に落ちざらしめんと欲す。何に況んや自ら善根を修せば我力を増すが故に。是の閻浮提行善の人すら臨命終時に、亦た百千惡道鬼神あり。或は變じて父母乃至諸眷屬となりて亡人を引接して惡道に落さしめんとす。何況んや、本と造惡の者をや。世尊よ、如是の閻浮提の男子女人臨命終時に神識惛昧して善惡を弁ぜず。乃至眼耳更に見聞なし。是の諸眷屬、當に須らく大供養を設て、尊經を轉讀し、佛菩薩名號を念ずべし。如是の善縁は能く亡者をして諸惡道を離れ、諸魔鬼神を悉く皆な退散せしむ。世尊よ、一切衆生臨命終時に若し一佛名一菩薩名或は大乘經典一句一偈を聞くことを得ば、我れ如是の輩の人を観じて五無間殺害之罪を除いて小小の惡業、惡趣に堕すべき者も尋いで即ち解脱せしめん。」佛、主命鬼王に告げたまはく、「汝大慈の故に能く如是の大願を発して生死の中において諸衆生を護る。若し未來世中に男子女人ありて生死に到る時、汝じ是の願を退することなかれ。總て解脱して永く安樂を得さしめよ。」鬼王佛に白して言さく、「願はくは慮なしたまうことなかれ。我れ  是の形を畢るまで念念に閻浮の衆生を擁護して生時死時倶に安樂を得さしめん。但だ願はくは諸衆生、生死の時において我語を信受せば解脱して大利益を獲ずということなからん。」爾時佛は地藏菩薩に告げたまはく、「是の大鬼王・主命は、曾って百千生を經おわって大鬼王と作り、生死の中において衆生を擁護す。是の大士、慈悲願の故に大鬼身を現ずといえども實は鬼に非ざる也。却後一百七十劫を過ぎて當に成佛することを得て號して無相如來という。劫を安樂と名け、世界を淨住と名く。佛の壽命、不可計劫なるべし。地藏よ、是大鬼王其事如是に不可思議なり。所度の天人亦た不可限量なり。
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